荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)



デビュー作は「武装ポーカー」。筒井康隆にも注目されたと聞きます。初連載作品『魔少年ビーティー』、設定が細かいSFアクション『バオー来訪者』を経た1987年に日本最長のストーリーコミック、『ジョジョの奇妙な冒険』の連載を開始しました。絵・構図・セリフ・ストーリー展開のどれをとっても独特かつ印象的な作家です。



『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社少年ジャンプコミックス−既刊63巻+1巻)
・伝説の名作です。壮大なロマン、魅惑的な謎、確かな伏線に基づいて引き出される意外な結末……手応えのある面白さです。
部に分けて書きます。

「第一部」……19世紀末のイギリスが舞台。“吸血鬼”と“波紋”がストーリーのキーとなります。どちらも、第四部のあたりでそっくり忘れ去られてしまった要素ですが……。二人の男の宿命的な闘い、といった感じで物語は発熱して行きます。ラストは『タイタニック』にそっくりです。

「第二部」……ジョナサンの孫、ジョゼフが主人公。第一部に比べて伝奇色が増し、雰囲気は『バオー来訪者』に近くなっています。しかし、はじまるや否や、ストレイツォが暴走したのには驚かされました。

「第三部」……ついに日本が舞台に、と思った途端に話はエジプト旅行に急変。ストーリーのキーが波紋から幽波紋(スタンド)に移り、ますます『ジョジョ』の世界観が広がっています。ところで、どうもこの部が『ジョジョ』で一番人気があるそうです。ゲーム化したのもここだけですしね。そういえば、割と最初の方で男装して登場した女の子はどうなったのでしょう?いつの間にか消えていますが……。

「第四部」……やっと日本が舞台になっています。架空の町、杜王町で“矢”を巡ってスタンド使いたちが入り乱れます。スタンドのバリエーションは富みましたが、肝心のストーリーはテーマがなかなか定まらず散漫しがちですので、この部が『ジョジョ』の中で一番中途半端だと思います。うーん、杜王町の雰囲気は好きなのですがねえ……。

「第五部」……21世紀に突入したイギリスが舞台。今回のスタンド使いたちはギャングばかりです。もはやここまでくると第一部との接点を見つけるのが難しいくらいですね。「JOJO」ではなく「GIOGIO」ですし。でも結構テーマや一人一人のキャラクターの個性がはっきりしていますし、ストーリーにも疾走感がありますので、結構好きです。

「第六部」……あるのかなあ? って始まりましたね、「ストーン・オーシャン」。私はまだ読んでいませんが、コミックスが1巻刊行されています。



記憶をちょっと溯る

記憶をかなり溯る