☆サプリとクイナの先輩大作戦☆
人里離れ、樹海の奥にあると言われている邪魔忍部隊の基地・・・そこで今日も二人の幼い少女達の笑い声が響きわたる・・・。
「アハハ〜、おかしいでしょ〜☆」
「うん、変なの〜!」
・・・彼女達は外見こそ幼いが、露出の多い奇抜な戦闘服に身を包んでいた。会話は普通の女の子同士の会話だったが、見た目とのギャップが手伝って不思議な空間を作っている・・・。
しばらくの間、お菓子や洋服など他愛ないおしゃべりをしていた二人だったが、ふと片方の少女が話題を変える・・・。
「ねぇ、クイナは新しく専属される子がどんな子か知ってる?」
「まだ知らないよ。でも、仲良く出来るといいね♪」
・・・問いかけに答えるクイナのい他愛ない一言に、何故かサプリはみるみるうちに眉間に皺を寄せ大声でドタドタと詰め寄った・・・。
「コラッ!何言ってんのよっ!仲良くしちゃ駄目ぇ〜!!」
「え〜っ!?」
予想外のサプリのもの凄い剣幕にクイナはビクビクしながらも理由を尋ねる。するとサプリはクイナが思ってもみなかったセリフを彼女に言い放った・・・
「だって!わたし達は先輩になるんだよっ!」
「・・・先輩?」
サプリの言葉に不思議そうに首を傾げるクイナ・・・確かに、自分達が組織では最年少と言う理由で何かとミオやミユウにお子様扱いはされてはいたけど、いきなり自分達が先輩になると言われても混乱するばかりだった・・・。
「そうだよ!今度配属される子は、わたし達と歳が近いんだから前々から邪魔忍に居るわたし達のほうが先輩でエライんだよ!」
「スゴーイ!」
「でしょ〜!」
しかし、興奮するサプリの考えを完全に信じてしまったのか、クイナも嬉しそうにパチパチと拍手で喜びだした。すると・・・。
「あれ〜?何してんの〜?」
二人の背後から元気のいい高い声が響いた。気が緩んでいる時にいきなり声をかけられた事によって二人はドキッとする。聞き覚えのある声の主を確かめようと後ろを振り返ると、そこには肩より少し上のショートヘアの少女がいた・・・。
「あっ、ミカゲだ!」
「クイナ達、何してんの〜?」
クイナに名前を呼ばれると、ミカゲはニコニコと二人に近づいてきた。
「ね!ね!拍手してたケド、一体何してたの?」
興味津々に二人に詰め寄り、ミカゲは質問責めを繰り返す・・・。
「えっとね、今度来る新人さんの・・・モガ!」
質問するミカゲにクイナは尋ねられるままにワケを話そうとした・・・が、サプリに口を押さえられジタバタともがく。
「モガ〜!」
「え、何々?何やってんのサプリ!?」
サプリの行動にワケが分からなくてミカゲが困った顔をする・・・。
「な、何でもないわよ!わたし達用事があるから!じゃあね〜!」
慌てふためきながらズルズルと必死にクイナを引きずる格好でサプリは言い訳をする。そして、あっという間にミカゲを残してサプリ達は逃げて行くのだった・・・・・・。
・・・一人残されたミカゲはしばらく立ちつくしていたが、ふと我に帰ると首を傾げて呟いたのだった・・・。
「変なサプリ・・・はぁ、ナミちゃんとこにでも遊びに行こっと・・・」
一方、ミカゲから間一髪逃げ出したサプリ達は・・・。
「もう!クイナの馬鹿っ!もう少しで計画がバレちゃうでしょ〜」
「ごめんね〜・・・」
「ま、過ぎちゃった事は仕方ないケド・・・じゃ、作戦を考えましょうよ!」
気分も新たに再び作戦を考えようと意気込む二人だったが、クイナは何かを思い出して声をあげた。
「あ!思い出した〜!」
「もう〜、なによ?せっかくイイ所だったのに〜・・・」
二人で盛り上がっていたのにいきなり声をあげられ、サプリは不満そうな顔でクイナに抗議した。
「今日、私達司令室に16時集合だった〜!」
「えっ!?今何時だと思ってんのよ!・・・30分も過ぎてるじゃない!」
「すっかり忘れてた〜・・・」
一大事なのに何処までもマイペースなクイナの発言に、サプリは顔面蒼白で慌てだす。
「馬鹿!ベリアル怒ったらすっごい怖いんだから〜!もう〜!」
「やだ〜・・・」
「早く司令室に行くよ!」
「うん!」
サプリが走りだすと事の重要さにようやく気付いたのか、クイナも慌てて後を追いかけていくのだった・・・・・・。
