神さまたちの戦い
ある晴れた日、ある宗教国家の音楽堂
「みなさまお待たせいたしました。第三幕の開演でございます」
光る衣を付けた者が一人一人と中央の円卓に集まってくる。
「世界には秩序が必要だ。秩序がないところには混沌が忍び寄る」
「仰せの通り!」
観客席から声がかかる。
「ラーダよ。あなたの知識も秩序の上に成り立っているのであろう」
「確かに私の司る知識は無秩序からは生まれ得ません」
「チャザよ。交流も秩序無しには生まれぬな」
「異論はありません。交流によって幸福を得ることが我が望み」
「マイリーよ。戦いとは本来、秩序有るべきものではないかな」
「混乱の中に秩序を取り戻すものが戦いといえなくもありませんな」
「マーファよ。皆こう申しておる。自然なことだとは思わぬか」
「完全なる秩序が自然とは思わぬが、ある程度の秩序が必要なことは認めよう」
秩序のある世界のすばらしさを訴える歌が歌われる。
「大多数の信任を得られた。承認者よ、承認を」
「うむ、承認しよう」
「ようやくこのときがやってきた。いよいよ水の門を閉じよう」
「世界を全き物にし、永遠なる不変に」
「いや待たれよ」
黒い衣を付けた者が一人の女性を率いて上手から現れる。
「不変な世界などつまらぬ。自由こそが我が望み」
「そのような不完全な不変の世界などこのカーディスが壊してくれよう」
「遅れてきて何を言うか、ファラリスよ」
「我は時などには縛られはせぬ。そなたらが早く来すぎたのであろう」
「まあ良い、もう承認者の承認は得られた。そちの望みはもはや叶わぬ」
「そ、そんなことは許さん。自由を失った世界は脆いものなのだ」
「秩序の中にも自由はある。完全なる自由は世界を混沌に戻すだけじゃ」
「ファラリスよ、わがままはたいがいにせい。それとも我が承認を受け入れられぬか」
「受け入れられぬわ。自由のみが我が望み。反対するものは残らず消し去ってくれる」
暗転。
・・・・・
ロビーにて
「あれ、あの脚本家、暗黒神の信者なんじゃないか?」
「そうそう、ファラリスなんかのこと良く言いすぎですわ」
「次回作は違う作家のものがよいな」
「そうですわね」