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不死の者との戦い1

 牙が目の前を掠める。

 一瞬前に数歩先に在ったその顔。牙! 創った木偶の坊たちの飛び散ったのを気にしてチラッと目を遣った瞬間、

 口中は赤い。まるで血の様。

 飛びのく。 上下の牙が音を立てて噛み合う。

 

 剣は振るわれる。強い魔力を込められた自慢の剣。まるで自分の腕ではないように自然に。剣が来る。視界の端から。狙いは頭。だが素早い相手、どこかに当たれば御の字。早い。重い手ごたえ。痺れ。不快。怪物の口端が上がる。笑ってやがる。目の端に細長いもの。尻尾だ。黒い鱗に覆われた怪物の尾。油断。弾かれる。辛うじて剣は離さない。体勢が崩れる。

 

 盾! 化け物の顔が隠れる。牙、来るぞ。尻尾か。毒。いや大丈夫だ。飲んだ。衝撃!腰、に力! 力! こらえろ! 一歩、二歩。 反撃、前へ! 振り上げる。剣。当たった。盾をずらす。怪物の顔には傷! まぶたから赤。 血だ。 口角はさらに上がった。

 奴の口はわずかに開いて長い舌。目の上の血をぺろり、と舐め取る。 右。何だ? 尾? 避けれない!前! 剣!

 手応え。眉間に、刺さってる。そうだ、すぐ引け! 右に振れ。尾! 当たる。硬い! 硬い。来る。避けろ! のけぞる。背中が痛い。顔の上を尻尾が通る、風圧。地面が背中に当たる。

 立て! 来るぞ。全身で跳ね上がる。目の端で怪物が崩れ落ちるのが見える。 盾! 体は防御姿勢をとることを止めない。緊張、弛緩・緊張。振り返る。走る。

 

 相手は不死の王。こんなところでぐずぐずしては居られない。

不死の者との戦い2

表紙

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