今日は、ちょっと、やぼ用があって、電車に乗らなくてはならん。
電車は自動車と違って疲れる・・・が仕方ない。

いすに座ってボーっとしていたら、
一人の男が目の前に立ってこちらを見ているのに気がついたんじゃ。
どこかで見たことあるような、無いような・・・・。
気になって仕方ない。我慢しきれず聞いてみたんじゃ。


「あのう、どこかでお目にかかりましたかな?」
「さぁ?」
「ワシはW市に住んでいるんじゃが、おたくはどこに住んでおられるのかな?」
「W市です」
「おや、一緒ですなぁ。生まれは?」
「隣のR市です」
「おやまぁ、またしても」
「あなたは昭和の何年生まれです?」
「ワシは、昭和4年生まれじゃが」
「わたしもです」

ワシはうれしくなってしまった。こんなことがあるもんじぁろうか?
しかし、目の前の男は笑顔も見せずにさらに聞いてきた。


「わたしは、六月生まれなんですが、あなたは?」
「ワシも六月じゃ!」

思わず周りの迷惑も考えず大きな声になってしまった。
うれしさのあまり、またしてもつい、大きな声で聞いてしまった。


「まさかおたくも27日じゃ?」
「いいえ、わたしは29日です」

残念そうに男は答えよった。
ワシも、少し残念じゃッた。


「それじゃぁ、ワシのほうが二日だけ早く生まれたんじゃなぁ。
しかし奇遇じゃなぁ・・・・・・」


わしがまだしゃべっている途中で、
なぜか男は舌打ちをして、
別のシルバーシートのほうへ歩いていきよった。
失礼な奴じゃ。