ゲームが1本100万円だったあの頃

 

 

 

 

 

あーもうまったくねえ……、月日の経つのは速いものでして、

ちょっと前に8月に入ったかと思えば、この8月ももう終わり。

つまり今年の夏休みももう終わりという状況になっていたりするわけじゃないですか。

 

つーわけでね。ウチの8月9日の日記でも書いたとおり、今年の夏は夏休みらしく、

俺ももっと遊ばなきゃなあ、なんて思いながらこの8月を過ごしていたんですけど、

そんなことを考えていたらですねえ……、ついつい昔の、

そう、まだ自分が中学生くらいだった頃のことを思い返してしまったんですよね。

 

そう……、あの頃の俺は、今の自分の生活に比べて何もなかったけど、

充実した毎日を送っていたなあなんてね……。

 

 

 

……って、そんなことをつい考えてしまう自分の年寄り臭さがイヤでイヤでしょうがないんですが、それはともかくとして、そうやっぱねえ……、あの頃の自分が今と比べて圧倒的に違っていたのは、やはり財力の低さ

もうこれにつきるわけですよね。

 

そう、俺が中学生の頃の毎月のお小遣いの金額といえば「月に1000円」だったんですけど、でもこれ今の自分の生活から考えるとさー、もうとんでもなく赤貧な状況だったわけですよね。

もちろん当時はまあ、それで普通に問題なく生活していたわけですが。

 

そう……、そう言えば思い返すと俺、あの頃は自分のお金で缶ジュースとか買ったことなかったでしたからね。

ジュースなんて、友達の家でごちそうになる以外では飲めないものでしたからね。

だって、そんなの買えるわけないでしょうよ。

だって缶ジュースといえば100円だよ、100円。

当時の俺のお小遣いの10分の1という大金じゃないですか〜。

 

 

……と、ここでちょっと数学的分析を行ってみますけど、そう実は今現在の俺は、日々の労働により、まあ毎月月収として四捨五入して約20万円ほどの収入を得ているわけなんですね。

でー、それに対して俺が中学生だった当時の小遣いは1000円。

つまり月収1000円だったわけですよ。

 

そしてその月収に対して缶ジュースの値段は100円だったわけですから、これはつまり俺が中学生の頃は「1000円の月収に対し、缶ジュースの値段は100円」という、つまり「月収の10分の1が缶ジュースの値段」という比率になっていたわけです。

 

そしてその比率を現在の月収である20万円に当てはめて、「現在の月収から見た、当時の俺にとっての缶ジュースの価格」ってのを割り出してみることにいたしますと、え〜っと当時は月収の10分の1が缶ジュースの値段だったわけだから、そこから算出される月収20万円の場合のジュースの値段とはつまり……、

 

 

 

缶ジュース1本2万円

 

 

 

うおおおーー!買えねーーーっ!

もう何コレ? こんなの買えるわけがない!

 

ああ、そうだよ。そりゃ買えるわけねえさ。

だって一本2万円だもの。ジュース一本2万だもの。

一体どこのぼったくりバーですか、それは?

 

最近「あの当時は、どうしてジュース一本すら飲めなかったんだろう?」とか思ってたけどさー、こうしてみれば一目瞭然じゃん!

あの当時の俺から見たら、ジュースは一本2万円という超高級品だったわけですからね。

そう考えれば、あの頃ジュースを買わなかった俺の判断は正しかった。そう、正しかったさ!

 

 

 

そしてあとさらに分析してみると、俺が中高生の頃はどこに出かけるのも自転車だったんですよね。

もう電車なんか乗らずにひたすら自転車。「池袋」だろうが「新宿」だろうが「秋葉原」だろうがどこでも自転車。

わずか往復500円ぐらいの電車賃を節約するために、数時間かけて自転車で行ったものなのさー。

 

 

……って、これも一瞬「たかが500円くらいのために、そこまで俺はしてたのか。バカだな」とか思ったこともあったけど、これも現在の月収に換算してみたら、もう超納得しましたね。

だってそう。「1000円の月収に対する、電車賃500円」って比率、つまり「月収の2分の1が電車賃」ってのを、現在の「月収20万円」に換算してみるとつまり……、

 

 

 

電車賃10万円

 

 

 

うおおおーー!無理無理! 絶対電車なんて乗れねーーーっ!

もう何ですか、このお値段は?

これだけのお金があれば電車どころか、飛行機で海外とかにも行けるじゃないですか。

もう、台湾グルメツアーとかに行けるじゃないですかーっ!

