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<3章>
一方、優兎たちのいる所より離れた所に一人の人が歩いていた。
落ち着いた感じの男。服装は、黒いスーツ。 手には大きな奇麗な石をはめ込んだブレスレットをしているのが特徴的だ 。
「なんだ?妙な力の気配がする・・・。」
その人は、何かの大きな力を感じ取った。
「もしかして、やつかもしれない。行ってみるか。」
そしてその方向に向かって・・・飛んだ。
        ※※※※※※※※
その頃雀は、その場から真上に向かって浮き上がって行った。それも、跳んだのではない。飛んだのだ。
そして、ある程度まで飛び上がったところで、
「いっくよー!!雀流奥義!!スペシャル・スパロウ・アタック!!」
すると、雀の体を光が包み込み、そこからすごい速さで優兎めがけて飛んできた。
優兎は、避ける暇もなく、ただそれを見ていることだけしたできずにいたが、突然、
「少年、何をしている力を使え!!」
と、優兎の心の中に声が響いた。
するとその瞬間、優兎の体が光に包まれ、さらに優兎は無意識のうちに自分をめがけて飛んでくる雀の方向に両手をかざした。
すると、優兎の目の前に兎型の光のシールドができる。
----バチッ
という音がして、雀は弾きとばされた。そして、勢い良く空に飛んで行った。
「え?きゃ!!私がなにしたの〜!!」
そして、見えなくなった。もしかしたら、キュピーンとか音がしたのかもしれない。
「……え?な、なんだこれ?」
自分のしたことが信じられない優兎は、そのまま固まってしまっている。

と、ふいに
「少年、よくやったな。獣にされてもその力とは大したものだ。」
という声が聞こえた。
しかし、どこにいるか優兎はわからない。
「え!!さっきの声の人?どこにいるんですか?」
「君の上だよ。」
正体不明の声は答える。
優兎は、上を向く。
すると、上空の100メートルくらいに人が浮いていた。
「な、なに〜!!そんなばかな!!」
優兎は、バカみたいにマジに驚いた。
「フフフ、そんなに驚くことはないと思うよ。君だってさっき力を使ったじゃないか。」
「え?あれはやっぱり俺の力だったのか?」
そして、浮いていた人は優兎の近くに降りて来て言った。
「そうだよ。他に誰の力だって言うんだい?」
「……」
優兎は、その降りて来た人をまじまじと見つめた。
歳は18歳くらいだろうか。整った顔をしている。 特に目立つのは、腕にしているブレスレットだ。
「あ、そうだ。悪いけどそこで寝ているやつを叩き起こしてくれないかな?」
「え?……。」
「君の横でぐっすり眠ってる。猫ちゃんだよ」
「あ、こいつですか。」
すると優兎はそのバカ猫に近づき、耳元で小声で
「お、おい、起きろ!!」
しかし、起きない…。
優兎は声を少しでかくして
「おい!起きろってば!!」
すると、白猫は、急に起き上がって
「私は、鈴〜歌って踊る〜…15秒だけのシンデレラ♪」
---- パタッ
すぅ、すぅ・・・
「はぁ、まったくこの子は・・・寝ぼけてる上にパクリですか。仕方ないですね。大地の精霊ノームよ。あの寝ぼけ猫の上に岩を出してあげなさい。」
すると、どこからともなく光が現れ、
「はい。かしこまりました。」
と言って、白猫の上まで浮いて行くとその姿を岩に変えて、その上に乗った。
---ムギュ
「すぅすぅ……ぐえ!!うぅぅぅぅ。重い!!重い!!助けて!」
白猫は、その岩から逃れようと必死にもがいている。
「大切な力の持ち主を守らずに寝ていただけとは、いい度胸ですね。鈴。 それも結果的に守られてしまうとは……」
「そ、その声は、ご主人…。すいません。この子が力の持ち主だなんて気付かなくて〜。助けて〜」
「しばらくそのまま反省してなさい」
「そ、そんな。うう、苦しいよ〜」
鈴と呼ばれた猫は、そのままじたばたしていた。

そんな姿を見て優兎は、あぜんとしていた。

「あ、気にしないくていいよ。あの子にはちょっとおしおきが必要みたいだからね。」
「・・・あのー、あなたは?」
「ああ、これは失礼。わたしは、月村です。」

つづく
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