
「あたっ」 「あああっ、ごめん!」 もう何度目だったか、ジョウイの軽い悲鳴とシャオロンの焦った声が流れた。 「構わないけど・・・・・・シャオロン、慣れないね・・・・・・」 「な、慣れないって・・・・・・!こら、ジョウイ!」 近づいてきた嬉しそうな顔を手のひらで止める。ジョウイは、不満そうにその体勢のままシャオロンを軽く睨んだ。 「だって・・・・・・足を踏むごとにキス一回、だろう?」 「そんなのジョウイが勝手に決めたんじゃないか!そもそも、そんなことするから・・・・・・!」 はた、と。 シャオロンの言葉がなにかに気がついたように止まった。 ジョウイはそれが何故だかわからなくて、そのまま続きを無言で待つ。だけどそのままシャオロンはなにも言わない。 「・・・・・・シャオロン?」 唇をシャオロンの手で押えられたままだから、出せるのはくぐもった声。だけど小さな声であったはずのそれに驚いたようにシャオロンはあわてて手を引いた。 「な、なんでもないよ!」 逃げようとしたその体を、腰にあてていた右手で引き寄せる。焦ったシャオロンが顔を反らすのを見てジョウイもむきになってしまう。 「シャオロン、教えて?僕が君にキスするから・・・・・・なに?」 「ううううう・・・・・・」 言いにくいのか、ちらちらとジョウイを上目遣いに見てくるシャオロンはなんだか・・・・・・かわいい。だけど、どこか悔しそうな表情だとジョウイは思った。 「教えて・・・・・・くれないのかい?」 少しだけ寂しげな表情。シャオロンが自分のそれに弱いことを知っている。案の定、彼は諦めたのか一つ溜息を落としてから口を開いた。 「だって、さ。そんなことされたら・・・・・・余計動揺しちゃって・・・・・・また、失敗するから」 ダンスの動きに慣れないわけじゃない。 ただ、シャオロンはジョウイのキスに、揺れてしまって。 「シャオロン・・・・・・・・・・・・」 その言葉の意味するところを悟って、ジョウイは少し驚く。だけど、一瞬後にはすぐに蕩けるような笑みを浮かべて腕の中の体をいっそう強く抱きこんだ。 「ちょ、ジョウイ!」 「そんな嬉しいこと聞いちゃうと・・・・・・僕は調子に乗ってしまうよ?」 「・・・・・・だから言いたくなかったんじゃないか・・・・・・」 そうだ。よくよく考えてみればダンスの足の動きなんて体術の足さばきに比べれば動きは遅いし簡単で、体を動かすことがなにより得意の彼が習得できないわけはない。 「ずっと、どきどきしてた?」 「・・・・・・うるさいな」 「僕は・・・・・・君と踊っているとすごくどきどきしたよ?」 「そゆことジョウイが言うとなんかしらじらしいの!」 シャオロンの照れ隠しだということがバレバレの乱暴な言葉に、ジョウイはひどいななんて言って笑った。 「第一、どうしてダンスで君の足踏んだからってキスされなきゃいけないの?」 根本的な疑問に辿りついたのか、シャオロンがジョウイに疑問符を投げかけた。それに今度はジョウイが困ったように意味なくこめかみを指で押えて見せる。 「あー・・・だって、やっぱり罰ゲームってゆーか・・・・・・踏まれた代償ってゆーか・・・・・・」 僕の役得ってゆーか。 最後だけは口に出さずに、ジョウイは笑って言葉を濁した。 「罰ゲームがキスって、なんか僕に失礼じゃない?」 「え?」 思ってもみない言葉にシャオロンを見ると、幼い頃のようにその頬を膨らませていた。 「罰ゲームってことはさ、僕がそれ嫌がってるってジョウイ、思ってるんだよね」 嫌だなんて一言も言ってないのに。 ぽそりと付け加えられた言葉に、ジョウイの瞳がこれ以上はないほど優しく眇められた。 「ごめん、そんなふうには思ってないんだけど・・・・・・」 「なら、いいけどさ」 「・・・・・・・・・ね、シャオロン」 額を合わせる。 間近に見えるのはお互いの瞳の色。 青灰色と茶色。 「罰ゲームじゃないキス、しようか」 軽い冗談みたいな言葉に二人とも笑って。 ようやくほんとの、キスを交わした――――――。 END |

同期の桜の抄様からいただきました(強奪したともいう)すてっきな(←力説!)小説です(>▽<)(>▽<)(>▽<)vv
猫のダンスの絵を見て、書いてくださいました\(^o^)/
うきゃきゃきゃきゃあああ〜〜vv。ああ・・・、もう、猫はメロメロですvvなんてステキなジョウ主のお話を!!
さあ、皆様一緒に壊れましょう!!!
抄様ありがとう〜〜!!!(感謝の巨大スリスリ!←やめんか!)。
モドル