第14期竜王戦第5局対局場見学

藤井竜王対羽生4冠、第14期竜王戦の第5局は、11月29日、30日に広島県尾道市の飛び地、浦崎町のリゾートホテル「べラビスタ境が浜」で行われました。十年前、米長新名人が誕生した舞台でもあるそうです。
広島県での竜王戦は、これが初めて、タイトル戦を見学できる機会はそうはないので、さっそく、対局場見学の申し込みをしました。
11月29日、7時半頃にべラビスタ境が浜に着きました。ホテルに向かう途中、空を見ると、朝焼けで、天気は悪くなりそうでした。
受付を済ませて、8時45分頃に20名ほどの見学者が対局場のあるホテル2階に上がりました。対局室のすぐ外から、見学することができました。床の間には掛け軸と生け花がありました。当然ながら、すでに、部屋には将棋盤、駒箱、脇息などが置いてあり、対局の準備万端整っていました。
私から見て右手には、立会い人、記録係の席があって、本局の立会い、淡路仁茂九段、副立会い、脇謙二八段、記録係、水津隆義三段が席について、両対局者の入室を待っていらっしゃいました。
対局場には、立会い人、記録係、報道関係者、見学者と大勢の人がいたのですが、両対局者が入室するまでの間、あまり動きはなく、物音もせず、この緊迫した雰囲気が、第5局が大一番であることを物語っています。
対局開始の定刻九時の数分前に、まず藤井竜王が一礼なさって、先に入室、床の間を背にして、着座なさいました。そのほんの少し後に、羽生4冠が入室、一礼、「おはようございます」と挨拶なさって、下座に着かれました。
両対局者一礼を交わして、盤に駒を並べ始めました。駒を並べる時、ピシッ、ピシッという藤井竜王の駒音が私のところまで聞こえてきました。本局にかける竜王の気合いが感じられました。和服を着た両対局者が将棋盤に駒を並べてゆくところは、いわゆる、絵になる光景でした。
ホテルは高台にあり、両対局者が窓の方を見やれば、瀬戸内海とクレーンの林立する造船所が一望できたはずです。
対局初日、朝は曇り空でしたが、やがて、雨となり、夜まで降り続きました。羽生4冠の先手で始まった第5局は、天候に呼応するかのように風雲急を告げ、羽生4冠が4五歩と戦端を開いたところで、藤井竜王の封じ手となりました。
対局2日目は、晴れ渡り、小春日和と言っていいほどのいいお天気となりました。対局の方は、夕刻、羽生4冠が大熱戦を制して、6期ぶりに竜王位に復帰しました。
最後に、拙い俳句を一句。
竜王戦粛々として冬の雨

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