◇◇◇  色づく風景(前編) ◇◇◇

 

ドリーム小説巡りくる季節や街並に、色があるなんて事…忘れていた…
おまえと出会ってからいろいろなものが、鮮明に見える…
長い眠りについていた、俺の世界…
目覚め?…そんな感じ。
おまえに会うまでの俺はおとぎ話の眠り姫だった気がする。
…眠り姫も目覚めた時こんな感じだった?…
  
*****
 
ここ数日、と会ってない。
のバイト先『ALUCARD』に来れば、会えるかもって期待してた。
ところが、今日と明日はバイト休み。
約束していたわけじゃないから、いなくても仕方ないけど…
こういう時、ふと思ってしまう。
にはの世界があって、俺には俺の世界がある。
ただ少し違うのは、俺の世界はおまえが中心で動いてる…
も俺と同じならいいのにと…望んでいるってことを。
…なんてわがままな、俺なんだろう。
会っても口数少ないし、気の利いた言葉も言えないのにな…
今日はいつものコーヒーが苦く感じるのは…気のせい、か…
に出会う前の俺は、他人の事なんてどうでもよかった…
興味本位剥き出しで近寄って来る奴らばかり…
鬱陶しい…
感情を押しつけられるのはもっと煩わしくて…
だから一人でいるのが楽だった。
この先もずっと独りだと思ってたし、独りでいいと思ってた。
ましてや、季節々々にあるイベントも俺には絵空事。
興味すらなかった…
…初めておまえと出会った、小さい頃の俺とはまったく違う…
こんなにも変わってしまった俺とおまえとは…再会した…
少しずつ、目覚めていく…俺の眠っていた色づく世界。
…四季の風景、耳に届く季節の足音…
色鮮やかなものたち…の瞳に映っているもの…
同じものが俺の瞳にも映りだした。
いろいろあるイベントも、他人と会わせるのが苦手な俺だけど、おまえといっしょなら楽しい。
なにより…の喜んだ顔が見れる…悪くない。
おまえを想う気持ちは、とてつもなく胸を…切なくさせる日もある。
…独りでいるのが辛いと思う日もあるけれど…
それでも俺は、おまえの事が……好きなんだ。
…そんなことを考えていたら、が恋しくなった。
の笑顔を見たくなった…
『会いに行こう』、そう思い立ちコーヒーを一気に飲み干して『ALUCARD』を出た。
 
 
*****
 
 
あちこち歩き回り、の家にまで行ったが、結局…会えず。
足取りは重いが、もうすぐ家に着く。
会いたい時に、会えないっていうのは、どうしてこう…
…こうも、人恋しくなるのは、何故なんだろう。
はぁ〜…と溜息を吐くと白い息…
今日はやけに冷え込む…
はもう家に帰っているだろうか…
…ん…誰か家の前にいる?
「葉月くん!」
「…?…」
「よかった、会えないのかなって思っちゃった」
「おまえ、こんな時間に何してる?」
「葉月くんを待ってたの、迷惑だった?」
「合い鍵、どうした?」
「…ごめん、また…なくしちゃった…」
……これで何回目だ?
本当にどこか抜けてる。
「何回か電話したんだけど、つながらなくて…」
あ…そういえば、今日は静かだなぁと思ったら…
携帯、家だ…俺も抜けてる。
「ねぇ葉月くん、ここ数日…会わなかったこと怒ってる?」
「怒って、ない…」
おまえは自由なんだから好きにしていいんだって…
どうして俺は巧く、言葉に出来ないのだろう…
「えっと……ん…明日、明日はバイトお休みだったよね」
「…あぁ」
「何か予定ある?」
「…ない…でも俺、疲れてるから寝てるかも…」
「それでもいいの。傍にいても、いいんでしょ?」
「当たり前だ」
「今日はもう帰るね、ごめんね疲れてるのに。じゃあ、明日!」
「…ちょっと待て、家まで送る」
、それだけの事を言うために俺を待っていたのか?
それって電話で済むんじゃないのか…
まあ俺は、おまえに会えたから嬉しいけど。
でも、おかしい…
、何か俺に隠してる?
 
 〜続く〜
 
 
 


 
あとがき
様、もう少しお付合い下さい。この話には後編があります。
しかし王子ごめんよ〜!本当はお誕生日にアップするはずだったのに。
こんな私をゆるしてね〜〜!・・・・という感じで仕上げました。
なんかもっと胸キュンんな話にするつもりだったのに…文章力がない私…(悲)

               

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