屁のようなもの

 

 

 

 

 

スゴーイ! ビックリ! 大はっけーん!

 

つーわけでですねえ……、いや〜今日の話はホントすごいんです!

ホントもう、これには驚きなんですよ〜。

 

そう、何せ今日俺がこれからする話ってのはですねえ……、

おそらくこの考察に至ることが出来た人間というのは、

もしかしたら世界中で俺ただ一人なんじゃないかと思うぐらいスゴイ話なんですよ。

まさしく世紀の大発見なんですよ〜。

 

 

……つーわけでして、まあ焦らしてもしょうがないので早速話を始めることにいたしましょう。

皆さん、心して聞いて下さい。

 

 

……そう。今日これからする話というのは、

日本語に存在するある単語に関しての話だったりするんですが、

そう、その単語とは、これのことなんです。

 

 

「屁のようなもの」

 

 

……そう。

皆さんもたまには使ったことがあるかもしれない日本古来よりあるこの単語のことでして

(って古来からはないかもしれないけど)、まあ「大辞林」で調べたところによると、

その意味としては、

 

 

価値のないもの。とるに足らぬもの。

 

 

というふうに紹介されておりまして、まあ実際にこの言葉を使う場面においても、

例文を挙げるとするならば、

「アイツの実力なんて、屁のようなものさ。大したことねえよ」

みたいな感じで使われているんじゃないかと思います。

まさに辞書に載っている通り、「とるに足らぬもの」という意味として使われているわけです。

これについては皆さん、異論のないところだと思います。

 

 

 

 

 

ところが……、ところがなんですよ……。

 

 

 

 

 

そう……。

普段はこのように「とるに足らぬもの」という感じの意味として使われている、

「屁のようなもの」というこの言葉ですが、だがしかし。

 

では次のような文章で使ってみたらその意味はどうなってしまうでしょうか?

そう、その文章とはこれなんです……。

 

 

 

 

 

「ヤツの体臭なんて、屁のようなものさ」

 

 

 

 

 

って、これメチャメチャ臭いってことじゃないですか!

 

 

 

そうっ! 俺が今回発見した大発見とは、これのことなんですっ!

 

そう、つまり普段は「価値のないもの、とるに足らぬもの」という意味で使われている

この「屁のようなもの」というこの言葉がですねえ……、

この「臭さに関する話」に使った場合に限っては、

「ものすごくクサイ」って意味になるってことなんですよ!

スゴーイ! ビックリ! 大はっけーん!

 

 

 

……って、いや〜、もうね。

これ驚きませんか? この発見にはもう、ビビりませんですか?

 

 

そう、だってさー、この「屁のようなもの」という言葉が、

一瞬にして我々にその牙をむくわけじゃないですか。

 

そう、それまで「大したことねえよなあ……」って感じで低く見られていたこの言葉が、

一瞬にして「えっ? それってヤバイってことじゃん!」に転身するその一瞬!

 

そう、例えて言うならば、

「普段は平凡な彼に隠された、凶悪な裏の姿を見たっ!」 というか、

「普段は従順な執事が、突然主人にその銃口を向けた」 というかさー、

この軍人将棋のスパイみたいな、ほんの一場面においてのみ絶大な威力を発揮する、

この「屁のようなもの」という言葉は、ホントすごいと思ったわけなんですよ。

もうこんなスゴイ言葉は他にはないんじゃないでしょうか?

 

 

そしてですねえ……、

「この言葉のこの意味に気が付いた人間って、たぶん俺だけなんじゃねーの?」って、

思ってしまうわけなんですよね、うん。

 

そう、「この『屁のようなもの』という言葉を誰より理解してる人間って俺なんじゃねーの」

って思ってしまったわけなんですよ。

まさに「俺スゴイ!」って思ってしまったわけなんですよ。

ホント、今回のこの大発見には驚きましたね、ええ。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

そしてですねえ……、

 

 

 

 

しかもっ! しかもなんですよ!

今回の俺の話は、ここで終わりではないのですよ、ええ。

 

 

 

そうっ!

