1.2薄暗い部屋にて−

 

― 1015AM11:31 −

 

 こんこんとした山の中にある不似合いな建造物の群れ。洋風感を意識した建造物が妙な違和感をかもしだしている。その建造物群のはずれにあるうちっぱなしの建物。周りには木くず、破れた紙の山、そして洗濯機。はじめてきた奴ならここをごみの不法投棄場と勘違いしても不思議はないだろう。アパートを圧縮したような建物。人気は、ない。・・・ないはずだった。この奇妙な建物の1室で密談を交わしている男と女。電気もつけずに・・・

 「なあ、蛍光灯ぐらい買おうや。」

 「だって、部費がないんやもん。」

 「ぶひ?そんなのあったか?」

 「あるよ?飲み会で消えたけど♪」

 「まさか・・・前回の飲み・・・みんなあんまり支払わなかったのは・・・」

 「そう、部費で払った♪」

 女は悪びれたふうもなくにっこり笑う。

 「こだま・・・頼むから部費は普通に使ってくれ・・・」

 「たろかって楽しそうに飲んでたやん♪まあ帳尻はちゃんと合わせるから大丈夫♪」

 たろはため息をついた。さすがは部創立以来最強と言われた女・・・。

 「で、まあそんな話はいいや。朝から俺を呼び出した理由はなに?」

 「今日やす先輩が来るって事は話したでしょ?だからバスセンターまで迎えに行ってもらおうと思って。」

 「・・・聞いてないぞ。」

きょとんとするこだま。

 「え?紫星に連絡してたろにもまわしてくれるようにいっといたんやけど・・・」

 「紫星の携帯は洗面所にダイブしたってのはきいた?」

 「ううん、きいてない。」

 「確か三日前から携帯使えないってテツオが言ってた。」

 「!?どうりで昨日つながらへんと思った・・・」

 「で、俺に迎えにいってほしいと?」

 「車持ってるしね、お願い〜♪」

 たろはまたため息をつく。

 「・・・わかった。どうせここまできたんだご送迎いたしましょう・・・」

 「ありがと♪」

 こだまはちゃっかりと笑顔を見せた。

  首都圏から幾分離れた地方都市霧里市。この二人は町のはずれにある総合大学の学生だ。部室で話をしていることからとれるように、サークル「しなっぷ〜す」のメンバーである。部申請したため正確には部なんだろうが、なぜかメンバーはサークルと呼ぶ。設立目的は・・・不明。この部の謎はなぜ部として認めてもらえたのかということである。

 「あ!そろそろ電話しなきゃ!」

 「電話って・・・、やすさん?」

 「そそ、着く前に起こしてくれって。」

 こだまはカバンから携帯を取り出すと電話をかける。

 「起こしてくれって・・・寝てるのか?」

 「朝早いし、昨日やす先輩は仕事やったしね、えっと・・・」

おとなしくしてりゃあかわいいのになあ・・・。やすが電話にでるのをじっと待ってるこだまを見てたろはつぶやいた(あくまで心の中で)。壁にかかっている時計を見上げると11時47分。そろそろ昼の高速バスが着く時間に近づいている。

「あ、先輩〜♪いまどこ?」

 どうやら電話がつながったようだ。

 「ちゃんと来てくれたんや♪さすがはやす先輩!」

 「・・・」

 「だって主催者が来てくれへんと話になんないし、ね?」

 「・・・」

 「そこんとこはまかせといてください♪。たろがくるま買ったから大丈夫!」

 「・・・」

 「え?なんです?もしもし?せんぱーい?」

 「・・・」

 「あちゃ、切れちゃった・・・」

「おおかたトンネルにでも入ったんだろ。」

「トンネルなんてあったかなあ・・・」

 こだまは首をかしげる。

「まあ、やすさんはこっちにむかってるんだろ?」

「うん、それはまちがいない。」

 「じゃあそろそろ出よう。バス停まで結構時間食うぞ。」

 「おっけ〜♪」

 そうして二人が立ち上がった時、部室のドアが勢いよく開いた。

 「うい〜っす。なんや、こだまとたろか・・・」

 「なんやとはなんや。いきなりの挨拶がそれか・・・。」

 「あ、とけちいらっしゃ〜い。」

 「やすさん来るんやろ?まだ迎えに行ってないんか?」

 「うん、今から行くとこ。」

 「なんでここに?とけち昼からも授業あったんじゃあ・・・」

 「休講になった、てか休講にした。」

とけちはさらりと言ってのけた。

 「またいいかげんな・・・」

 「たろほどやないて♪」

 「まあそうだなあ・・・っておい!」

 「たろさんお話ちゅうのとこすみませんが・・・バス、着いちゃうよ?」

 「あ、やば!携帯教室に忘れた!ちょいとりに行ってくるわ。また飲み会のことはめーるかなんかで連絡して。」

 「え?とけち迎えにいかへんの?」

 「ぞろぞろ迎えに行ったってしゃあないやん。どうせ1回学校来るんやろ?そんときに呼んで。」

 「あ、それじゃあひかるに連絡とっといてくれへん?」

 「会ったらな。どうせまた寝坊しとるんやないか?んじゃまた!」

 とけちは部屋を飛び出していった。

 「とけち・・・何しに来たんだ?」

 たろがつぶやく。

 「ささ、行きましょ行きましょ♪」

 「はいはい・・・」

 ここまだ平和だった・・・

 

…..to be continued.

 

  • こだまたちと一緒にやすを迎えに行く。
  • とけちを追う。

    あとがき〜

     

    さあ、とうとう書いちまいました()

    ちょっと変わった感じで書いてみたんだな〜

    まあ、その“感じ”が分かるのは2話以降だと思うけど2話以降書くのはいつのことやら・・・

    ・・・みんな感じでてるかなあ・・・書いてる自分ではわかんないかもしれないんでどんどん忠告くださいね♪

    基本的には1話ごとに時間を整理していきます。やすの終わりとこのたろとこだまが迎えに行くまでのところの時間軸は同じって感じで。

    みんなが出てくるので、ひとりが分かれてもその人を追っていける・・・そんな感じにしたかったんで。

    ちなみにアドベンチャーではないのでどこを選んでもストーリーは変わりません。話が進むにつれて合流したり分かれたりします。(ただそれだけ)

    ただ俺が書くのがしんどいだけです()

    でわ、2作目もおたのしみに〜

    2作目登場予定人物:ひかる、天竜流樹、紫星、テツオ(未定)、タチバナ?

     

    p.s たろさんなんか違う・・・