キャンペーン・リプレイ

第 八 話 「 偽 り の 亡 霊 退 治 」  平成10年8月9日(日)

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 戦闘が始まった。黒豹はそれぞれゼロ、イーリス、セフィロスに襲いかかる。闇に紛れた爪の斬撃は回避しづらく、三人を焦らせた。そこに鳥脚操兵リグがセフィロスに巨大な爪を振り下ろしてくる。それを間一髪でかわすセフィロス。その時カムナがようやく起動し、立ち上がってリグを引き受けた。
 ミオは、カムナ偽装のため荷車に詰まれていた藁束に火をつけた。荷車から炎が燃え上がり、辺りを照らす。その時、辺りを油断なく警戒していたファルスは謎の操兵と戦うグラーテに近づく男を見つけた。以前の砦の戦闘で取り逃がしたガンマン、バーンだった。バーンは、草陰に潜みグラーテを対操兵用銃で狙撃しようとしていた。
 ミオとファルスはバーンに銃撃した。もし対操兵用銃で装甲のないところを撃たれたら、いくらグラーテでもひとたまりもない。だが健闘むなしく、二人の攻撃を退けたバーンの銃はグラーテの右肩部駆動機を破壊した。これでグラーテの右腕は使用不能となった。
 一方、闇の中から攻撃してきた黒豹も荷車の炎で姿をさらされた。姿が見えればこっちのもの。三人は苦戦しながらも黒豹を倒した。そしてファルスに接敵されたバーンは、操兵銃を捨てて拳銃による抜き打ちを試みる。が、ファルスの剣の前にあえなく倒れた。
「よくもあたしのかわいい豹達を……!!」
 少し離れた崖の上に、一人の軽装の女性と一人の技師と思われる中年の男が立っていた。女は[獣使いラクーナ]と名乗った。どうやら先の黒豹の主人のようだ。そして男は[天才技師ギタン]と名乗る。ギタンはあの操兵は自分が作った、と自慢げに話した。
 ミオはラクーナに向かって狙撃を試みるが当たらない。そこにイーリスがラクーナに疾風の如く走り寄って斬りつけた。ラクーナはその攻撃を手にした小剣で一度は払うも二撃目を避け切れず、ただ一太刀で倒れた。その一瞬の出来事に凍りついたギタンはあっさり降伏した。
 そのころ、見届け人のはずのムワトロは情けない悲鳴を上げて逃げ去った……振りをした。そして岩陰に隠れて、戦闘の成り行きをじっと伺っていた。
「さて、あのグラーテとかいう操兵と我が軍の最新鋭機との戦い、じっくり見物させていただきましょうか。後はチャンスを見つけてギタンの奴と76式を……」
 操兵戦。グラーテとカムナは苦戦を強いられた。クサナギは右腕が使えないグラーテを必死に操っていた。相手の操兵は確かに高性能だが操手の腕はそれほどでもない。が、左手一本で戦うグラーテはやはり不利であった。
 アリスはリグと必死に戦っていた。先制で発射した蒸気弩は装甲で防がれ、大した打撃にならなかった。そこでカムナにリグの心肺器や右腕などの局所を狙わせるが命中せず、逆にリグの鋼鉄の爪の斬撃を受け大破。だが、起死回生の仮面割りが見事に決まり、リグは動きを止めた。そして乗っていた操兵乗りは投降した。
 クサナギは左腕の爆砕槍だけで謎の操兵と渡り合っていた。ミオの改造で連続使用が可能になっているのが功を奏したのだ。
「背中の筒で機体の熱を逃がしているならば、あるいは?!」
 クサナギは爆砕槍で、操兵の背中の筒を狙わせた。二股の槍は確実に筒を破壊する。そして筒を二本とも破壊された操兵は、クサナギの思った通り熱が排出できず、やがて機体を停止した。戦闘は終わった。謎の操兵の操手は特に抵抗もせずに機体から降りてきた。なんとその操手は、家出した宿屋の息子、ラッシュだった。呆気にとられる一行。彼は操縦の素質を見込まれてあの操兵の操手を任されたというのだ。
 だが、その時異変が起きた。カムナを壊したアリスをミオが怒鳴りつけ、他の一行がラッシュに気が向いて謎の操兵に注意が向いていなかったとき、突如その操兵が爆発炎上したのだ。そして、今度はそれに気が向いたとき、ギタンが突如倒れた。彼の額に銃弾が命中していた。何者かに狙撃されたらしい。
 その後、何も起きないことを確認した一行は、隠れていたムワトロと合流してやりきれない気持ちでライバに帰った。街についた一行は、捕らえた操手を詰め所に突き出し、ラッシュを竜の牙亭に送り届けた後、報告のためにラゾレの元を訪れた。
 一行の報告、そしてそれを証明するムロトワの証言を聞いたラゾレは大いに喜んだ。まさかこんなに早く解決するとは思わなかった、という。ラゾレは一行の活躍をたたえ、本来の報酬とは別に、彼らのために晩餐会を開いてくれる、という。一行はひとまず、疲れを癒すために宿へと戻った。 
 そして、一行が帰った後のラゾレの部屋では……。
ルシャーナ「で、正式な報告を聞こう。ムワトロ」
ムワトロ「とりあえず、76式は完全に破壊、逃亡していたギタンは始末しやした。でも、いいんですかい。ギタンはともかく、機体は回収しろ、と本国からは命令されていたはずじゃなかったんですかね?」
ルシャーナ「機密漏洩よりはマシだ。それに本国では、既に77式が完成しているというではないか。あれはもう、必要ない」
ラゾレ「申し訳ありませんな、参謀殿。貴殿にこのような役をさせてしまって」
ムワトロ「何、構いません。あたしはもともと、密偵の出身ですからね。しかし、本国も便利なものを作ってくれる。こんな小型の狙撃用単発銃、しかも分解式とは……」
ラゾレ「それで、本国への報告はいかに?」
ルシャーナ「報告書の内容は私が決める。作成が終わり次第、すぐに伝令を飛ばせ。それから、私はまだこの地にとどまる。ギタンが76式を売りつけようとした王朝結社とやらの正体も探らねばならん。それに私はあの者達が気に入った。この先、何度も会うことになろう。この都市国家郡で遠からず何かが起こる。とてつもなく大きな、何かが……。あの者達はおそらく、我々をその中心に、導いてくれるだろう」
ラゾレ「わかり申した。すべては、トランバキア帝国第四皇女、ルシャーナ殿下のご意志のままに……」