ルークとはにわ普及委員会

ある朝、ボクはたぬきちさんの話す声で目が覚めた。
眠い目をこすりながら窓の外を見てみると、たぬきちさんがなにやら知らない人と話し込んでいた。
「だれだろう?」
ボクは手早く着替えを済ませると、急いで家を出た。
が、ボクが出たときにはたぬきちさんは一人だった。
とりあえず、ボクはたぬきちさんに声をかける。
「たぬきちさん、おはよう!」
ボクが急に声をかけてしまったせいか、たぬきちさんは驚いて後ろに飛び下がった。
「ああ、コジローさんだなも。驚かさないでほしいも」
「ご、ごめんなさい・・・」
「まあ、そんなことどうでもいいだなも。それよりも聞いてほしいことがあるなも!」
「ど、どうしたの?」
今度はボクがたぬきちさんの勢いにびっくりした。
「今日、新しく引っ越してきた人がいるなも!それもコジローさんの近所に!」
「え?だ、誰?どんな人?」
ボクは新しいお友達が増えるのかと思い、うれしくなって聞いた。
「いま、紹介するなも。・・・おーい、ルークさーん!」
たぬきちさんに呼ばれてボクんちの隣の家から人が出てきた。
「どうも、ルークです・・・」
ちょっと恥ずかしそうにボクに頭を下げる。
あわててボクも自己紹介。
「あ、どうも。ボクコジローです。お隣に住んでます。これから仲良くしてね!」
あわてたせいか、少し早口になってしまった!
ちゃんと伝わったかなぁ・・・
「んじゃ、僕はこれで・・・ルークさん後でお店にきてねだも」
そういってたぬきちさんは帰ってしまった。
「じゃあ、俺たぬきちさんとこ行って来るから・・・」
「あ、そう・・じゃ、またね!」
ルークさんも行ってしまった・・・
仕方ないのでボクもお出かけすることにした。

「そういえば、おまえんちの隣に引っ越してきたやつがいるらしいな」
「うん」
「どんな人なわけぇ?」
ボクとピース君はサブリナさんちで遊んでいた。
「そうだなぁ・・・まだ、あんまり話してないからよくわからないけど、なんだかはずかし屋がりさんみたい」
「ふ〜ん・・・ま、おまえんちのお隣さんなんだからおまえが仲良くしてやれよ!」
「うん、もちろん!」
「あ、うわさをすれば・・・彼外にいるわよ」
サブリナさんの言葉にボクたちは窓に近づく。
「なんかムーと話してるみたいだな」
「まだ、作業着着てるからバイト終わってないんじゃないの?」
しばらくムーさんと話していたルークさんは、ムーさんになにかを渡してそのまま帰っていった。
「なにか渡してたぞ」
「だから、お届けものじゃないの?」
「聞いてこようぜ!」
そういってピース君はサブリナさんちを出た。
「あ、待って!」
ボクも後に続く。
「後で報告してよね」
サブリナさんは出る気がないみたい・・・

「よぅ!ムー!お前いまルークになにもらったんだ?」
「ああ、ピース。それにコジローか」
振り向いたムーさんの手の中には・・・
「は、はにわ?」
なぜかはにわが・・・
しかも1個じゃないみたい・・・
「いやな、オレが冗談でなんかくれよーってたかったら、あいつ、これをよこしやがった」
ムーさんもちょっと困り顔だ。
「なんだ、脅し取ったのかー。悪いやつだなー」
からかうピース君。
「冗談のつもりだって言っただろうが!おい、コジロー、すまねぇけど、これをルークのやつに返してやってくれ」
「うん、いいよ」
手渡された大量のはにわをかかえ、ボクはルークさんちに向かった。

「ルークさーん!」
家の前で追いついたボクは必死で彼を呼び止めた。
「何?」
「あの、これ・・・ムーさんが返してあげてほしいって・・・」
ボクの手にある大量のはにわを見たルークさんはそのままの表情で、
「あ、これ。俺がムーさんにあげたんだよ」
「・・・でも・・・」
「いいからムーさんにあげちゃって」
そういって家に入ろうとするルークさん。
しかし、ふと振り返り、
「コジローさん、はにわ好き?」
と、唐突だな・・・
「う、うん。好きだ・・・」
なんで?と聞こうとしたら
「じゃあ、俺といっしょにはにわ普及委員会を設立しないか?この村のみんなにはにわのよさを教えてあげるんだ!」
息つく暇もないほどのマシンガントーク!
ボクは驚いて声も出ない。
ただ、口をパクパクさせているだけ・・・
「活動内容ってのはたいしたことじゃない。ただみんなにはにわを送るだけ!」
あ、あの・・
「俺たちは埋まっているものを掘り出して送るだけだし、相手も気に入らないはにわだったら売っちゃえばいいんだし、どちらも損はしないだろ?」
え、えと・・・
「悪い話じゃないだろ?な、な?」
「は、はい・・・」
強引なルークさんに押されてボクはうなづくしかなかった。
「よし、これで会員は2名になった!俺が会長するから、コジローさんは副会長だ!これから忙しくなるぞぉ!」>
うれしそうに話すルークさんを見ると、ボクもうれしくなってきた。
副会長か・・・
うん、悪くない。
「じゃ、手始めにこの村に眠っているはにわを全部掘り起こそう!・・よろしく!」
そういって家に入ろうとするルークさん。
「えええっ!」
なんちゅーこと言うんだ!
ボク一人でこの村のはにわ掘りをしろっていうのか?!
無理だってば!
「でも、俺はみんなに手紙書かなきゃいけないし。こっちも大変だし。終わったら助けに行くから!
 じゃ、そゆことで〜」

結局、ボク一人ではにわ掘りをする羽目に・・・ 次の日、筋肉痛で一歩も動けなかったというのは言うまでもなく・・・
でも、窓の外を見ると・・・
「よーし、今日もはにわ掘りがんばるぞ!」
一人元気なルークさん・・・
あいつには、勝てない・・・
てか、キャラ変わりすぎでない?


「でも、はにわって雨降りの後じゃないと見つからないよなぁ」
「あ゛」
ルークさんお疲れ様です・・・



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