えいえんはあるよ

 

 

 

 

 

注意:この文章は「ONE」のネタバレを含みます。

 

 

 

まー何つーか、いまさらって感じもしてるんだけど、

最近やっと「ONE」をプレイし終わったところなんですよ。

だけど、しかしまー驚いたね、あのシナリオは

 

今までうわさ話でさんざん

「えいえんはあるよ」のセリフを聞かされていたもんだから、

てっきりあれはあゆの「私のこと忘れて下さい」的な

殺し文句だと思っていたんだけど、ゲームをやってみてびっくり!

まさに言葉通りの意味の殺し文句じゃん。

しかし、ちょっと言葉で「えいえんはあるよ」と言っただけで、

ホントにえいえんの世界を作れちまうなんて、

あの女、いつのまに「ソノウソホント」なんて装備してやがったのか!

危うく主人公、えいえんの世界という名の、

マクウ空間に連れて行かれそうになります。

 

そう。あの人気特撮ヒーロー番組「宇宙刑事ギャバン」に出てきた

怪人が3倍の強さになってギャバンを倒そうとするんだけど、

肝心のギャバンが5倍の強さになってしまうという

あのマクウ空間ですよ。

 

しかし、どうやらそのえいえんの世界というやつは、

1年の刑期を終えたら出てこられるという、

キン肉マンの超人墓場より脱出しやすい場所らしく、

主人公は劇的生還を果たすというストーリーなわけです。

 

 

まあ、その辺のむちゃくちゃさは、まあいいとして、

終盤で主人公の存在がだんだん希薄となり、みんなから忘れられてゆくって展開は

なかなか胸をうつものがありましたなあ……。

 

 

……と、まあこんな感想をいだきつつゲームをやっていたわけなんだけど、

これの主人公は「今さら、キャラメルのおまけなんか、いらなかったんだ」と

大人ぶりをアピールして「えいえんの世界」を拒絶していましたが、

ビッグワンガムのおまけが今でもうれしくてしかたがない

コドモドラゴンばりに子供な俺こと宮川リョウタ。

 

どうやら最近、だんだんとえいえんの世界に吸い込まれているようです。

 

ぎょわーっ!怖えーっ!どういうことだよこりゃ一体。

 

だって、気が付いてみたら俺の存在が忘れられてるだよもん

 

 

 

そう………。

最初にその違和感に気づいたのは夏のある日の出来事。

 

俺は大学時代の友達と毎年、海に泊まりがけで出かけているんだけど、

今年はその連絡が待てど暮らせど来やしねえ。

そろそろスケジュール決まらないとヤバイという時期になって、

こっちから友達の一人に連絡してみたんだよ。

そしたらそいつが言うには………、

 

 

「いやあ、誰かは連絡するだろうと思って……」

 

 

って、何故こんな時に、ゆずりあいの精神を発揮するっ!

何故俺に真っ先に連絡しねえっ!

 

……ってもしかして俺、希薄?存在感ナシですか?

アカギとそのライバルが麻雀打ってるときに

左右に座って汗かいてる黒服黒メガネ並にどーでもいい存在ですか?

 

 

 

………ふう、とまあこんな感じでえいえんの世界へと近づいちまったわけだけど、

しかしまあこのときにはまだ余裕があった。

友達の一人に連絡し忘れるなんてよくあることだろって思ってね。

 

しかーし!

その後にとんでもねぇ忘れられっぷりをするんだよ!

 

 

それはある日のこと……。

俺が家でぶらぶらしているとき、俺の母親に遭遇したんだけど、

この女、俺の顔を見ると一言、

「そうだ、あんたがいたんだねえ」とか言いやがりますよ。

で、俺が何のことかと確認すると、

 

 

「いや、お兄ちゃんの結婚式の招待者が一人足りないと思ったら、

あんたのこと忘れてたよ」

 

 

何故に忘れるんだよ、そんなことっ!

それじゃあ何か?

ヘタをしたら、俺は兄貴の結婚式に出られんところだったんかい!

御欠席に丸を付けた覚えもないのにっ!

 

 

大体なんだっ!

俺はなあ、今回の兄の結婚のせいで、

血の繋がらない妹にお兄ちゃんと呼んでもらえる計画

が崩れ去ってショックを受けたばっかりなんだぞ!

 

兄貴のヤツ、なんで妹がいる女と結婚しねえんだよっ!

妹がいりゃあ、そいつに俺のことをお兄ちゃんと呼ばせたのにっ!

何故俺の計画をじゃまするんだーっ!

 

 

 

…………

 

 

 

あ、ごめん。今回は妹じゃなくて存在が忘れられる話だったよな。

 

……あー、つまりそういうことです。

俺、家族にも忘れられてんだよ。

ヤバイです、いよいよヤバイですよー。

もう、えいえんに片足つっこんでますよー

 

 

……とか思っていたらさー、いよいよ決定的事態が訪れちまったんだよ。

いくらなんでも、あいつにまで忘れられたら終わりだろってヤツにまで

忘れてしまったんですよ。

 

 

そう、それはある日のこと……。

俺は会社に行こうと電車に乗っておりました。

そして目的の駅で降りて、定期券を取り出し、自動改札を通り抜けようとしたその時です。

 

 

ピンポーン(ゲートが閉まる)

 

 

げぇーっ!何故に自動改札機が俺を阻む。

定期の期限だってまだ切れてないのに。

 

 

……はっ!

……もしやっ!

……もしかしてっ!

 

 

自動改札機までもが俺の存在を否定するってのかーっ!

そう!

正確無比と言われた、この機械仕掛けの自動改札機が、

 

「あなたが使用した宮川リョウタという名義の定期券は、

この世に存在しておりません」

 

って言ってるわけですよ。

しかも、俺の頭の中では、この機械の声は当然セリオ!

で、おそるおそる試しにもう一回同じ改札を通してみることにする。

 

 

ガー(ゲートが開く)

 

 

ふう、さすがはセリオ。

どうやら完全に忘れたというわけではなさそうだぜ。

しかし、セリオのヤツまだ半信半疑といった面持ちでこちらを見ていやがるんだよ。

やっぱ、俺の存在がだんだん忘れられているのは間違いないようだ。

うわーっ!助けてセリオーっ!

 

 

…………

 

…………

 

…………

 

 

なーんてね。

 

いやー、もうこんなの冗談に決まってんじゃん。

そりゃ機械だってたまにゃあミスもするっての。

そんなんで、えいえんに逝っちまうわけねーだろよ。

俺もそこまでバカじゃないっつーのよ。

 

というわけで次の日、さーて今日も元気に会社に行くかーっ!

 

 

 

ピンポーン(ゲートが閉まる)

 

 

 

げっえーっ!まただーっ!

やっぱりセリオ助けてーっ!!

 

 

 

 

 

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