大誘拐

第1話 華麗なる誘拐

  ツボ:アニキ〜、本当に誘拐なんてやるんっすか〜?
  ドツ:ガタガタ言ってねえで、実行あるのみだ!
     俺達のような傭兵くずれがまっとうに生きていけるような世の中じゃねえんだからな。
  ツボ:戦場を脱兎のごとく駆け回っていた頃が懐かしいっすね。
  ドツ:脱兎かよ。まぁ、俺達兄弟は戦場ではスペシャリストだったからな。
  ツボ:負け無しっすからね。
  ドツ:世の中平和になっちまって、俺達にとっても不況ってわけだな。
  ツボ:天職なくして転職ってわけっすか。
  ドツ:ばか野郎。転職する気はねえよ。ただ、今日を生きる金を稼がにゃならん。
  ツボ:手っ取り早く強盗でもしましょうよ。
  ドツ:美しくねえんだよ、仮にも戦場で恐れられた俺達が強盗なんて野蛮な事ができるか!
     最終的に全く痕跡を残さず金を手に入れるんだ。カタギで有名になるわけにはいかん。
  ツボ:さすがアニキ。美学っすねえ。
  ドツ:おい見ろ。あのガキにしよう。
  ツボ:ドキドキっすよ〜。
  ドツ:まず周りに誰もいないか確認するんだ。
  ツボ:ういっす!
     あ!見て下さい、アニキ!び、美人がいますぜぇ!!
  ドツ:おおう!こりゃスゴイな!
  ツボ:地獄に仏ってヤツっすよー!
  ドツ:それはよくわからんが、確かに美人だなぁ。
  ツボ:うひひひ、さらうのはアッチにしますかぁ。
  ドツ:ははは、でも俺たちゃ硬派を貫かないといかんだろう。
     それにしても、ベッピンってやつだなぁ〜。

      ってうお!ガキがいねえ!
  ツボ:ありゃりゃ?
  ドツ:ありゃりゃ?じゃねえ!お前のせいで見失っただろ!
  ツボ:アニキだってノリノリだったじゃないですかぁ〜。
 警察官:おい、女性をジロジロみてた変質者というのは君たちか?
  ドツ:ぎゃ!
  ツボ:おい!俺達を誰だと思ってやがるんだ!
 警察官:話は交番で聞こう。
  ドツ:バカ、オカミに逆らうんじゃねえ!逃げるぞ!
  ツボ:ういっす!!

     ピューー!!

 警察官:こら!まてぇ!!!

  ドツ:はぁはぁ・・・。どうにかまいたようだな。なんてデンジャラスな生活だ。
  ツボ:ここならひとけもないし、安心っすねえ。はぁはぁ。
  ドツ:ああ、思わず脱兎を実戦しちまったぜ・・。ふぅーー。

 あちゃ:じーーーーーー。
  ドツ:うお!
 あちゃ:にこっ。
  ドツ:に、にこっ!
 あちゃ:楽しそうだねぇ。
  ドツ:楽しくねえ!
 あちゃ:オニごっこはおわっちゃったの?
  ツボ:ああ、終わったんだよ。あぶないところだった。
 あちゃ:ふーん、でもオニの人まださがしてるよ。
     おーい、おまわりさーーん!
  ドツ:おい、こら!!やめろっ!

     とっさにあちゃを押さえこみ、路地に連れ込むドツ

 あちゃ:むぐぐぐぐぐ・・・

  ドツ:お嬢ちゃん、おとなしくしてくれよ。
 あちゃ:(こくこく)
  ドツ:よしよし、いい子だ。
  ツボ:アニキ、ちょうどよくないっすか?この子にしましょう。
  ドツ:おおう、そうだな。

     懐からヴァリスタを取り出しあちゃに向けるドツ

  ドツ:おじさん達はな、誘拐をしようとしてるのさ。
 あちゃ:そういえば子泣きじじいににてるね。
  ドツ:妖怪じゃねえ!
  ツボ:子泣きじじい・・・ぷぷぷ。
  ドツ:笑ってんな!お前も顔はそう違わないだろ!
  ツボ:む!!はっきり言って俺の方が色男っすよー!
  ドツ:エロ男の間違いだろう。
  ツボ:うぎゃー!さすがアニキ、一本とられたっすぅ〜!
 あちゃ:あはははは
  ドツ:む、話を戻すぞ。
 あちゃ:子泣きじじいに?
  ドツ:違う!あまり俺達をナメてもらっちゃ困るぞ。
  ツボ:そうだぞ!俺たちゃ意外とスゴイおじさん達なんだ。
 あちゃ:お笑い芸人さん?
  ドツ:違う!!
     戦場では悪魔と言われた傭兵だぞ。
 あちゃ:?????
  ツボ:つまり、強い軍人さんっていうことさ。
 あちゃ:ふーーん
  ドツ:泣く子も黙る「ドツボブラザーズ」とは俺達のことだ!
 あちゃ:芸名はイマイチだね。
  ドツ:だから芸人じゃねぇぇぇぇぇ〜〜!!
  ツボ:まぁまぁ、アニキ落ち着いて・・。
  ドツ:そ、そうだな・・、戦場では冷静さを失うこと即、死を意味するからな・・。
  ツボ:アニキがいつもうるさく言ってることですよねえ。
  ドツ:うるさくっていうな。俺もヤキがまわったかな。戦場を離れるとどうも勘がニブっちまう・・・。
 あちゃ:だいじょうぶ、充分おもしろいよ!
  ドツ:・・・・!
  ツボ:ほら、落ち着かないと・・・。
  ドツ:ムキィーー!!
  ツボ:いたい!いたいっすよアニキ!
 あちゃ:あはははは!

 こちゃ:ねえちゃんなにやってるの?
 あちゃ:やっほー、こちゃ。おもしろいマンザイやってるよー!
  ドツ:うお!増えた!しかも漫才じゃねえ!
 こちゃ:このおじさん達は誰?
 あちゃ:えっと・・・ウツボだっけ?
  ドツ:違う!絶対わざと間違ってるだろ!

     ヴァリスタをこちゃに向け直すドツ

  ドツ:し、仕方ない、お前も一緒に誘拐してやる。姉弟揃った方が寂しくなかろう。
 こちゃ:その銃の構え方・・・ただものじゃありませんね?
  ドツ:・・ふ、お前は少しものわかりがいいようだな。
  ツボ:俺たちゃ泣く子も黙る「ドツボブラザーズ」だ!
 こちゃ:ふっ
  ツボ:うわ!鼻で笑われましたよ!アニキ!
  ドツ:この俺達が鼻で笑われてしまうとはな・・・。
 あちゃ:爆笑がほしいんだよね。
  ドツ:ウケをねらってるわけじゃねえ!!
     おいツボ!車まわしてこい!
  ツボ:ういっす!
 こちゃ:僕たちをどうするんですか?
  ドツ:誘拐して身代金を要求するんだ。とりあえず俺達のアジトに行くぞ。
 あちゃ:アジトってなぁに?
  ドツ:秘密基地みたいなものだな。
 あちゃ:わーーい!おやつはいくらまで??
  ドツ:遠足じゃないからな。おやつはナシだ。
  ツボ:車まわしましたッス。
  ドツ:二人をしばれ。

    二人は縛られ、車に乗せられてしまいました。・・・・2話へつづく

  

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