〜出会い〜
2の月9番目の日
今日も、冒険者の店めぐりだ。もうそろそろ仕事が見つからないと、飢え死にするか
も知れない。不安な中、歩き続け、そして、ねぐらに戻った。
2の月10番目の日
今日も私は、街をさまよっていた。店から店へと、仕事を求めて。
一人で探しても、実績のない者にとって、なかなか仕事は見つからないものだ。それ
どころか、追っ払われるような目にあったのも、過去に数度ほど有った。
この町には、結構冒険者は多い。だから、彼らに仕事を斡旋する冒険者の店の数もそ
れなりにあるのだ。ただ、専業で冒険者の店をやっているところは割と少ない。たいて
いは何かの店と兼業だ。そういう店は、外から見ても分かりにくい。酒場や雑貨屋を片
っ端から当たってみるしかなかった。
しかし、今日はついに良いことが有った。
いつものように、目にした雑貨屋に入って仕事がないか、聞こうとしていると、先客
の冒険者がいた。3人組のようだったが、店の主人とちょっと気まずい雰囲気になって
いる。
私は怖じ気づいて、店を出ていこうとしたが、冒険者と主人両方に呼び止められた。
私が肩から掛けていた弓を見て言ったようだった。
何でも、有る病気の富豪が、昔食べた白い鹿を、死ぬ前にもう一度食べたいと言ってい
るのだそうだ。今日明日という急な話では無いのだが、狩人の経験のあるものがいなく
て困っているのだという。
もめていた冒険者グループにも狩人はいないが、それでも仕事をくれ、出せない、と
問答になっていたようだった。
私の弓の腕はお世辞にもうまいとは言えないが、それでもいないよりましということ
で、明日から一緒に仕事に入ることになった。
前金で200ガメルもらった。
所持金が底を付きかけていたので非常に嬉しかった。