〜油断〜
10の月16番目の日
今日は襲撃はなかった。もう諦めたか、我々が宝石を持っていないことに気づいたの
だろう。
明日には街に帰り着いて、残りの報酬をもらうことが出来るだろう。
---
くだらない落書きめ 俺様のサインでも書いておけば少しは価値が上がる 感謝しろ
ロイ ウェルマン
---
10の月26番目の日
ようやく日記を取り戻した。本当にくだらない落書きが書かれているが、まあ、今回
のことを忘れないために残しておこう。
それにしても10日前のことは、本当に油断だった。街のそばまで来て、もう襲撃は
ないものとばかり思っていた。
不意打ちを食らって、我々は皆行動できなくなった。恐らく眠りの雲だったのではな
いかと思う。気が付くと、金と日記と受取証が無くなっていた。
それからは忙しかった。依頼者の導師に会って事の次第を伝えた。賢者のつてで、気
に染まないようだったが、盗賊ギルドに手を回した。他にも考えられる手をいっぱいに
使って情報を集めた。私も気は進まなかったが、昔の仲間にも話を聞いたりした。
どうやら、やはり、金貸しが怪しいことが分かった。表向きは低利率で良心的な金貸
しという評判だったが、担保を奪い取ることで儲けている、という評判が一部にあった。
我々が受取証を導師に渡すことが出来なければ、もっと金がむしり取れると思ったの
だろう。後で聞いたが、導師の研究成果が大変なものだったらしく、金貸しはその上前
を狙っていたのではないかと思われた。
襲ってきた者達の行方を追った。簡単には見つからないと思ったが、幸いなことに、
隣町の酒場で大騒ぎをしているところを見つけた。その場で取り押さえて、金を取り返
し、事の真相を白状させた。金貸しのところまで連行して、金貸しを衛視に付きだした。
その後、質に流れていたこの日記をやっとのところで取り戻したのだった。