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ゾイド最終回 (妄想) 冒頭、オープニングテーマはカットされ、いきなり本編に入る。 デスザウラーの荷電粒子砲による攻撃でウルトラザウルスは壊滅寸前、最後のプラネタルサイト砲弾を発射することさえできない。 ヒルツ 「もはや、わたしの前に敵はない!……最後の仕上げをするとしよう」 ヒルツの視線がゾイドイヴの前に立つフィーネに向かう。ヒルツの眼が光を放ち、精神波を視覚化したようなオーラと効果音が発生する。 ヒルツ 「さあ、エレシーヌ・リネよ、わたしに従え。いまこそ、おまえの務めを果たすときだ。おまえの力でゾイドイヴを停止させるのだ」 フィーネ 「そんなことをすれば、惑星Ziのゾイド全てが破壊されるわ。古代ゾイド人のあなただって、無事ではいられないのよ」 ヒルツ 「違うな……わたしとアンビエント、そしてこの新生デスザウラーが一体となり覚醒したいま、わたしはゾイドという種を超越したのだ。ゾイドイヴをもってしても、わたしを止めることはできない」 フィーネ 「そ、そんな……」 ヒルツ 「あらゆるゾイドが死滅した世界で、わたしだけが神として君臨する。惑星Ziの住民はデスザウラーの影に脅えながら暮らし、わたしを崇め奉ることだろう。こうして、おまえの望んだ争いのない理想境が実現するのだ」 フィーネ 「わたしはそんなこと望んでない!」 ヒルツ 「抵抗しても無駄だよ、エレシーヌ・リネ」 フィーネの眼がうつろになり、その精神がヒルツの支配下におかれる。ジークはフィーネに従い、内部からとびだしたコードの束がフィーネに巻きつく。 バン 「よせぇぇ、フィーネ! 目をさますんだ!」 バンの叫びもむなしく、フィーネの身体が持ち上げられていく。フィーネの姿がゾイドイヴと重ね合わされる。 リーゼ 「バン……聞こえるか、バン?」 バン 「リーゼか? おれの心に直接話しかけているのか」 リーゼ 「そうだ、バン。いまから、わたしのテレパシー能力で、おまえとフィーネの心をつなぐ。わたしではフィーネをヒルツの支配から解放することができない。だが、バン、おまえなら……おまえの声ならきっと届く」 バン 「そうか……よーし、リーゼ、やってくれ!」 フィーネの心の世界(具体的な背景のないイメージ)が展開する。ひとりうつろなフィーネが裸で立っている。そこへバンが飛んできて降り立つ(服は着せとこう)。フィーネの肩をつかんで揺さぶるバン。 バン 「フィーネ、フィーネ?……頼むから、目をさましてくれ」 フィーネ 「わたしはゾイドイヴを停止させるための存在……そのために眠らされていた最終手段の発動キー……」 うつろなまま、感情のない声で答えるフィーネ。バンはフィーネをぐっと抱き寄せ、肌を触れ合わせる。 バン 「フィーネ、覚えているか、おれたちと過ごした日々を……おまえは機械を動かすための道具なんかじゃない、暖かい心をもった人間なんだ、ゾイドイヴのことなんか忘れちまえ……フィーネ」 フィーネ 「バ……ン……?」 フィーネの思い出がフラッシュバックでよみがえる。仲間たちの笑顔、そして最後にいつも自信にあふれたバンの姿。フィーネの眼から涙が一筋流れ落ちる。 フィーネ 「バン……ありがとう」 心の世界が光に包まれ、シーンは現実世界に戻る。 フィーネ 「ヒルツ、あなたの思い通りにはならない!」 ヒルツ 「なに? バカな、わたしの支配から逃れたというのかっ」 フィーネの意志でゾイドイヴが光を放つ。眩しさに顔をそむけるヒルツ。ゾイドイヴの光を浴びたゾイドたち、ブレードライガー、ジェノブレイカー、そしてウルトラザウルスの損傷が直っていく。 ヒルツ 「そうか、わたしに逆らうというのだな……ふふ、そうか、そうなのか、くっくっく……ひーひっひっひ、ふわーはっはっは、くひひひふへっほへっおげっ……ならば、わたし自らの手ですべて破壊し尽くすまでだっ!」 