冒険日記・還らずの旅〜特別偏〜
PSO感謝祭 第2回ファミ通CUP
Maximum Attack 最終日レポート
〜約束の夜へ〜前編
 (As Sister moon)



 
人の足を止めるのは、絶望ではなく諦め。
人の歩を進めるのは、希望ではなく意志。


 最も好きな言葉だ。人は何かの壁にぶつかった時、何かに挫折した時、決まって口にすることがある。「言い訳」。最も嫌いな言葉である。その本当の原因を知っていながら、それを認めたくない。受け入れることが出きる人間は、実に稀有だ。そしてこれは、自分の最も嫌な部分でもある。


 2001年10月28日、獲得ポイント登録最終日。実は数日前から、すでに勝負はついていた。状況から見て、それが報われないということは誰の目にも明らかだった。しかし、わずかな希望にすがり、走りつづけた者達がいた。JPロビー、8−3−2。通称ふぁみ通(832)ロビー。元々その語呂のよさと知名度で有名なロビーだったが、公式BBSでの有志の呼びかけから、今月中旬から「ファミ通CUPロビー」として大きな戦場拠点となった。そこには、これまでに感じたことのない熱気と気合があった。カウンターをのぞいてみる。

「ふぁみクエ募集中」
「F10:30〜」
「めざせ一億!!」
「ふぁみ予約」
「求バッチ」
「ファミ2やろ〜」
「4人揃うまでー」
「急募ふぁみクエ」
・・・・
かつてここまで同じ部屋名が並んだことがあっただろうか。午前11時現在、総登録ポイントは約8950万。クエスト自体の規定時間は30分だったが、問題はその後だった。何千、何万人という参加者がいながら、登録サーバーがたった一つしかなかったため、ほぼまともに機能しなくなっていたのだ。そのため、通常時でも10分、長い時では30分以上の時間を要した。そしてタイムリミットは残り12時間弱。1時間で100万ポイント、つまりこれまでの倍以上の登録が必要となる。しかし、それにはいつも以上の時間がかかってしまう。。。普通に考えれば、結論はただ一つだけ。すなわち「達成不可能」しかない。しかし。誰も足を止める者はいなかった。この無限の回廊から抜け出そうと、必死だった。誰もが、そこに向かって、そこを目指して、走りつづけていた。

 人を集めるのは実に簡単だった。ただチーム名に「ふぁみ通」「F」などといれて部屋をつくれば、ものの5分も経たないうちに即席チームのできあがりである。日曜日、しかも関東は朝から雨ということもあり、挑める人は予想以上に多かった。だれがどのコースを行くか、軽い打ち合わせをした後、後はひたすら敵を倒すのみ。さすがにみんな手馴れている。マグをつけない者、ノーマルセイバーで鼻歌まじりに進む強者。レベルが高くなってくると、通常装備では緊張感に欠けてしまうため、みんな様々な趣向をこらしていた。また、普段はいつも同じ顔ぶれでしかなかったので感じなかったが、これだけの人に出会ってみて、改めてその外見やプレイスタイルが千差万別、ほんとうに人それぞれなのだということを強く感じた。
 おもしろいのは、バッチの取り合い、もとい「なすりつけあい」だ。報酬としてもらえる計9個のバッチ。イベント開始直後はあれだけやっきになって探していたものが、今ではメセタほどの価値もない。それだけみんな取り尽くしているのだ。いかに数をこなしているかが、ここでも分かる。中には、もらえるアイテム3つを2セットもっているという人もいた。

 無事にクエストを終了すると、すぐさま登録作業に向かう。みんな決まって 愚痴をこぼしながらも、一言「おつかれー」と声をかけて、部屋を去っていく。。。。何故だろう、もう結果は見えている。なのに何故、みんなは、そして自分はそこに行くのか?答えは誰にもわからない。しかし、誰もがその理由を知っていた。だからこそ、僕らはまた戻ってくるのだ。


 夕方、チームの中の一人がこう提案した。
「ねぇ、いっしょにやらない?」
それを聞いて、一つのアイデアが浮かんだ。毎回違うメンツでやるのも確かに面白い。が、その瞬間を常に共に戦った仲間と味わえたらどんなに感慨深くなるだろうか、と。カード交換をして、再会を約束する。しかし、登録状況は悪化をたどる一方だ。ようやく終えて戻った時にはまだその姿はなく、結局、呼びかけをした彼女とは、ふだんの仲間を紹介してあげることしかできなかった。もう1度あのメンバーでやれなかったのが、心残りだ。もし機会があれば、またこのメンツで冒険がしてみたいものだ。今度は、ゆっくりと語らいながら。

 



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