大誘拐
プシューー・・・モクヒョウチテン、トウチャク。
コレヨリ、ミッションニハイリマス。
・・・・・・・・・・・・
あちゃ:zzz・・・
ツボ:・・・幸せそうな顔して寝ちゃってますねえ。
ドツ:ふ、すっかりリラックスしやがって。
おい、ツボ!ぼんやりしてねえで毛布でもかけてやんな!
ツボ:ういっす!
ドツ:ここはお昼寝するには寒すぎるからな。
こちゃ:ねえ、おじさんたち。もうこんなことやめて下さいよ。
ドツ:お、こっちはビビって命乞いか?
こちゃ:そうじゃなくて・・・。
おじさんたち、根はいい人たちみたいだから、もう危険な目には合わせたくないんですよ。
ツボ:俺達が危険な目に!?ははは!
ドツ:俺達になんの危険もないだろ。あとは金をいただいてトンズラだ。
料金は百万メセタに達していなくても、まぁ許してやるさ。
お?そろそろ時間だな。
こちゃ:・・・・・!
ガシャーーン・・・ガシャーーーン・・・・
ドツ:ん?何の音だ?
こちゃ:あーぁ、来ちゃった・・・。
ガララララッ
アール:プシューーー。モクヒョウハッケン。
アチャサマ、コチャサマノ、ケンコウジョウタイニイジョウナシ。
サクセンハ、2ダンカイニワケテ、スイコウシマス。
こちゃ:おじさん達、逃げた方がいいですよ。絶対。
ドツ:なんでだよ!あれはなんだ?
こちゃ:えっと・・、うちのお手伝いロボットです。
アール:アールトオヨビクダサイ。
ツボ:お手伝いロボット!ははは!随分かわいらしいッスね、アニキ!
ドツ:ははは、あとでふんづかまえて、売り飛ばしちまおうか!
おいお前!金は持ってきたんだろうな!
持ってきたジュラルミンケースを床に置き、開け始めるアール。
ツボ:おお、なかなか聞き分けがいいッスね、アニキ!
ドツ:なかなかの高性能ってか!
おい、百万メセタは集まったか!
アール:ヒャクマンメセタ?ナンノコトデス?プログラムニアリマセンガ。
ケースの中から何かを出し、組み立てているアール。
ドツ:おい!金を持ってきたんだろうが!ぐずぐずしてると人質をぶっ殺すぞ!
こちゃにヴァリスタを向けるドツ
アール:コンカイノミッションハ
1・アチャサマ、コチャサマノキュウシュツ。
2・ユウカイハンノ、センメツ。
イジョウデス。・・・ジュンビカンリョウ。
組み立てが終了し、こちらに向き直るアール。
ツボ:げっ!!あれは、バランゾランチャーっすよ!アニキ!
ドツ:うお!!でかっ!!ば、ばか!こっち向けるな!!
こちゃ:あれはただのバランゾランチャーじゃありませんよ。
核融合エネルギーでカスタムアップした特製品です。
攻撃範囲自体は5メートル四方に抑えられているものの、着弾点はもとより、その弾道にさえ500年は生物の住めない不毛の地と化す代物です。
ドツ:なんつー危険なお手伝いロボだ。
こちゃ:アールに出会った人は、みなそう言います。
アール:エネルギージュウテンカイシ。ハッシャ15ビョウマエ。
ドツ:ぎゃ!お、おい!そのまま撃ったらこの子たちも巻き込むだろうが!!
アール:カウントダウンカイシ。10・・9・・
ツボ:聞いてないみたいッスよ!
ドツ:むう!!
アール:5・・4・・3・・
ドツ:ちっ!おいロボット!俺達はこっちだ!!
とっさに二人から離れるドツボブラザーズ
すぐさま、彼らに標準を合わせ直すアール
アール:2・・1・・ハッシャ!
ドツボ:うあぁぁぁぁぁぁ
こちゃ:おじさーーん!!!
アール:カチッ、カチッ、・・・・???
ドツ:・・・ん?