一方、ウルトラザウルス内では慌ただしい動きが展開していた。今度こそ重力砲をデスザウラーにお見舞いしてやろうというのだ。 重力砲発射、超重力フィールドがデスザウラーを包む。喜ぶ一同。 ムンベイ 「どーんなもんだい、あたしのウルトラザウルスは!」 ドクターディ 「あとはフィールドが消えるのを待って、とどめを刺すだけじゃ」 しかし、色彩渦巻くドーム状の超重力フィールドの中から、無傷のデスザウラーが姿を現し、まるで何の影響も受けていないかのように抜け出してくる。 ハーマン 「バ、バケモノか、ヤツは……」 デスザウラーの攻撃がはじまり、次々とゾイドが破壊されていく。 アーバイン 「チッ、おれたちも出るぞ、トーマ」 トーマ 「うぉぉぉぉ、いま助けに行きますっ、フィーネさん!」 バンのブレードライガー、レイヴンのジェノブレイカー、アーバインのライトニングサイクス、トーマのディバイソンらが必死に応戦するが、デスザウラーの力は圧倒的である(といっても、見た目にはデススティンガーのときと大差ないんだけど)。できたらシュバルツ兄のアイアンコングも欲しい(笑)。 デスザウラーはEフィールドを展開、攻撃をまったく寄せつけなくなる。レイヴンのジェノブレイカーは手足をもがれ、ついになす術がなくなる。 レイヴン 「おれたちにヤツを止めることはできないのかっ」 そこへフィーネの声が心に響いてくる。 フィーネ 「あるわ、ひとつだけ方法が」 ここでCM。ポケモンヌードルにピチューが!(ピッチュ〜) フィーネ 「あるわ、ひとつだけ方法が」 レイヴン 「フィーネか? どうすればいいんだ、教えろ」 フィーネ 「あなたとリーゼ、そしてわたし……この三人がそれぞれオーガノイドと結合し、デスザウラーと合体するの」 レイヴン 「何だと……」 フィーネ 「ヒルツのコントロールを一瞬でも奪えれば、Eフィールドを解除して、デスザウラーを無防備にできる。そこを狙って、バンのブレードライガーがコアを破壊してくれるわ」 思わずうろたえるレイヴン。 レイヴン 「そんなことができると思うのか……リーゼ?」 ここで三人の意識がつながる。 リーゼ 「たぶんね……でも、逆にわたしたちがヒルツの意識に呑み込まれてしまうかもしれない」 フィーネ 「わたしはできると信じている。自分を信じることの強さ……それをバンが教えてくれた(笑顔で)」 レイヴン 「バンか……(フッと笑みを浮かべ)いいだろう、やってやる」 リーゼ 「レイヴン?……そうね、わたしもやるわ(女の顔で)」 レイヴン 「シャドォォォーーー!」 リーゼ 「スペキュラァーーー!」 フィーネ 「ジィィィーーーク!」 各オーガノイドが内部に彼らを取り込む。三つの光がデスザウラーへ飛んでいく。驚いたまま見守るしかないバンと仲間たち。 ヒルツの暗い心の世界(具体的な背景のないイメージ)が展開する。コアと融合し、悪魔のような姿と成り果てているヒルツ。それを取り囲んで浮かび上がるように立つ三人。フィーネ、レイヴン、リーゼ、もちろんみんな裸である(笑)。 ヒルツ 「これはこれは……のこのこと自分からやってくるとは。よかろう、おまえたち全員を吸収して、わたしはさらに神としての位階を高めようではないか」 フィーネ 「あなたは神なんかじゃないわ」 リーゼ 「ヒルツ、おまえの好きにはさせない」 レイヴン 「きさまだけはおれが倒す」 ヒルツ 「ほう、言うじゃないか、レイヴン。ゾイドを憎み、ためらいもなく破壊してきたおまえに、このわたしを断罪する資格があるのか」 レイヴン 「そ、それは……」 ヒルツ 「レイヴン、おまえとわたしは兄弟のようなものだ。知っていたか、わたしのアンビエントは元々おまえと一緒に封印されていたことを」 レイヴン 「何を言っている……おれは地球人なんだぞ」 ヒルツ 「あの地球人夫婦はそう言っておまえを育てたからな。だが、おまえはれっきとした古代ゾイド人なのだ」 レイヴン 「嘘だ……嘘だ、嘘だ、嘘だぁ!」 