report1〜pay forward〜 (As KIRIO humar LV19)



 6月9日。今日は待ちに待った代表戦だ。これに勝てばワールドカップ初勝利。そして初のトーナメント進出への大きな足がかりとなる。運命のキックオフまであと2時間あまりと、少し時間があった。レベル20まであと少し、また気を落ち着かせるため、しばしつなぐことにした。
 適当な部屋を探す。何も考えず空いてるとこに放り込むのも手だが、どうせなら似たレベルが集まったとこのほうがいい。いざ探すとなるとなかなかむずかしいものだが、この日は比較的早く見つかった。エピ2部屋(エピソード2の略)で、既に3人埋まっている。レベルもみな20〜30前後。乱入は勢いとタイミングが命。早速飛び込むことにする。
 場所は新ステージの一つ、密林で、まだ入り口のところだった。まさにグッドタイミング。軽くあいさつを交わし、戦闘開始。パーティは自分がヒューマー、レベルの近い2人がレイマールとフォーマーで、早くもLV30を超えたハニュが斬り込み役に。理想的なバランスで、さくさく進んだ。と、中盤に差し掛かったところでフォーマーの彼が足を止めた。

「ちょっと!」
「?」「どうしたの?」
「SW(スペシャルウェポンの略)出た!」
「おおお!」「すごいっ」


 みんな口々に感嘆の声をあげる。今回のトライアルでは、お楽しみ要素の一つとしてレアアイテムがいくつか隠されている。これまでにも様々なレアが存在したが、あまりにもその出現率に落差がありすぎたため、その調整の意味もあるのだろう。実際に製品版ではどうなるか定かではないが、少なくともこれまでみたく泣くまでもぐっても笑っちゃうほど出やしないようなことはないだろう(と期待したい)。
 さて、いよいよステージも終盤、いよいよ大詰めというところで、発見者の彼が街にもどった。

「鑑定してみるねー」
「おー」「なにかな?(わくわく」

個人的には、レア自体にさほど興味はなかった。もっといえば、ステージなども含めて新たな発見はやはり製品版で楽しみたいというやや矛盾した思いがあったからだ。少しでも早く、そして長く楽しみたい、しかし常に新鮮さと驚きを求めてしまう、まったくユーザーというやつはわがままなものだ。

さて、何度か繰り返していたのだろうか、しばらく黙っていた彼がようやく口を開いた。

○○だ!(トライアル規約のため伏字)」
「うお!」「マジで?」

 初めて聞く名だ。しかし他の2人の反応を見る限り、どうやら相当の値打ちものらしい。そしてまた彼はしばし沈黙した。
どんなものだろう?「ちょっと見せて」と言いかけた瞬間、フォーマーの彼の名が画面から消えた。

「!」「あれ?」

突然の出来事に戸惑う一同。一人がいった。

「。。回線落ちかな?」
「もどってくるかな、、、」
みな、足を止め数分ほど英雄の帰還を待った。しかし、彼はそのまま戻ることはなかった。。。


 単なる通信の断線か、それとも意図的な行動だったのか。それ自体はさほど重要ではない。問題は、自分がそれをどう受け止めるかということだ。実はこの日の昼間にも、同じように見知らぬ人と冒険中、レアアイテムを発見していた。その時には、メンツの一人の「見っけたもん勝ちだろw」の一言で解決してしまった。そう、全ては心ひとつ。ほんの少しネジをゆるめれば、たいがいのことは片付くものなのだ。今回は正直、後者だったと思う。長い沈黙は、おそらくは彼なりに葛藤があったのではないだろうか。しかし、それを非難したり怒ったりしたところで、自分には何のプラスにもならない。その後、一人がこうつぶやいた。

「でも自分の中では心のブラックリストに追加だな

そう、この(みな気軽に使ってるが実はけっこう難しい用法。それはまたいずれ)、つまりは笑いの心こそが大事なのだ。自分以外の人間=他人と接する以上、どうしてもいやなことや上手くいかないことがある。しかし、それを笑い飛ばすくらいの余裕が持てれば、譲り合いや思いやりなんてものは簡単に生み出せる。他人と付き合う、ゆとりのある日々を暮らすというのは、きっとそういうことなんだろう。そんなことをふと考えた、とある日曜の夕暮れだった。







「〜PHANTASY STAR ONLINE EPISODE 1&2 TRAIAL EDISTION REPORT〜」
「BORN THE TRAP」
 レポート1〜裏切りの夕刻〜







 。。。しかし勝ててよかった、、、ほんと強くなったなぁ、、、<日本


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