ツボ:へ・・?
アール:トラブルハッセイ。タダチニカイケツシマス。
きちっと正座してランチャーの修理を始めるアール。
ドツ:・・・ふ、なにかトラブってるみたいだぞ!おいツボ!
ツボ:へい!
ドツ:久々に血が騒ぐじゃねえか。いっちょヤルぜ!
ツボ:おう!!
こちゃ:おじさん!もうこれ以上アールに関わらないで、降参して!
ドツ:ふ、すまんなボウズ、これでも俺たちゃ数々の死線をくぐりぬけてきた傭兵だ。
お前には悪いが、あのロボットはバラさせてもらうぜ。
こちゃ:でも!
ドツ:縛ったりしてスマンな。縄は解いてやる。
こちゃ:・・・・・・
ドツ:ここからは軍人の誇りをかけた戦いだ。誰にも邪魔はさせん。
ツボ:へへ、俺達は軍用のアンドロイドだって200体はスクラップにしてるんだ。チョロいね。
ドツ:そういうこった。金は手に入らなかったが、あのロボの部品はいただきだ。
久々にアレやるぞ、ツボ!
背後の木箱からランチャーを2つ取り出し、1つづつ構えるとものすごいスピードで左右に散るドツボブラザーズ。
こちゃ:あれは10連装ランチャー「ヘルラッピー」!
あの武器を持ったままあんな動きができるなんて、おじさんたち本物だったんだ・・。
ドツ:いくぜ!俺らの必殺技「ドツボスクリィィィムッ!!」
ツボ:うぉぉりゃぁぁ〜!!
アールの左右両翼から閃光のような多数のミサイルが浴びせられた。
ズドドドドドドド、ドカドカドカドドドカカカカ!!!!!
ズドーーーーン・・・・・・
ドツ:ジ・エンドだ。
アール:プシューー。コウゲキヲウケマシタ。ケイ16パツヒダン。ダメージ2.4%。
コウゲキモトハ、サユウニソレゾレ18.6メートルチテン。
ツボ:うわ!ほとんど無傷っすよ!アニキ!
ドツ:どうなってやがる・・・。俺達の最高の技だぞ・・・。
こちゃ:おじさん、逃げて〜!!
ドツ:ふ、今の攻撃で奴はランチャーを手放している。砲撃が効かないなら伝説の傭兵の肉弾戦を見せてやるさ!
ツボ:しかし、ヤツの頑丈さは異常ッスよ!
ドツ:ボディではなく、ツナギ部分を攻めるぞ!ブラザーコンビネーションCだ!
ツボ:ういっす!
次の瞬間ドツは、両手にダガーを構え、猛スピードで正面からアールに突っ込む。
目の前まで来た瞬間真上に飛ぶドツ。アールは思わず上を向いた。
ツボ:ふふ、獲ったッス!
いつのまにかアールの背後に回っていたツボがアールの喉を一閃した。
アール:ガガガ・・・バチッ、バチッ!プシューー。
ドツ:やった!
こちゃ:ア、アール・・・。
アール:ピピピ・・・ヒガイジョウキョウスキャン。
タダイマノコウゲキデ、5ツノキノウガ、シヨウフカデス・・・。
ドツ:ふふ、もう動けまい。アンドロイドを相手にする時は頭脳からの命令を絶つのが定石だ。
ツボ:人間と同じ急所ってわけッスね。
アール:シヨウフカキノウイチラン。
1・メザマシドケイキノウ
2・デンシレンジキノウ
3・カラオケモード
4・ジホウキノウ
5・ケンビキョウキノウ
ドツ:うお!!全然有利になってねえ!!
ツボ:特に5番目はほとんど意味ないッスね・・・。
こちゃ:目覚ましだけでも帰ったらすぐ直さないと・・・。
アール:ピーー!!ピーー!!ピーー!!
ドツ:うおっ!な、なんだ!?
アール:WARNING!WARNING!
こちゃ:うわ!!マズイ!
ドツ:ど、どうした!?