ヒルツ 「思い出すよ、わたしがアンビエントを解放したあの日のことを。あのとき、わたしはおまえを殺さなかった。いまおまえがここにこうしていられるのもわたしの慈悲のおかげだぞ」 よみがえるレイヴンの記憶。殺された両親、レイヴンに迫るアンビエント、一瞬映るヒルツの影。 レイヴン 「それじゃあ、おれの……おれの父さんと母さんを殺したのは……きさまの仕業かぁぁぁ!」 怒りの形相を浮かべるレイヴン、憎しみの感情が赤いオーラとなって揺らめき立ち昇る。 ヒルツ 「ふふふ、そうだ、もっと憎め! その赤い色はおまえの怒りのあらわれだ。ジェノザウラーをジェノブレイカーに進化させたのはその力だ」 レイヴンはヒルツにつかみかかろうとするが動けない。赤いオーラが身体を包み、それが灰色のコアの殻へと変化していく。 レイヴン 「何だ、これは……」 フィーネ 「ダメよ、レイヴン! 怒りや憎しみに捕らわれないで。ヒルツに取り込まれてしまうわ」 ヒルツ 「無駄だ、無駄だ! おまえはわたしと同じように多くの命を奪ってきた。いまさら後戻りできるものか。おまえとわたしは同類なのだ」 レイヴン 「そうかもしれない……おれの罪を消し去ることはできない……」 コアの殻に包まれていくレイヴン。 リーゼ 「それを言うなら、わたしだって同じさ、レイヴン……」 悲しみの表情を浮かべたリーゼが青いオーラに包まれ、やはりコアの殻へと変化していく。 フィーネ 「わたしはバンと出会ったおかげで変わることができた……本当の自分を知ることができたの。わたしと違って、あなたたちがつらい経験をしてきたことは知ってる。でも、まだ遅くない。出会いはこれからだってたくさんあるわ。ひとは変わることができる。本当に罪をつぐないたいのなら、あなたたちは生き続けていかなきゃいけない。たとえ、どんなに険しい道が待っていようと、きっと救いは見つかるわ」 フィーネから白い光のオーラが溢れ出す。苦しみ悶えるヒルツ。 リーゼ 「レイヴン、わたし……おまえとなら一緒に変われるような気がするんだ」 レイヴン 「リーゼ……」 それまで表情を失っていたレイヴンは、少し驚いたような顔でリーゼを見る。苦しげな様子のリーゼはそっとほほえむ。レイヴンも頷いて笑みを浮かべる。 ふたりを包もうとしていたコアの殻が崩れ去り、フィーネのオーラとふたりのオーラが解け合ってヒルツを囲む。 ヒルツ 「くっ、おまえたちごときにこのわたしが屈するとでも思うのか!」 フィーネ 「みんな、お願い、力を貸して!」 フィーネの声が仲間たちの心に届く。なぜか一同状況を察する(いや、まあ、精神感応のおかげということで……)。 バン 「よし、フィーネ、わかった!」 アーバイン 「ヘッ、まかせときなって!」 ムンベイ 「そうこなくっちゃあね!」 トーマ 「おぉう、愛のメガロマックスファイアー!」 それぞれ目を閉じて精神を集中する。ルドルフ、シュバルツ、ハーマン、その他いろいろなキャラもまとめて瞑想タイム(笑)。みんなの心がひとつになる。 ヒルツ 「こ、このわたしが……このわたしが下等種族どもに……」 もがき苦しみ出すヒルツ。 フィーネ 「バン、いまよ、ブレードライガーでデスザウラーのコアを破壊して!」 バン 「ちょっと待て、おまえたちはどうなるんだ!」 フィーネ 「わたしたちなら大丈夫。今度はバンがわたしを信じる番よ」 バン 「フィーネ……」 満面の笑みを浮かべているフィーネ。 それが伝わったかのようにバンもにっこり笑って大きく頷く。 バン 「おっしゃあ! 行くぜ、相棒!」 一声吼えるブレードライガー。ブレードをセットして、デスザウラーに突撃する。 デスザウラーは思うように動きがとれない。ヒルツの悲鳴があがる。 ブレードライガーがデスザウラーのコアを破壊し、デスザウラーは爆発炎上する。 デスザウラーから四つの光が飛び出していく。 四つの光がまとまって地面に着くと、ジーク、シャドー、スペキュラー、そしてアンビエントにそれぞれ姿を変える。