猫はいかが? ←第12章に戻る  /  小説TOPに戻る

<最終章>
優兎たちが悪魔をほろぼしてから数日後。
優兎と鈴と雀はかつて月村魔術店があった場所へ来ていた。
町は完全に元の状態に戻り、町の人々も何事もなかったかのように日常に戻っていたが、その場所だけ元々何もなかったかのように空き地になっていた。
空き地の真ん中には花束と黒いブレスレットが並べられていた。
3人は静かに黙祷していた。
あの後、月村は自身の持つ魔力全てを使ってすべてのものを修復した。
そして、さらにその後、残った魔力で自分の肉体を雀の姿に再構築し、魂だけとなった雀と自分の魂を入れ替えるという儀式を行い、雀を助けた。
しかし、魂だけとなったものがこの世にいつまでも存在できることもなく、月村は命を落とした。
これは、月村が残した手紙からわかったことである。
「・・・・私のせいだよね」
黙祷を終えた雀がつぶやいた。
その声は震えていた。
「私が悪魔なんかに憑かれたばっかりに・・・」
「雀ちゃん。自分を責めちゃだめですよぉ。これはマスターが自分の意思でやったことなんだから・・・」
そう言いながらも、鈴はうつむいていた。
「そうだよ。雀。それにお前はただ悪魔に利用されてただけだ。お前に責任はないよ」
「う、う、でも・・・」
「お前は泣かなくて、いいんだよ。それよりも感謝の言葉を言うべきだろ?」
「そ、そうだね・・。お兄ちゃん」
雀は涙を拭くと、大きな声で
「ありがとう!!月村さん!!」
「よし!!それでこそ雀だ!!俺も言うぞ!!ありがとう月村さん!!」
「ほら、鈴も!!」
「え?あ、ありがとう。マスター」
急に声をかけられて、驚きながらも鈴は言った。
「うん。これで黙祷終了!!解散!!帰るぞ雀」
「はーい!!」
そう言うと2人は歩き出した。
「ちょ、ちょっと優兎くん!?」
急な展開に戸惑う鈴。
「ああ、確か鈴は確か用事があるんだよね?それ終わってから家に来るといいよ。鈴の部屋は用意してあるから。そんじゃ、また後で!」
「また、後でねえ!!鈴お姉ちゃん!!」
二人はそう言いながら歩いて行ってしまい、空き地には鈴だけが残された。
「はあ、そういうことかぁ。やっぱばれてたかなぁ。しかし、優兎くんも強引だなあ。あれでかっこつけたつもりかな?バカみたいだよ」
「それにしても、ありがとうマスターか・・・。マスター本当に死んじゃったんですねぇ」
黒いブレスレットを手にとって見つめながら言った。
「自分の責任だからって、自分の命を犠牲にするなんて、マスターもかっこつけすぎ・・・。男ってどうしてみんなかっこつけたがるのかあ・・・。みんなバカですよぉ・・・」
ブレスレットに涙が落ち続けた・・・。

おわり
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