今述べたように、現段階の考察においても既に「屁のようなもの」という言葉の真の意味を

おそらく世界で唯一探り当ててしまったというこの俺ですが、

しかししかしこの「屁のようなもの」という言葉には、

実はまだまだ検証する余地が残されていたりするのですよ、ええ。

 

そうっ! 今回既にこれだけの大発見をしたというのにもかかわらず、

まだまだそれだけでは飽きたらず、この「屁のようなもの」という言葉には、

さらなる深い意味が隠されていたのですよー!

 

 

そしてその言葉の意味をおそらく今回俺が、

世界で初めて世の一般社会に知らしめるというわけです。

うわー、ヤベェ! 今回は超壮大な話になってきたーーっ!

 

 

 

……と、まあそんなわけで、

これ以上焦らしてもしょうがないので、早速話を続けることにいたしましょう。

皆さん、心して聞いて下さい。

 

 

でー、まず次の話の前提条件として最初に確認しておきますが、

今まで俺が述べた話をおさらいしますと、

つまり普段は「価値のないもの。とるに足らぬもの」という意味として使われている

「屁のようなもの」というこの言葉は、それが臭さに関する話に使われたときに限っては、

「ものすごくクサイ」という意味で使われているという事になるわけです。

まずここまでは理解していただけたと思います。

 

 

 

 

 

ところが……、ところがなんですよ……。

 

 

 

 

 

そう……。臭さに関する話題に限っては「ものすごくクサイ」という意味として使われる、

この「屁のようなもの」というこの言葉ですが、だがしかし。

 

では次のような文章で使ってみたらその意味はどうなってしまうでしょうか?

そう、その文章とはこれなんです……。

 

 

 

 

 

「ヤツの体臭なんて、ウンコのような体臭のあの男に比べたら、

屁のようなものさ……」

 

 

 

 

 

って、これそれほど臭くないってことじゃないですか!

 

 

 

そうっ! 俺が今回さらに発見した大発見とは、これのことなんですっ!

 

そう、つまりこの臭さに関する話に使った場合に限っては、特例的に「ものすごくクサイ」

って意味になるはずだったこの「屁のようなもの」という言葉がですねえ……、

この「ウンコのような」という修飾語と同一の文章で使われた場合

に限っては、それが本来の意味の「価値のないもの、とるに足らぬもの」

という意味に戻ってしまうということなんですよ。

スゴーイ! ビックリ! 大はっけーん!

 

 

 

……って、いや〜、もうね。

これ驚きませんか? この発見にはもう、ビビりませんですか?

 

 

そう、だってさー、その限定された状況下では絶対無敵の力を誇っていたあのヤツが、

一瞬にしてその力を全て失ってしまうわけじゃないですか。

 

そう、それまで「この状況下ではヤツには勝てない!」って絶対視されていたこの言葉が、

一瞬にして「えっ? それって大したこと無いじゃん!」に転身するその一瞬!

 

そう、例えて言うならば、

「水中戦では無敵のスタンドの前に、水を凍らせる能力のスタンドが登場!」 というか、

「水戸黄門が印籠を見せていたら、そこに暴れん坊将軍が登場!」 というかさー、

このほんの一場面においては絶大な威力を発揮しておきながら、

それがさらに限定された一場面においてはそれが無効化されてしまう、

この「屁のようなもの」という言葉は、ホントすごいと思ったわけなんですよ。

 

もうこんな言葉は他にはないんじゃないでしょうかねえ?

まさに衝撃のビックリ大発見ですよー。

 

 

 

 

 

 

……つーわけで、今回の俺の考察はいかがだったでしょうか?

 

 

 

これからも皆さんが長い人生を生きていく間には、この超限定された状況で

「屁のようなもの」という言葉を使うことがあるかもしれません。

 

その時にはぜひ今回の話を思い出して、日本語を正しい用法で使うようにいたしましょう。

ホント、日本語とは奥の深い言語だと改めて思い知らされてしまいましたね。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

って、まあ実際はこんな俺の考察自体が「屁のようなもの」という気もしますが。

 

 

つーか、この限定された状況っていつ出会えるんだろう。

つーか、そもそもそんな状況出会いたくないし

 

 

 

 

 

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