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<6章>
優兎の日記
俺と鈴は魔法の特訓を月村さんに受けた。
月村さんによれば、近いうちに魔力が強いものを狙って“敵”が襲ってくるそうだ。
その“敵”は現在、実体ではなく、思念体であり、
魔力を持つものの魂を吸うことで実体を持つことができるらしい。
しかし、その敵は人の“何かを嫌う気持ち”に作用し、その気持ちを増幅させ、その
対象を消滅させたいという衝動を持たせる。それを持った時点でその敵は、衝動を持っ
た人の人格を短時間ではあるが、掌握し、さらにその“敵”自身の魔力をその掌握した
能力に合わせて使うことができるため、やっかいだ。 俺の妹である雀が、襲ってきたのは猫を嫌う気持ちを増幅させられ、操られていたのだろう。
そして、あの何とかスパロウとかいう技は、魔力を伴った攻撃だったんだと思う。
もし、普通に受けてたら、致命傷になってたらしい。危なかった・・・。
ああ、これからは猫嫌い=敵ということになるんだろうな。
ってことは、雀は、ずっと俺たちの敵ってことか。先が思いやられる。
幸いなことに、気持ちを増幅するのに時間がかかるため、頻繁には襲ってこないようだから
しばらくは大丈夫だろう。
特訓の方は順調で、俺も鈴ももともと魔力が十分だったようで、だんだんこの力を使う
ことにもなれてきた。
動きを伴うトレーニングでは、猫の体でやるのではなく、人型に「トレース」すること
でこなすことができている。
トレースは、相手が人型なので猫の姿では不利だということで、実際戦う時に魔力を使
って自分の体を変化させることができるものだ。
特訓では鈴の方が、先輩のため何かと注意される。普段の時とは違って割りと訓練の時
にはしっかりとしてるのに驚く。
特に二人での連携が必要なトレーニングでは、音の力を持つ鈴はリズム感も良い。
一方不器用な俺は、少しだけずれが出てしまう。前は思いっきりタイミングはずしてマ
ジで怒った鈴は怖かった。
まあ、連携は大切だ。一回だけ綺麗に決まって、月村さんの魔力シールドを破壊することに成功した。
月村さんの張るシールドはちょっとやそっとでは、壊れないのであれはすごい力を生み出したのだろう。
その時は、月村さんも俺たちの成長に喜んでいた。
ところで、これだけの力を持つ月村さんだが、敵には無力らしい。
その理由は、聞いても教えてくれない。
うーん。やっぱり月村さんは謎が多い人だ。しかし、月村さんができないのなら、やっぱ俺たちがなんとか
自分たちが強くなって、自分たちの身を守るしかない。敵の復活はもう時間の問題だそうだ。
気を引きしてめていかなければ。

つづく
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