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<ディアフレンド4>

 ヘンリーは、服の裾にいつも隠しているナイフを取り出した。器用に自分を縛っている縄を切っていく。手品師でも何でもないただの悪党のスキル。
 そして、立ち上がり貴族の少年の前にマントを翻して颯爽と登場する。少年はまるで神を見るかのような目でこちらを見るので内心では笑いが止まらない。どうやらヘンリーのことをクルシェは本当の手品師だと完全に信じ込んでしまったらしい。
 それは悪いことではないので、ヘンリーは今さら訂正する気にもなれない。それに訂正したところでクルシェがわかってくれるとも思わなかった。だから、ヘンリーは嘘を本当にすることにした。できなければ、二人とも死んでしまうだけの簡単な話。ヘンリーは、クルシェに協力してもらうことにした。
「なあ。お前。名前は?」
 今更ヘンリーが聞いた。
「僕は、クルシェ。クルシェ・オルタッドだよ。手品師さん」
 そして、今更クルシェがしっかりと名乗る。
「改めてよろしくな。クルシェ。だが、手品師さんはやめろ。ヘンリーと呼べ」
 ヘンリーは、しっかりと自分の名前をアピールする。
「わかったよ。マジ……ヘンリーさん」
 クルシェは、間違えかけたもののヘンリーの名前を呼ぶ。
「ああ、『さん』じゃなくて、『様』をつけるといいな。じゃあ、クルシェ。俺と一緒に盛大なマジックを成功させてここを出るぞ」
 ヘンリーは、そう言ってクルシェの縄を解いてやる。
「うん。ヘンリー様」
 クルシェはしっかりと頷いた。ヘンリーはそんなクルシェに作戦の内容を分かりやすいように伝え始めた。
 

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