〜逃亡〜
11の月6番目の日
まずいことになったかも知れない。金貸しの件で、派手に動きすぎた。悪徳とはいえ、
街の有力者を勢いにまかせて官憲に付きだしてしまったことが問題になっている。金貸
しは、申し開きで無罪になってしまった。きっと衛視達に金を積んだに違いない。
我々の立場が危うくなった。
11の月10番目の日
我々は今、街の郊外で潜伏中だ。一昨日の夜、街を抜け出してきた。襲撃があって命
からがら逃げ出してきたのだ。まるで一月前の状況と同じ様だ。だが、今度は相手が誰
だか知っている。
賢者が昔の仲間達に手紙で連絡を取っていた。賢者は私が故郷に帰っている間に彼ら
との関係を修復していたようだ。何でも、その後で私を呼び戻そうと思っていたらしい。
そこに私が戻ってきたのでびっくりしていたが、こんな事になって心苦しい、と賢者は
言ってくれた。
今は逃げまわるしかないが、必ず街に戻ると誓った。