こちゃ:度重なる攻撃で完全に戦闘モードに入ってしまったようです。
アール:コウゲキモト、ロックオン。
フォトンレーザーニヨルコウゲキヲ、カイシシマス。
ツボ:ロックオン・・・。
こちゃ:まずいよ・・・。絶対逃げられない攻撃なんだ・・・。
ドツ:むぅ、無謀な喧嘩だったか・・・。
ツボ:万策尽きたッスね。
アールの目が赤くなって行く。
アール:ブゥゥーーン・・・ハッシャ!!
ドツボ:!!!!!!
こちゃ:まって!!
とっさに駆け出し、アールの頭に飛びつくこちゃ。
アール:コチャサマ、ハッシャ0.021ビョウマエデシタ。
キケンナコトハ、オヤメクダサイ。
こちゃ:もういいんだ、アール
アール:ミッションコンプリート
ドツ:ボウズ・・・・。
・・・・・・・・・
帰り道
こちゃ:ねえ、アール。バランゾランチャーは本気で撃つつもりだったの?
アール:ホントウハ、トラブルナンテアリマセンヨ。
ハンニンヲ、オフタリカラヒキハナスノガ、ネライデシタ。
こちゃ:でも、おじさんたちが僕らをかばってくれるって良く分かったねえ。
アール:カレラノシンパクスウ、コキュウスウナドヲブンセキシテ、セイシンジョウタイヲワリダシマシタ。ヨソウハンイナイノ、コウドウデス。
こちゃ:ふふ。っていうことは・・・、最後の僕の行動も予測済みって事かぁ。
アール:ハイ。ワタシノホントウノミッションハ、ダレモキズツケズ、ジタイヲシュウソクサセルコトデシタ。
こちゃ:ははは、全部アールの計算通りだね。さすがにかなわないや。
アール:タダヒトツ、ケイサンガイダッタノハ、ハンニンタチノセントウノウリョクガ、イガイニタカカッタコトデス。
こちゃ:確かに。さすがは「ドツボブラザーズ」だね。
アール:ネーミングニ、モンダイアリデス。
こちゃ:それにしても、ねえちゃんったらあんな騒ぎなのに全く起きないんだから・・・。
アールの背中で寝息を立てているあちゃ。
あちゃ:・・・おじさん、またあそぼうね・・・すやすや・・
・・・・・・・・・
廃工場
ツボ:ヒドイ目に遭いましたね、アニキ!
ドツ:うむ〜。
ツボ:やっぱし真面目に働けって事なんッスかねえ。
ドツ:ふ、俺達はこの道から外れられんさ。今回は相手が悪かったんだ。
ツボ:無敵のドツボブラザーズ、初めての敗北ッスよね。
ドツ:でもな、アイツらには色々教わったさ。軍人としても、人間としてもな。
ツボ:あれ?あの女の子の方、携帯忘れていっちまいましたね。
ドツ:そうか、後で警察にでも届けておいてやろう。住所、名前も書いてあるようだしな。
プルルルルルルル・・・
「チャッピーより」
ドツ:お、電話だ。姉貴からか。事情を話してワビを入れておくさ。
ピッ、もしもし??
先生:「やぁ、犯人諸君、元気かい?」
ドツ:き、貴様はイラつく教師!
先生:「その様子だと、相当ヒドイ目に遭ったようだなぁ」
ドツ:うっせぇ!!いい勝負だったんだ!
先生:「ふっ、威勢だけは満点花マルだ」
ドツ:むぅ、ドツボブラザーズをなめんじゃねええ!!
先生:「うぷぷぷぷぷ」
ドツ:笑うなぁぁぁぁぁ!!!
絶対許さねええ!リベンジだぁぁぁぁ!!
ツボ:そうこなくっちゃぁぁぁ!!!
おわり
向かいの建物の屋根に双眼鏡を持った男がたたずんでいた
謎の男:あのドツボ兄弟が手も足も出ないとは・・・面白いじゃないか・・・くくくく・・わーっはっはっは!
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