夢を信じる神さまの話
とある酒場にて
「エールくれ」
「いらっしゃーい、いつものセットでいい? すぐ用意できるから待ってて」
「こっちにはワインをもう一本」
「料理はまだか、しばらく前に頼んだ特別な奴」
「もうちょっとお待ちを〜」
「良いよな、金持ちは」
「オレたちには希望がある。夢がある」
「そりゃないだろーよ。おい。なんだよ」
「だってさー、あいつなんだか、もうよく分からないよ」
「誰か、うたー、歌えよ」
「詩人でも呼ぶか〜」
「詩人だったら、誰かいるだろ、誰かバイトしないか〜」
「お、リュートの音。1曲3枚だ。」
「♪此度の歌は夢の歌。夜に見る夢。昼の夢。未来を語る夢の歌♪」
「いいぞ〜」
「♪此度の歌は夢の歌。夜に見る夢。昼の夢。未来を語る夢の歌♪」
「♪色の付く夢。過去の夢。心の中の幻を。人は眠りの中に見る」
「未来の希望、真の夢。明日への心の蜜と糧」
「眠ることなく見る夢は生きる力となるという♪」
「♪全てのものが溶け混じり、形をなさずそこに在る」
「流転の中にそれは在る。何もかもが在る理想峡」
「命に満ちた混沌と、何も動かぬ死の世界」
「全てが生まれ、消えゆくところ」
「虚無と全てが重なるところ♪」
「♪望む物、望め。全てを手にする」
「望まねば、その手は空のまま」
「空に希望を写し出し、未来を夢に当て填めよ」
「夢に形を、言葉を与えよ。夢は現世に降りてくる♪」
「♪心の底に見えるもの、闇に羽ばたく夜の蝶」
「理性で隠す幻を、この世に写す導き手」
「始源の巨人の夢から生まれた、夢幻に住まう夢の神」
「人の心の底の闇、誘うことで見る光」
「触れたその手で得る力、引き出したもう真なる心♪」
「♪この世は全て言葉にて、織り彩なされたものという」
「なれば、夢幻の中に住み暮らして何が悪かろう♪」
「♪現世と夢幻の境は消え去りて、望めば全てが手に入る」
「未来の形を削りだし、夢の形を刻み込み、自らの手でたぐり寄せ」
「思うがままの人生を、思うがままの人生を♪」
「♪此度の歌は夢の歌。夜に見る夢。昼の夢。未来を語る夢の歌♪」
「良いぞ〜、もう一曲歌え〜」
「こっちにエールもう一杯」
「は〜い、ちょっとお待ちを」
「ナッツお代わりくれ」