そして司令室に駆け込むと、眉間に怒マークを浮かばせたベリアルとミナトが待っていた・・・。
「貴方達!遅刻よ!」
ベリアルが怒鳴ると二人はビクビクしながら頭を下げる。
「申し訳ありませんでした!」
「時間に忠実に動けなければ、忍びとしては半人前よ・・・」
続けてミナトが諭すように二人に話しかける。いつもなら、そのまま二人はお説教になるのだが叱られている二人を庇う声が聞こえてきた・・・。
「あ、あのぉ・・・」
ベリアル達の後ろから聞こえてきた控え目な声に、その場にいた全員が反応し視線を向けた。すると、サプリ達の様子を伺うように幼い少女がベリアル達の後ろから顔を出していた・・・。
「あの・・・」
少女が遠慮がちにサプリ達に頭を下げると、怒りが覚めたのかベリアルは少女をサプリ達の前に立たせる。
「・・・まぁ、お説教は後回しにして彼女を先に紹介するわ・・・。」
「・・・この子が新しく邪魔忍の貴方達の部隊に加わる事になったスゥよ。それで〜・・・」
ベリアルが少女の紹介を始め、一時的にでも叱られるのが止まり安堵の表情を見せる二人・・・。クイナが紹介されたスゥという名の少女をチラリと見ると、クイナと視線の合ったスゥはニコッとはにかんで笑って見せた。つられてクイナがにっこりと笑い、ちっちゃく手を振ると、クイナの腕をサプリはキツく抓る。
(痛いよ〜)
(なに笑ってんのよ!先輩なんだから、ビシッとしなさ〜い!)
ヒソヒソと小声でクイナに注意をしていると、サプリはスゥの視線に気付いた・・・。
(ニコッ)
サプリに笑顔で泡真を下げるスゥ。しかし、サプリは素直になれずにプイと顔を背けてしまうのだった・・・。
「〜と言う訳で、サプリ達はスゥに施設の案内と任務の準備をして18時に再度司令室に集合しなさい・・・分かった?」
「は〜い」
「返事は短く!」
「はい」
ベリアル達から一通りのスゥの紹介と任務の説明が終了し終わると、ベリアルがスゥに話しかける・・・。
「じゃあ、最後にスゥ・・・サプリ達に挨拶して」
ベリアルに言われてスゥはコクリと頷くいて口を開いた・・・。
「えっとぉ、スゥです・・・一生懸命頑張りますので、宜しくお願いします・・・えと・・・先輩達には教わる事ばっかりで緊張しています。こんな私ですが、仲良くして下さい・・・以上です・・・・・・」
たどたどしくスゥが挨拶を終えると、クイナが続いて挨拶をする。
「はいっ!クイナです!よろしくね♪」
「・・・・・・」
「・・・サプリ?」
続けて挨拶をするはずだったサプリだったが、何故か黙り込んでしまった。クイナが心配して覗き込む・・・。
すると・・・・・・。
(キャー!先輩だって!嬉しい♪♪)
思わぬところで先輩扱いされ、サプリはさっきの態度が嘘のように笑顔で顔を上げた。満面の笑みでスゥに握手を求め出す。
「うふふ、こっちこそよろしくね〜!」
(変なサプリ)
先刻まで「仲良くするな」の一点張りだったサプリのあまりの変わり様にクイナが驚く。しかし、クイナの心境などお構いなしにサプリはドンドン親しげにスゥに接するのであった・・・
「スゥ、わかんない事は私達に何でも聞いていいわよ〜♪」
「はぁい、先輩!」
(先輩!!あ〜ん、幸せ!今日から私は先輩なんだ〜♪)
スゥの「先輩」発言にすっかりテンションの上がったサプリは意気揚々と残されたベリアル達を忘れて部屋から飛び出していく・・・。
「よーし!早速ここを案内したげる!クイナ、スゥ、行こっ!!」
「分かりました、先輩!」
「あ〜っ、二人とも待ってよぉ〜!」
サプリを先輩と慕うスゥ、そして何故か満面の笑みのサプリ、最後に不思議そうな顔で二人の後ろを追いかけて行くクイナ・・・。
「初任務・・・浮かれ過ぎて失敗しないといいのだけど・・・」
仲も良さげに歩き出す三人を見送りながら、ベリアルとミナトが呟くのだった・・・・・・。
そして三日後・・・。
サプリ達は予想通りに見事に任務を失敗し、ベリアルからお説教の続きをみっちり受けるのでした・・・。
終。
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