その昔、中国大陸において三つの大国が争った時代があった。 人はその時代をこう呼ぶ 賛国志! AD.203 賛帝國 首都「燦々(さんさん)」 軍事本部 「作戦なんてどうでも良いんだよ。尚国に全軍突撃で決まりだろうが! ゆるせん。」 その間首都はがら空きになることを知っているのか、賛帝國の帝王、賛(さん)は荒れに荒れていた。 「賛帝、それはむちゃです。それに、手紙の一つや二つで戦をしていては・・・。」 逝かれた帝王を止めようと必死になる軍事顧問だが、相手が悪い。 「てめぇは、だまってろ!」 軍事会議において、軍事顧問を黙らせたら一体、誰に発言権があるのだろうか。 何の会議なのか誰にも理解できないだろう。 「しかし、賛帝。」 「だまれ っつってんだろ!」 相手はやくざだ。 「はい。君、首ね。」 あっさり首にされる軍事顧問。しょぼくれ、部屋を去る軍事顧問の背を見ながら出席者はこう思ったに違いない。 「亡命したいな・・・・・。」 AD.203 尚王国 首都「考羅(こうら)」 軍事会議室 「王様、会議中に小説はやめて下さい。」 「いいじゃん 刃向かうの? 適当にそっちで決めちゃってよ。」 勝手な政治は賛帝国だけかと思いきや、ここも同じであった。 「しかし・・・」 「判子は押すから。適当に早く決めてよ。」 目線は既に本に戻し、コーラを飲みながら適当に言い放つ。 あきれた補佐官は答えた。 「で、では・・・・。」 そして、王を無視した軍事会議が始まった。 「そもそも、この戦争はやる意味がありません。」 外交大臣はそう言いながら、この国の公式ドリンク「コーラ」を飲み、そして続けた。 「発端は、王の書いた手紙でしょう? ちょっと悪口を書いたからって、何で相手は宣戦布告して来るんですか?」 「戦争というのは、理由は何でも良いんだよ」 「それにしても、馬鹿げていますよ。」 正論だ。しかし、それを知っていれば、そもそも国家や戦争など起きない。 「しょうがないだろう、相手がせめて来るんだからこっちもどうにかしないと滅びる。」 そもそも、その「どうにかする」事を考える会議であるはずである。その前に戻ってどうするのだろう。 その後、対策はいつも通り「防衛軍の増強」と言うとても曖昧な意見で終了する。 それで国王が納得するのだからしょうがない。 AD.204 間ヶ原 賛帝国本陣 荒々しく鼻を鳴らし、賛帝がほえる。 「いいか。奴ら滅殺だ! 一人も逃がすな!」 もう、彼は人でない。 「逃がしたりした奴は、死刑だ。」 彼は帝王、逆らえない。 「尚を逃がしたら、全員死刑だ!! 解ったか!!」 答える隙を与えず、間髪入れずに叫ぶ賛帝。彼は逝かれている。 「とつげぇ〜〜き!」 いきなり突撃と言われ、とまどう賛軍。やおら着いたと思ったら、いきなり突撃。理解不能だ。 「突撃っつってんだろ!」 刀を振り上げ、となりにいた参謀を斬りつける。既に彼の中で人間は敵らしい。 「ぐぎゃぁ〜っ。」 「だぁ〜あっあ!」 壊れている。彼の精神は崩壊しているのかもしれない。 足下に参謀の腕が落ちているのを無視して、言い放つ。 「二度と言わせるな。突撃だ!!」 この状況で、従わなければこの場で死刑確定である。全員必死に突撃して行った・・・・。 時、同じくして尚王国本陣 「王様、またコーラですか?」 「君、解ってないね。」 そう言いながら、胸ポケットから釘抜きを取り出す尚王。何をするかと思えばいきなり殴った。 頭から鮮血を吹き出させながら、側近が叫ぶ。 「申し訳ございません!」 「土下座だ!!」 キチガイだ・・・。 止めどなく流れる血。土下座と言われるまでもなく、側近は力つきた。 「まったく・・・。」 どっちが「まったく」なのかは言わなくても分かる。 そして再び小説とコーラを楽しむ尚王。 (やはり、コーラは最高だ。おーるうぇいずだな。) そんな意味不明な事を考える国王の元へ伝達が届く。 「賛軍が全軍押し寄せてきます!」 「じゃあ 戦ってきて。」 素早い返答。本から目も逸らさずに答える。あまりにも適当だ。 「は?」 思わず口が滑る軍事顧問。 「馬鹿っ 聞き返すな!」 同僚が鋭く囁くが、時既に遅く。スパナが軍事顧問の目玉を突き抜いた。 叫ぶ暇もなく力つきる軍事顧問。 もう、こっちの軍も突撃以外赦されない。 こうして、賛帝国軍と尚王国軍の不毛な争いが始まった。 しかし、既に両軍の首都が安国によって占拠されているなど知る由もなかった・・・。