「ハーイ、こんにちは。あたし、桜田眞子。アイドル一歩手前でーす。
あたし、新宿を友達と歩いていたときに、スカウトされて、
この芸能プロダクションに入ったのだー!!。エヘヘ、叫んじゃった。
事務所の人が、芸名をつけてくれたのよ。いい名前でしょ。
アイドルの名前には、木偏の漢字が付き物なんだって。みんなー、知ってたー?
あたし、今、事務所が主催してる「お笑い教室」の授業が終わったところなの。
これからのアイドルは、お笑いに対応できないといけないんだって。
あとね、発声教室、音感養成教室、歌のレッスン、ピアノに、バイオリン、お花に、お茶に、着物の着付け教室、まだまだあるの。
これだけたくさん通わなくては、アイドルにはなれないんだって。もう大変なんだからぁ。
みんなもあたしの名前、知ってるかもね。あたしって、有名なんだからぁ。
だって、「お笑い教室」では、昼の部、夜の部、高橋由伸ってあるんだけど。
あたしのプロダクションは、巨人軍かー?あはは。由伸はウソ、嘘。
あたし、昼の部に通ってるけど、あたしの名前は、夜の部の人にまで轟いてるのよ。
あたしって、とっても、有名人。えへへ。
あたし、「お笑い教室」では、ウケまくってるんだから。
「教室に十年通う女」って、みんなが大笑いするのよ。
でもね、あるとき、事務所の人が、「眞子は、お得意さんだ」って、陰で言っているのを知って、すごいショックだった。
それからすぐ、事務所に呼ばれて、「眞子、周りの者が、『十年通う女』って、笑うけど、気にしちゃいけないよ」って言われて、私、やっと気づいたわ。
ちょっとみんなに笑われたからって、あたし、得意気になっていたの。
あたし、「お得意さん」だったのね。芸の道はキビシイー!!
いっけなーい、もうこんな時間。アルバイトに行かなきゃ。
授業料を払うのが大変なんだ。
日中は「フローラ」って喫茶店、夜は、ランジェーリーパブ「猥wai」で働いてるから、寄ってみてね。じゃーネ」