キャラクターの視線に関する考察

 W 広告が告げたこと

 とはいえ、ストーリー漫画の段階は今の状態とは少々異なる。
 ストーリー漫画において、主役はストーリーだ。

 脇役なくして主役はない。けど、キャラクターは主役キャラでさえ脇役だった。主役はストーリーだった。
 キャラクターが大きな目を獲得したのも、効果的に主役に奉仕するためだった。

 ストーリー漫画の作品中において、キャラクターの大きな目は、ヒトがそこから心理描写を読み取るためのものだった。どちらかといえば無意識のうちに。
 そのころキャラクターの視線は、別のキャラクターか、さもなくば主役たるストーリーに向けられていた。

 コマ割りや視点の置き方で、キャラクターが読者を見ているかのような絵は描けたけど、キャラクターの視線はストーリーに向いていた。

 それでもこの頃には、大きな目に別な効用があることは、すでに気づかれていた。

 作品中でこそキャラクターの視線は作品内に向けられていたけれど、雑誌や単行本の表紙に現れたキャラクターは、大きな目で読者を見ていた。

 まして広告ともなればまず間違いなく、キャラクターはヒトを見つめていた。

 広告に関しては、広告が商品を売り込むためであることを考え合わせれば、じつに興味深いことだ。

 キャラがヒトを見つめる。

 ヒトがキャラに魅入られること。

 キャラクターの大きな目には、別な可能性があった。


キャラクターの視線に関する考察

T 前書き
U リアルと2次元・一考
V 必要性に応える
W 広告が告げたこと
X 可能性を見つける
Y リアルと2次元・再考
Z 後書き

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