〜書き初め〜
1の月3番目の日
たまたま通りがかった本職人の作業場で、何か、騒ぎが起きていた。
聞くと、失敗した本が出たとのことだった。仕事始めで、新人の職人に任せたところ、
装幀は崩れて、文字は薄くて読めなくなるような本が出来てしまったそうだ。
写本屋になんと言い訳すれば良いんだ。と親方らしき人の大きな叫び声が聞こえる。
試しに、無駄になった本はどうするのか、聞いてみると、捨てる。という。
それは、もったいないと言うと、なら買うか、とのこと。
生活に余裕があるとはとても言えないのであるが、物を書き留めるようにと50ガメ
ルで数冊分約200枚の紙とインクとペンを購入した。
それで、今、この顛末を書いているのだ。