ピーター・ジャクソン監督版「キングコング」の意外な真実
1月のことなんですが、映画のチケットが安く手に入ったので、
ピータージャクソン監督版「キングコング」を見てきました。
いや〜、なかなか面白い映画でしたよ〜。
この映画、上映時間が188分という実に3時間オーバーの長大な映画であったにもかかわらず、全く飽きさせない展開の連続で、ホント最後まで楽しく見ることが出来ましたよ。
さすがは「ロード・オブ・ザ・リング」で名を馳せた、あのピータージャクソンが監督しただけのことはあるというところでしょうか。
……って、そうそう。
そのピータージャクソン監督といえば、雑誌で読んで知ったんだけど、
なんでも彼は、1933年に作られた一番最初の「キングコング」、
いわゆる「ファーストコング」の絶大なファンらしく、あの映画こそが、
自分が映画監督を志すきっかけとなった映画だとまで言っているらしいんですよね。
そんなわけだから、当然彼も今回のリメイク版の製作には超絶に力を入れておりまして、なんでもこの映画には、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のすべて合わせた数を超える特殊メイクが使われているらしく、そのため製作費も約250億円(2億700万ドル)という巨額の費用が投じられているらしいんですよね。
しかもその上、このピータージャクソン監督はさー、
なんと彼自らが、足りない製作費の一部を自腹を切って負担したってことらしいんですよね。
もう無茶すぎだよ、ピータージャクソン!
しかも言うまでもないけど、その「自腹を切って負担」って言ったって、
それ10万円や20万円じゃないでしょうからね。
つーか、そんな金額じゃ無理だって!
つーか、それっぽっちじゃ、コングの腕毛1本分にもならなそうだもの。
もうとにかく、それくらいの大金を自腹を切って負担しているわけですよ。
もう、それぐらいスケールがバカでかい!
それだけに、この映画の映像とアクションシーンの迫力は、かなりものでしたね。
これなら大スクリーンの映画館で見た甲斐があったというものです。
ホントとても面白かったですよ〜。
と言いながらもですねえ……、やはりそれと同時に、
ツッコミどころも多数備えている映画であるのも事実なわけなんですがー。
そんなわけで今日はその「キングコング」の感想でも書いてみようかと思います。
まあ念のため言っておきますが、ネタバレありです。
しかも、いつもより余計にネタバレしております。
つーわけなので、これからこの映画を見ようという人は、注意していただけたらと思います。
……って、まあ一応は前置きしておきましたけどね。
まあそうは言ったところで、ぶちゃけこの映画は、いわゆる「キングコング」なわけで。
しかも今回のは、原点である「ファーストコング」のリメイクってことなので、
「巨大ゴリラの『キングコング』がニューヨークの街で大暴れし、
美女を手に持ってエンパイアステートビルの屋上まで登って云々……」
ってあたりのストーリーは、
「宮本武蔵vs佐々木小次郎」ばりに有名なんじゃないかとも思いますけども、
ただそこに至るまでのストーリーは俺もよく知らなかったので、結構驚きの連続でしたよ。
そう、まず物語は、主人公たち映画撮影隊が地図にも載ってない未開の島である、
「ドクロ島(スカルアイランド)」に船で映画の撮影に行くところから始まるんだけど、
もうこのドクロ島がねえ……、もうとにかくヤバイの!
もうどのくらいヤバイって言うなら、もし例えばだけどさー、
この俺がこの「ドクロ島」と「魔界村」のどちらかに行かねばならないとするならば、
俺は間違いなく「魔界村」を選びます。
もうそれぐらい、このドクロ島はヤバイのよ! もうヤバイんだって!
だってさー、恐竜とかいるのよ!恐竜!
あの最強の肉食恐竜である「ティラノサウルス」とか普通に出てくるのよ!
そしてさらに出てくるのが、巨大昆虫軍団!
巨大ムカデやら巨大蜂なんかが大挙をなして襲ってくる!
もうね、ホントにヤバイ!
俺がこんな島に行ったら、スペランカー並の速さで死ねますよ。
もうそれぐらいとんでもなく恐ろしい島なわけなんですよ、このドクロ島というのはー!
そしてそんな恐怖のドクロ島にいる恐ろしい動物の一つというのが、
この映画のタイトルにして主役の巨大ゴリラ「キングコング」なわけなんですが、
ただまあ、この場でハッキリとぶっちゃけて言うならねー……、
この島においてこのキングコングが一番普通です。
だって、ただのでかいゴリラですからね。
そう、恐竜とか巨大昆虫軍団みたいなヤバイ怖さは全然ないわけですよ。
もうドラクエのモンスターで言うなら、「あばれザル」みたいな存在ですから。
しかもさらに言えば、「ファーストコング」においてのキングコングというのは、
その人形造形の不細工さ故に「ゴリラ以外の何か」に見えてきて、
不気味に恐かったりしたんですけど、ただ今回のは、CG技術が素晴らしすぎたため、
あまりにもゴリラゴリラしすぎて、結局ただのゴリラにしか見えません。
もうホントに普通。外見的にはこの島で一番普通なヤツですよ。
そしてさらに言うならねー……、
おそらくコングは性格的にもこの島一番の常識人です。
だってほらさー、ゴリラならなんとか人間と打ち解けられそうじゃん。
実際ヒロインは打ち解けてたしね。
でも恐竜とか昆虫軍団とかはさー、アイツらはもう絶対無理だもんね。
明らかに交渉とか出来そうにないもの。
そしてこの島において、交渉とかが一番絶望的な存在が「原住民」。
そう!もうね、ヤバイの!原住民が!
