Card Wirth外伝シナリオ:傭兵王の苦難

第1章:「受け継ぐ者」

第10話「破滅への舞曲」
 天を切り裂くかの如く、落雷が落ちる…
それは、亡霊の悲しみの嗚咽か?はたまた
拭い去れぬ絶望への怒号か?

亡霊の絶望に呼応するように落雷が響く…

 「まさか…」
少年達一向は、彼らの悲しみを知る…
「知リエタカ…?我ラノ悲シミヲ…コノ…憎シミヲ…
貴様ラニワカルカ!?」
 亡霊の騎士の眼窩に炎のような光が燃え上がる。
その姿も炎にあぶられるかのごとく大きく広がり、
揺れ動く。全てをのみこむがごとく…
 「ひっ…ひぃ…」
依頼主が、別の横転した馬車から一つの荷物を大事
に抱えながらでてきた。だが、ぬかるんだ足場に、
うまく立てなかたのか派手にころんだ。
転んだ拍子にその荷物が落ちた。
 「…!!!オオオォォォォォオヲヲヲ!!!!」
 全ての亡霊がその落ちた荷物をみた瞬間、絶望とも
怒りとも、復讐への怨念ともとれる声なき声があがる。
 それは、石であった。血を凝縮したかのような真っ赤
な石。それには人を惹きつけるような力をもった石…。
 「見ツケタ…見ツケタタゾ…!!賢者の石!!!
その瞬間、少年達一向は亡霊が見せたあの記憶が、
蘇ると同時に気を失った…。
 そして再び巨大な雷が鳴り響く。今までよりも強く…
悪夢を呼び覚ますかのごとく、落ちた。
 「オオオォォォォォオヲヲヲ!!!!」
忌まわしき記憶を思い出したのか、狂ったかのごとく、
亡霊は叫び続けた。声なき声をあげて…。
 ただ、生者への頭へと響くのみの怨嗟と悲しみを、
内混ぜた…感情をたくして…
 少年達一向は、気を失いながら見ていた。
彼らの絶望と悲しみと怒りと恨みの記憶を…
 これより話は、1000年の時を越える。過去へと…
王国が2つに分裂し、新たなる王が決められなかった
理由も共に語られるであろう…
 運命の歯車が動き出す。錆ついた運命の輪が…
ゆっくりと軋みをあげながら…破滅への舞曲を全てに
躍らせるために…