キャンペーン・リプレイ

第 二十話 「 竜 魔 王  最 後 の 挑 戦 」 平成11年11月3日(水)

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 クサナギはドラ・ログ・メーアを相手に苦戦していた。相手はケレンの操兵ではあったが装備は万全で、両腕の鉄斬爪、胴体部の粉砕牙などの武装、竜の首を形どった副腕、そして意外な耐久性の高さ……全て侮れぬものだった。
 それでも機動力ではエルグラーテが勝っていたはずだった。が、ここでもクサナギの不運ぶりが発揮され、つまらぬ操縦ミスで危機を招いた。それでもクサナギは必死で操縦し、それに答えるかのようにエルグラーテは大太刀の攻撃を繰り出した。が、相手の重装甲は簡単には破れず、逆にドラ・ログ・メーアの鉄斬爪がエルグラーテの装甲に亀裂を増やす。
 クサナギは逆転を計るためにエルグラーテの背部に搭載されたロケットモーターを使用して、相手の背後に回り込もうとした。が、ドラ・ログ・メーアの巧みな妨害によって阻止されてしまった。有利と判断したドラ・ログ・メーアが今度は竜の首をエルグラーテに突き出した。そして、セフィロスが見たあの、炎を吐き出したのだ!。が、炎はエルグラーテの装甲を少し焦がしただけで特に実害はなかった。
 その炎のカラクリは、霧状に噴射した発火性の油に、竜の顔に仕込まれた火打ち石で発火した火をつけるというものだ。確かに命中すれば対人には有効な武器ではあるが、この操兵の形状、そして発射位置のために地面にまで届かず、あまり有効なものとはいえない。そして、対操兵に使用するにはあまりにも威力が無さ過ぎるのだ。
 だが、仮面に命中した場合は別だ。目眩ましになるほか、仮面に一時的なダメージを与えることができるのだ。それを知ってか、ドラ・ログ・メーアは連続して炎を吐き続けた。
 最後の傭兵を倒したセフィロスに、突如巨大な鉄球が襲いかかった。辛くもかわすセフィロス。それは、巨人の投げたものだった。おそらくは操兵用の星球棍を流用したそれを投げた巨人の膂力に舌を巻きつつもセフィロスは、自分の流派の技の一つ[風]を繰り出し、巨人に突撃をかけた。だが、巨人はその一撃に耐え、今度は素手でセフィロスに戦いを挑んだ。
 セフィロスは巨人の拳の猛攻をかわすと、反撃とばかりに槍を突き出した。動きが鈍い巨人はその攻撃をかわせずに、その槍を受けて傷を増やしていく。が、その生命力は半端ではなく、通常ならば重症であろうほどの傷を受けながらもまだ、平然と拳を繰り出して来た。
 巨人はセフィロスの攻撃と自分の拳が当たらぬことに苛立ち、半ばやけになってそのままセフィロスに伸し掛かろうとした。もし、この巨体の押し潰しをまともに食らったら、いかにセフィロスと言えど、いや、もともと頑健とはいえないセフィロスでは一溜りもない。必死でかわすセフィロス。そして両腕を広げて倒れ込む巨人は、セフィロスを捕らえられずにその側に地響きを立てて倒れ込んだ。巨人の命運はこれで決まった。セフィロスは止めの槍を繰り出した!。
 ゼロは鎖鎌を振るうシシドと対峙していた。さすがにイーリスを苦しめただけあって、シシドはまるで隙がなかった。さらに左手に構えられた分銅付きの鎖がまるで壁のようにゼロの攻撃を遮っていた。が、ゼロも不用意には近づかない。両者は互いに睨み合い、隙を伺った。
 先に動いたのはシシドだった。その左手の中で回転させていた鎖をゼロ目がけて投げつけたのだ!。それを剣で弾き返そうとするゼロ。が、それがシシドの狙いだった。鎖はものの見事にゼロのセラミック剣に絡みついたのだ。そのまま武器を取り上げんとするシシド。ゼロはそれに抵抗し、どうにか武器を手放さずに済んだ。
 だが、ここで慌てるゼロではなかった。ゼロはシシドが鎖を引っ張る瞬間を利用して、そのまま突撃をかけた。引っ張られる力を利用し、その勢いに乗った剣をシシドは辛うじてかわす。だが、そこに巨人に止めを刺したセフィロスが加勢した!。そしてその槍を受けてさすがのシシドも気を失った。
 そのころ、クサナギは再度飛行を試みた。そして今度は成功、ドラ・ログ・メーアの背後に着地した。以前の武闘大会においてこの操兵は、ヘイステイドにその飾りの尾を踏まれて負けた。クサナギはそれを再現しようとしたのだ。が、竜の教祖も馬鹿ではなかった。あの戦いの後、機体を改造し、尾に駆動装置を仕込んでいたのだ。
 だが、それに気づいたクサナギは先手を打って、大太刀でその尾を叩き斬った!。ドラ・ログ・メーアは尾が斬られた勢いで前につんのめり、そのまま倒れた。その側で絶叫する竜の教祖をよそに、止めを刺そうとするクサナギ。だが、その機体から操手が転がり出てきた。そして、
「わぁっ!。降参する……!!。くそぉ……金貨三枚じゃ割が合わん!!」
 と言って、その場から逃げ出した。そして、今更操兵に乗り込んでも間に合わないと判断した竜の教祖も降伏した。
 竜の教祖はドラ・ログ・メーアの竜の首から仮面を取り外すと、これで勘弁しろ、とばかりにエルグラーテに投げつけた。が、クサナギとゼロはそれが偽物であることを見抜いた。そう、竜の首に当たる副腕に付けられた仮面は囮で、本物は胴体部に巧妙に隠されていたのだ。それを見抜かれた竜の教祖は仮面をあきらめ、その場から逃げ出した。
 とりあえず戦闘は終了した。だが、リガーブは既に宮殿と思われる遺跡の奥へと消えていた。三人は傭兵達を拘束すると、リガーブを追って自分達も遺跡の中へと踏み込んでいった。