まず会話とか全く出来ないし、食べ物とかを使って関心を引こうとしても、
身がまえるより早く攻撃してくる。
もう「我々と同じ人間でありながらモンスター的存在」という、
ドラクエの「くびかりぞく」的ポジションですもん。
もう明らかに、この島で一番恐いのが原住民なんですよ!
そう……。
この「キングコング」というのはモンスター映画であるにもかかわらず、
「最終的に一番恐いのは人間」という、エヴァの戦略自衛隊みたいなことになちゃってる。
えっ?キングコングってそんな映画だったっけ!?
……って、まあそんなこんながありながらも、最終的にそんな恐怖のドクロ島から、
そのキングコングを捕獲してくることになるわけですよ。
そして、アメリカのブロードウェイの見せ物小屋で、
「世界第8の不思議!
キングコング!!」
などと言いながら見せ物にしちゃうわけなんですが、
まあぶっちゃけて言うなら、あの島にはそれなんかよりもっとスゴイ
「第9の不思議」や「第10の不思議」がいましたけどね。
つーか、コングが一番普通だし。
俺だったら、小さくてもいいから恐竜を連れて帰りたいところですが。
そしてそのショーの最中にコングが逃走! そしてヒロインと再会。
そしてヒロインと楽しいひとときを過ごしたりしつつも、最終的にコングは軍隊に追われヒロインを連れてエンパイアステートビルの屋上まで登り、そして飛行機の攻撃によって……。
というお話なわけです。
終盤の展開は、なかなか悲しいものがありましたねえ……。
……と、そんな感じでわりと感動しつつ終盤のシーンを見ていたわけなんですが、
あの映画を見た後にネットで「キングコング」に関する情報を探していますと、
なんでもこの映画の上映前に監督のピータージャクソンは、
「なぜ今『キングコング』を撮るのか?」と問われたときに、
「答えはラストの9分間に詰まっている」と語ったらしいんですよね。
う〜ん、ラスト9分に何かあったっけ?
ラスト9分と言えば、ホントに最後の最後の部分だよなあ……。
そんなところにあった衝撃的なシーンと言えばー……、
あっ! あれのことかーーっ!
そう……、この映画のラストでコングは、ヒロインの目の前で戦闘機に撃たれて死に、
ビルから下に落ちてしまうわけなんですが、その直後にねー……、
なんとヒロインは、彼女を助けるためにビルの屋上までやって来た
メインの男キャラと抱き合ってしまうわけなんですよね。
そう、もう俺はそのシーン見たときさー、
「えっ? コングのことはもういいの?」って思いましたよ。
だってキングコングはさー、男気番長なわけじゃん。
実際ドクロ島でも、コングは恐竜からヒロインを何度も助けているし、
このビルの屋上でもコングは落ちそうになったヒロインを助けているわけです。
つまり、ヒロインにとってコングは命の恩人じゃないですか。
そしてそこまでヒロインを助けたのは、何よりコングがヒロインに惚れていたからだし、
そしてだからこそ、見せ物小屋から脱走までして、コングはヒロインに会いに行ったわけじゃないですか。
それだってーのにねえ……、
その一方のヒロインは、コングが死んでも泣き叫ぶことすらしやしねえ。
「ビルから落ちてしまったコングを愛おしげに眺める」とかそういう行動も、無いの。
まさにノーリアクション。
もう、ペットのチワワが死んだときだって、もうちょっとマシなリアクションすんじゃねーの、普通?
そしてその挙げ句に、他の男キャラとの熱い抱擁ですよ。
そう、さっきまでコングと濃密な時間を過ごした、まさにその場所で。
うおおーーー! なんて哀れなのだキングコングよーーっ!
そうか……。解ったよピータージャクソン……。
アンタがこの映画をリメイクしてまで伝えたかったメッセージというのが、理解できたぜ……。
そう……、アンタはこう言いたかったんだよな……。
ゴリラ(ブ男)も美女には惚れる。
だけど美女はゴリラ(ブ男)に惚れない。
これが言いたかったのかーーっ! ピータージャクソンッ!
この熱くも辛辣なメッセージを伝えるために、この映画をリメイクしたというのかーーっ!
そう、たまにこの映画の感想書いてるブログとかを見てみると、
「コングとヒロインの種を越えた愛を描いた作品」とか言ってるヤツいるけど、
アンタらなんにも解っちゃいねえよ!
ピータージャクソンのこのメッセージが、何にも解っちゃいねえんだよ!
そう、ピータージャクソンは「それは幻想だ!」とハッキリ言っているんだよーーっ!
「そりゃピータージャクソンもダイエットするわ」と思いました。