オーガノイドの内部から各人が吐き出される。 茫然自失となっているヒルツ。 ヒルツ 「バカな……このわたしが……ええーい、アンビエント! きさまが……きさまが弱いからこんなことに!」 ヒルツは傍らで倒れていたアンビエントを見つけ、何度も蹴りつける。 その様子を冷たく見つめている、フィーネ、レイヴン、リーゼの三人。 ヒルツ 「おい、起きろ! アンビエント!」 フィーネ 「ヒルツ……やめて。この子はもう二度と起き上がらないわ。アンビエントはあなたを救うために自分の命を犠牲にしたのよ」 フィーネの言葉に目を剥くヒルツ。 ヒルツ 「たわごとを……オーガノイドにそんなことができるものか。奴はただ命令に従うだけだ……おい、起きろ!」 さらにアンビエントに蹴りを入れるヒルツ。フィーネがかばおうとする。 ブレードライガーから降りてきたバンがそこへ駆けつけてくる。 それに気づかず、フィーネのことなどおかまいなしに蹴りを入れようとするヒルツ。 バン 「やめろ、ヒルツ!」 キレた目つきのヒルツが振り向く。 バン 「おまえは最低だぜ!」 バンのパンチがヒルツのあごにヒット、ヒルツは無様に吹っ飛んでいく。だらしなく気絶するヒルツ。 動かないアンビエントを悲しげに見つめるフィーネ。 バン 「最後まで報われなかったな」 フィーネ 「ええ……」 力なく立ち上がるフィーネをバンが肩を抱いて支える。その横でレイヴンとリーゼも寄り添っている。 フィーネ 「これですべて終わったのかしら……」 バン 「なーに、言ってんだ、フィーネ! これから始まるんだよ、何もかもな!」 バンがにかっと笑ってみせる。レイヴンとリーゼもほほえむ。 フィーネ 「(笑みを浮かべて)……うん」 ここから後日談、オープニングテーマの『Wild Flowers』が流れ出す。 まずは、共和国首都の再建に取り組んでいるキャラクター陣。 ルイーズ大統領、ハーマン、オコーネル、ドクターディなど、このへんをまとめて済ませる。スティンガー等の小悪党もこっそりボランティアで出したいところか。 トーマも技術者としての知識を買われて協力しているが、フィーネのことを思い出して溜息などついている。そこへカール(シュバルツ兄)がやってきて、「よくやっているな」という感じで肩に手をおく。お互いをすなおに認め合って、ほほえむ兄弟。 ロッソとヴィオーラはイセリナ山の村で家族と一緒に幸せに暮らしましたとさ。そこへ、ルドルフ皇帝がお忍びで遊びにやってくる。メリーアンも連れて(笑)。 ムンベイは例のテーマソングを歌いながら、紅のグスタフを運転して荒野を走っている。荷台にはライトニングサイクスが。やれやれといった顔つきで、ムンベイの隣で寝転がっているアーバイン。 ここで『Wild Flowers』の音が少し小さく絞られる。 療養所のベッドに廃人のようになったヒルツの姿がある。赤い粘土でアンビエントのような人形を一心に作っている。ここにトーマと相性のよかった看護婦さんがいてもよい(笑)。 風の吹きすさぶ荒野をふたりの巡礼が歩いている。フードが風で外れ、レイヴンとリーゼの顔があらわになる。石化して埋もれているカノントータスを前に寄り添ってたたずむふたり。リーゼの手には子供から貰った植物の種が握られている。 『Wild Flowers』の音がもう一度大きくなる。 陽光に照らされたウィンドコロニーの風景が映る。神父やバンのお姉さんの姿がある。まわりを子供たちが楽しそうに駆け回っている。 場面は畑に移り、そこで農作業をしている人影がひとつ。 そこへ普段着のフィーネが昼食を抱えてやってくる。呼びかけるフィーネ。 男が振り向くと、それはバンである。ひょこっとジークも顔を出す。 フィーネが駆け寄っていく。そのとき、バンが晴れやかな表情である方向を見上げていることに気づく。フィーネもその方向を見て、笑みをこぼす。 村を守るようにブレードライガーが立っている。 澄みわたった青空が映って、Fine…… 怠惰な日々へ戻る |