猫はいかが? ←第8章に戻る  /  小説TOPに戻る  /  第10章へ→

<9章>
「さて、お食事タイムだね。魂吸引!!」
そう言って雀は、大きく口を開け、息を思いっきり吸う。
ゴォォォォォォ。
先程の攻撃によって、やられた猫たちの魂が、雀の口に向かってどんどん吸い寄せられていく。
誰の目から見てもわかるように、雀は魂を摂取していた。
その異様な光景に、優兎たちはただ見ることしかできなかった。
「あ、あれが本当に雀なんですか?」
優兎は、何かにすがるような感じで月村に聞いた。
「そうです。あれがやつに魂を支配された雀くんです。」
「そうですか・・・。あいつは確かにめちゃくちゃな性格はしてるけど、根はすっごくいいやつなんですよ!!」
ドンッ!!
優兎は、力任せに近くにあったコンクリートを殴りつけた。
「優兎くん・・・。」
鈴は心配そうに優兎に声をかけた。
「本当は、あんなことを平気でするようなやつじゃないんです!きっと・・・、きっとあいつの本当の魂は苦しんでるんです・・・!」
「ええ、そうですね。あれは本来の雀くんの姿ではない。きっと、本当の雀くんは、支配しようとしているやつと心の中で戦っているでしょう。」
「俺は、あいつと戦うしかないんですか?」
怒りからだろうか、悔しさからだろうか、優兎は唇をかみしめ、体を震わせていた。
「・・・・・・・。」
しばらく考え込む月村。
「マ、マスター。何とかならないんですか?雀ちゃんを助けてあげられないんですか?」
「・・・・・方法がないわけではないんですが。」
「ほ、本当ですか!?月村さん!?」「ほ、本当!?マスター!?」
ほぼ、同時に同じ反応をする二人。
「ええ、ですがこの方法は雀くんの魂のみを救う方法です。」
「魂のみ?」
「ええ、肉体の方はすでにやつのものになってしまっています。なので、こちらは完全に破壊するしかありません。」
「か、完全に破壊・・・・。」
「しかし、魂だけは先程も言ったように共存しています。これを救済してやります。」
「つ、つまり、雀は幽霊として生き残るということですか?」
「まあ、簡単に言えばそうですね。幽霊というか、霊体になった状態が生きていると定義すればですが。」
「・・・・・。それしか方法はないんですか?」
「・・・・今のところこれしかありません。」
・・・・・・。
しばしの沈黙。
悩む優兎。心配そうにみつめる鈴。
難しい顔をする月村。
「お兄ちゃん!!助けて!!」
沈黙をやぶるかのように、上空から声が聞こえた。
---------雀!?
「苦しいよ!!暗いよ!!怖いよ!!うわぁぁぁ!!」
「誰が出てきていいって言ったの?ひっこんでて!!今は私が青空雀なんだから。アハハハ。」
そう言ったかと思うと、青空雀は、また魂を吸い始めた。
「す、雀!!」
・・・・・・。
「ちきしょう!!やってやります!!雀を助けます!!手伝ってくれるよね?鈴?」
「うん。もちろんだよ!!優兎くん!!雀ちゃんとはお友達になりたいし。」
優兎は、妹を守ることを決めたのである。

つづく
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