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今回は、ちょっとしたショートショートです。どうぞ。 おれは妻の友人の和江と会ったときから変わってしまった。 妻には、いたずら好きになってしまったと思われているだろう。 和江が小悪魔的な女であることで、おれの変わりようはあまり気にもとめられていない。 むしろ自分の友達と仲良くやっていることのほうがうれしいようだ。 和江が遊びにきたときに、決まっておれはいたずらをみんなでやろうと持ちかける。 非通知電話でピザの配達を頼み、三人で玄関先でピザ屋の前で、「誰か頼んだか?」と顔を見合わせてみたり、しかし、きちんとお金を払って買い取っている。値引いたりなどはしない。お金ほしさでやってるわけじゃぁ無い。他人様の財産や名誉を傷つけるのが目的じゃぁ無いのだ。それはみんなの共通の思いである。 しかし、ある意味、本当にそういう思いを持っているのは、妻だけだろう。 ある日、おれは、みんなにこう持ちかけた。 「今日はさ、国道50号線で検問をやってるらしい。今度は警官をびっくりさせてやろうぜ。 ストーリーはこうだ。 まず、お前が、このドンゴロスの中に入る」 おれは麻袋を手にしながら妻に向かって話し出す。 「そして、ドンゴロスの口を縛る。すぐに解けるようやわらかく結ぶから心配ない。少しだけの辛抱だ。そして、車のトランクの中に入ていてくれ。俺と和江は車を運転して、警察の検問の中に入っていく。そして、今度は和江、お前が警官にばればれの態度で、動揺を演技してくれ。 そしておれは、何気なく、でも、警官にわかるように車のトランクに目をやる。 当然警官は、トランクを空けろといってくるだろう。 そこで、麻袋から、お前が、出てくる」 「でも、私がそんなところから出てきたら、洒落ですまないんじゃぁ?」 妻がおどおどと口をはさむ。 「だから、私はサンタのプレゼントなのとかなんとかうまい口実を考えておいてくれ。トランクの中でゆっくり考える時間はあるから、お前のセリフで、面白いいたずらになるかどうか決まるんだ。責任重大だよ」 どうせ、そんなセリフは必要なくなる。お前のセリフは、悲鳴だけだろうから。 そして、みんなはおのおので今後の展開を想像して、笑い始めた。 作戦開始である。 数分後、和江とおれは車を港へ向けて走っていた。 トランクには妻が袋に入って乗っている。 おれは、和江と顔を見合わせては口元がほころんでしまう。 和江もそのようだ。 和江と知り合って俺たちはすぐに深い中になった。 悪い女だ。この計画も和江の入れ知恵だ。 このための、今までのいたずらの数々。 ウン?何だ?ホントに検問じゃないか。 見事に検問にとめられた。 トランクを開けさせられてしまった。 しかし、妻には当然の展開、 とりあえず、今回もいたずらで終わってしまった。 がっかり・・・、なんて運のいい妻なんだ。 一時間後、警察署の中から深く頭を下げて出てきたのは、 妻一人だけだった。 以下、妻の回想 私、ついうっかりトランクの中で寝てしまったのよね。 で、おまわりさんに起こされて、 「うーーん良く寝た。どうして私、こんなところに?」 といったら、その後警察署まで連れて行かれて・・・・ 寝ぼけた頭でボーっとしていたら、 「二人が自供した。おくさん、あぶないところでしたね」とおまわりさんにいわれて・・・・ うーーーん?・・・・ようやく事態が飲み込めてきたわ。 でも、これからどうしようかしら。・・・ 《終わり》 |