 

 

……って、もうね。皆さんも考えてみてくださいよ。

本来なら10万円かかる台湾グルメツアーが、もし自転車で数時間かけて行ったのならタダになるってことならば、もう誰だって自転車で行くでしょう。大喜びで自転車で出かけることでしょうよ。

そりゃ電車なんて乗るわけねーじゃないですか!

 

 

 

あともうヤバイのが、ゲームソフトのお値段。これですよね。

当時の「月収1000円に対し、ゲームソフト一本約5000円」という比率を、「月収20万円」の大人レートの場合に換算してみたなら、もうヤバイ。

そう、そのゲームソフト一本のお値段とはすなわち……、

 

 

 

ゲームソフト一本100万円

 

 

 

ひゃ、ひゃ、ひゃっ、ひゃくまんえん! ゲーム一本ひゃくまんえん!

うがががが…、もう何このお値段……。もう一体何なんですか、このお値段は……。

 

そりゃ買えねーわ。そりゃゲームソフトなんて買えるわけねーわ。

誕生日とかクリスマスとかのボーナスでもなきゃ、そりゃゲームソフトなんて買えるわけねーわな。

 

 

……つーかさー、こんな100万円もするゲームソフトを何とかして手に入れたなら、

そりゃクソゲーとか言ってる場合じゃねえよな

 

そりゃそんなこと言わないって。そりゃひたすらやり込むって。ひたすらいいところを探すって。

例えばファミコンの「いっき」なんかで、

「竹やりを取ったら弱くなるなんてクソだ!」とか言ってる暇があったら、

「竹やりでどこまで敵を倒せるか」とかやって楽しむって。

そりゃ100万円もするなら、そうするでしょうよ。

 

 

 

 

しかしそれにしてもねえ……、こうして考えていくと、今の俺の生活が、

世界をいかに薄めているのかってのが分かるってもんですよね。

 

そう、今の俺は世界を薄めているのよ。

中学生の頃はあれほど濃密だったこの世界を薄めちまってるのよ。

 

そう例えばだけど、今現在のゲームソフトの価格を約6000円とするならば、現在の俺にとってのゲームソフトの価格は、「月収20万円に対して、ゲームソフト6000円」って比率になるわけですよね。

 

そしてその比率を中学生の頃の月収である1000円に当てはめて考えると、

ゲームソフト一本の価格はなんと、わずか30円になってしまうんですよ。

 

そう、30円!

月収1000円に対し、ゲームソフトはたったのわずか30円!

もう何ですか? ビックリマンチョコのお値段ですか、それは!?

 

そう、つまり今の俺は、中学生の頃の俺がビックリマンチョコを買うぐらいの感覚でゲームソフトを買えるってわけなんですよね。

そりゃゲームたくさん買うっての! そりゃゲームの感動も薄まるってのよー!

 

 

 

……って、まあもちろん念のために言っておくけど、今現在の俺は実家で暮らしてるとはいえ月収の全てを小遣いとして使ってるわけじゃないから、この計算にも多少のズレはあるわけだけど、でもこの「世界を薄めている」って感覚は解っていただけたんじゃないかと思います。

 

そう……、俺たち大人は世界を薄めているわけですよ。

その財力で薄めちまってるわけですよ。

感動がなくなるほどにまで薄めちまってるわけですよ。

缶ジュース一本買うことすら一大イベントだったあの頃の感覚を失ってしまってるわけですよ。

 

 

そう……、なんつーかこれ、とても寂しいことですよね……。

なんつーか、とてもせつない気分になりますよね……。

 

俺も、自分が子供の頃のもっと濃密だった世界を、

ちょっと思い出してみようかなと思いました……。

 

 

 

 

 

 

……というわけで、先日はちょっと秋葉原まで行って、

ゲームソフトを4本ほど衝動買いしてしまいました。

 

 

 

……って、「それのどこが『というわけで』なんだよ!

 さっきと言ってること全然違うじゃねーかよ!」とか思うかもしれないけど、

いやだってさー、大人だもん!

あの頃と違って財力のある大人だもんよ!(開き直った)

 

 

つーかさー…、ゲームソフト一本が俺にとってはビックリマンチョコの価格ってんなら、

そりゃあゲーム買わなきゃね

そりゃあゲームソフトぐらいバンバン買うっての。

ヒャッハーー! ゲームもっと買うぜ、買うぜー!

 

 

 

 

……と、そんなわけで、俺はダメな大人なのです。ダメな大人買い野郎なのです。

そう、とてもじゃないけど、子供の頃のあの自分には、もう戻れないのですよ……。

 

 

 

ああ僕は どうして大人になるんだろう〜

(作詞:武田鉄矢「少年期」より)

 

 

 

 

 

 

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