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ゴンドア大陸の南側に位置する、二大帝国に挟まれた大地、都市国家郡。この辺境の北側にある樹界に程近い街バキノ。ここにさまざまな運命によって導かれた7人の渡世人が集まった。 幻の[武繰]を使う槍使いセフィロス、剣士イーリス、そして少年剣士ゼロ。 神に仕え、[気]の力と色仕掛を得意とする修道士(?)阿修羅。 ゼノアと名乗る男からこの周辺の山賊団の調査を依頼された雇われ間者リーヌ。 山賊に襲われ父の形見の操兵を奪われた旅芸人一座の生き残りアリス。 王国を滅ぼされ国の守護操兵を奪われた元王子クサナギ。 この7人が旅商人のウラノ商会に用心棒としてそろって雇われたのはまさに「運命のいたずら」としか言い様がなかった。 ウラノ商会の主、ラクサル・ウラノにとって今回の旅は危険な賭けだった。遠回りとなる街道を避け、道は険しいが近道であるバキノ峡谷を抜ける。そのために彼は上記の7人と一人の操兵乗りおよび操兵を雇った。この谷に出没する山賊団[キャニオンハンターズ]対策の為にである。但し、一つ不安がある。雇った当初から態度の大きかった若い操兵乗りは、その実「只の一度も実戦を経験していない」ということだ。 出発してから二刻、峡谷に差しかかったときに不安は現実となった。谷底を進む商隊を挟み込むように両側の崖の上から10人程の鉄砲隊、さらに4機の操兵。頼みの操兵はガトリングガンの跳弾の音にパニックを起こし、何もできぬまま操手槽を貫かれて操手は絶命、結局全員が捕虜となった。ただ一人、巧みに隠れたリーヌを除いて……。 キャニオンハンターズは峡谷の中にある遺跡を隠れ家としていた。人のよさそうな中年の下っぱの話では、この遺跡の発掘を条件に謎の組織から物資や操兵の供給を受けているということだ。そうでなければこんな貧乏山賊がここまで武装化できるはずがない。 遺跡の中でクサナギとアリスは思いがけない再会を果たす。それぞれが奪われた操兵、ファルメス・グラーテとユニホーン・カムナがそろってここに運び込まれていたのだ。どうやら例の組織が供給したのだが合う仮面もなく持て余していたらしい。それもその筈、仮面はクサナギとアリスがそれぞれ自分たちで持っているのだから……。 一方、一人逃れたリーヌは遺跡の側まで忍び寄っていた。草木や岩場に隠れ、見張りの目を掻い潜って中に侵入、どこから出したのか黒い長衣に身を包んで山賊のリーダーに成り済まし、(徹底的に運よく)下っぱを騙くらかして全員の捕らえられている地下牢へと向かった。 そのころ地下牢では、商隊とは別に閉じ込められた六人が脱出のための行動を開始した。阿修羅の色仕掛で見張りを誘い、それをノして鍵と服を手に入れる。奪った服をクサナギに着せて入口の見張りをどうにかしようと試みた作戦はクサナギの王族訛でバレそうになるが、そこに現れたリーヌの協力で何とか成功し、全員が牢から脱出した。 人のよい中年の下っぱの協力で武装と仮面を取り戻した7人は、商隊を救出するセフィロス、ゼロ、阿修羅、リーヌの4人と操兵を取り戻すクサナギ、アリス、イーリスの三人に分かれた。救出組の4人は、迅速な攻撃でウラノ商会全員の確保に成功した。しかしその喜びもつかの間、クサナギたちとは反対方向から操兵の駆動音が聞こえてきた。 操兵組の方も首尾よく奪回に成功、それぞれがそれぞれの思いを込めて機体に仮面を装着した。 クサナギ「ファルメス・グラーテ……共に国の……みんなの敵をとろう!」 アリス「お願い……動いて……」 二体の操兵が蒸気を噴きながら立ち上がった。クサナギとアリスはそれぞれグラーテとカムナを操作してほかの操兵を使用不能にして外に出た。だが、そこに待っていたのはリーダーの乗る操兵[ギルダーム]とその足元に三人の部下。そしてもう一機。クサナギはその機体を見て衝撃を覚えた。[グラーテの谷]を滅ぼしたあの、鳥脚操兵がそこにいたのだ。 戦闘が始まった。鳥脚操兵に向かったグラーテをギルダームが迎え撃つ。が、その大袈裟な外見とは裏腹にグラーテの大太刀の一撃でその装甲が破壊され、貧相な機体が現れた。こいつはハリボテだ。クサナギはギルダームに背を向け、グラーテを鳥脚操兵に向かわせた。 一方、そのすぐ側でも白熱した戦闘が行われている。阿修羅は下っぱを片っ端からぶん殴り、イーリスは細剣使いのレイソンに斬りつける。セフィロスは一撃を食らいながらも長銃使いのスナイブを倒した。残るは三人のリーダー格、重装傭兵ルドラー。だが頑丈な鎖鎧と盾、そして強靱な生命力がゼロの攻撃を防ぐ。イーリスとセフィロスが加勢するが簡単には倒れない。と、その時物陰に隠れていたリーヌが飛び出してルドラーの鎧のない首元をねらって短剣を突き立て、致命的な一撃を与えた。そして三人の攻撃を受け、ルドラーは倒れた。 グラーテは鳥脚操兵に攻撃を加えるが決定的な打撃を与えることができない。だが鳥脚操兵の攻撃もまた、グラーテに装備された増加装甲を引っ掻くだけだ。 クサナギ「何故だ。そなたは何の目的で私の国を滅ぼした!答えろ!」 操手「生き残りがいたとはな……。あのお方の偉業に禍根を残すわけにはいかん。死んでもらうぞ!」 鳥脚操兵の両腕に装備された破砕鎚がグラーテを容赦なく襲う。だが、 クサナギ「今度はこちらにもあるんだ!」 クサナギはグラーテの左腕に装備された盾を敵に向けると、操手槽の左側にあるレバーを引いた。爆砕槍。盾に仕掛けられた二股の槍が蓄えられた蒸気の力で打ち出され、鳥脚操兵を貫き粉砕した。 ギルダームはカムナに戦いを挑み、そして敗北した。もともとスクラップの寄せ集め操兵がちゃんとした操兵に勝てる道理がなかった。 かくして7人、そしてウラノ商隊はなんとかフラウの街にたどり着くことが出来た。だが、油断は出来ない。キャニオンハンターのリーダー、そして鳥脚操兵の操手は逃亡したまま行方が知れないのだ。操手は逃走の際、クサナギにこう言い残していた。 「……この借りは必ず返す……。覚えていろ……」 クサナギヒコ・ディス・グラーテの旅、そして戦いはまだ始まったばかりだ……。 |