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<10章>
ゴォォォォ・・・・。ごっくん。
ついに雀は、すべての猫の魂を吸い取ってしまった。
「ふう。なかなかおいしかったわ。もう力もほとんど戻って来た感じね。この器の青空 雀もなかなかの魔力を秘めてたけど、やっぱ本当の自分の力じゃないとね。」
すでに青空 雀の人格のかけらもなくなり、悪夢の化身と成り果てた者が存在していた。
「さて・・・。この町にはもう魂はないみたいだし。そろそろこの世界の魂全部もらいに行こうかしら。フフフ。しかし、破壊ってやっぱ楽しいわ。」
そういって、悪夢の化身は妖しく笑う。実に身の毛のよだつ悪魔の微笑みだった。
そして、その悪魔は次の破壊をするために移動を開始した。
「待ちなさい!!そうはさせませんよ。」
月村だった。そういいながら、すばやく印を結ぶ。
「月村家奥義『月下束縛陣』!!」
次の瞬間、町を囲むように結界が結成された。
「ち!!この結界は・・・。月村一族ね。まったく、毎度毎度、邪魔してくれるわね。」
悪魔は、ものすごく冷たく、怒りに満ちた目で月村を睨んだ。
「まあ、これが仕事ですからね。私たち一族はあなたを阻止するために何世代にも渡ってあなたを監視してるんですから。」
淡々と応える月村。
「いい加減うざいのよねえ。あんたたち一族はさ。でも、今回はちょっと遅かったんじゃない?」
そう言って、悪戯っぽく笑ってみせる悪魔。
「そうですねえ。少し楽観し過ぎましたかね。まさか、あなたが選んだ器である青空 雀がそこまでの力を秘めていたことが計算外でしたよ。」
「フフフ、私も驚いたけどね。確かにこの力は利用しがいがあったわ。こーんなにたくさんの魂を吸えたのは何年ぶりかしら。」
わざわざ大きなアクションで、勝ち誇ったように言ってのけた。
「フッ、楽しそうですね。こっちは、この結界を張ってるだけで正直辛いんですよね。」
少しだけ、顔をしかめる月村。
「ふーん。じゃあ、楽になっちゃえばいいじゃないかしら?あ、それとも私が楽にしてあげましょうか?」
アハハハ、本当に心の底から楽しんでいるような笑い。
「それは、できませんね。私は刺し違えてでもあなたを止めなくてはいけない義務がありますんで。」
凛とした態度で応じる月村。
「ふっ、やっぱあんたたち一族はつまらない連中だね。」
月村の態度が気に入らなかったらしく、その表情は冷酷なものになっていた。
「それが、性分なんで」
「あっそ、もういいわ。もう死になさい。これで私の勝ちよ。」
ものすごく大きな力が悪魔の手に集まって槍が、具体化されていく。
「魔槍ヘル・ゲート。貫かれて地獄の苦しみを味わいなさい。」
月村に向かって投げられようとしている魔槍。
そんな状況の中、月村が見せた表情はあきらめではなかった。

つづく
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