少女は寝ぼけまなこをこすりながら隣に座わった私の方を向いた。

「ねー、まま」

「なぁに?」

「うんとね、おひざかして?」

 首を傾げて顔を覗き込もうとしているその表情は断られることを微塵にも感じていないようである。

「フフ…どうしようかしら」

 といいつつ、膝の上に乗せた手で小さくおいでおいで、としてみせた。

「わぁい♪」

 満面の笑みでぎゅーと抱きついて、少女はこてっと膝に頭を乗せてきた。

 血の繋がりはないけれど、母と子の契りを交わした間柄の小さい少女を見ていると心が和む。

「綺麗な髪ね…」

 そういいながら、少女の髪をいじる。

 少女は安心しきった様子で、されるがままに任せている。

 ふと思い立って、少女の髪を結い始めた。

「……ぅ…?」

 髪が引っ張られる感覚で少しだけ少女が目を開けて顔を上げた。

「なにしてるのー…?」

「ん、髪を結ってみようと思って」

「…ん」

 納得したのか目を閉じてまたうとうとし始めている。

 あまり長くはない髪をいじりながら、ちょっとイタズラ心が芽生えてみた。


ごんっ!!!

「いたーーい!!!」

 膝を避けていきなり立ち上がった私は、少女が頭を地面に打って悶えるところを見ながらにっこりして、

「フフ…油断は禁物よ?」

 そういってウィンクをした。


END