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長い道を一人の女性がライバに向かってトボトボと歩いていた。着ている服装から彼女がはるか西方の羅・諸国連合からやって来たであろう事が推測できる。だが、それにしては何故西ではなく、東のリナラの方角から歩いてきたのだろうか。 やがてその少女とも見える長い黒髪の女性は、ライバに程近い宿場町に辿り着く事ができた。彼女はすぐさま一軒の茶屋に入り、ライバへの道を尋ねた。 「……お前さん、自分がどこを歩いとるのか分かっとるのか……?」 女性の話を聞いた店の主人はその身の上を聞いて呆れ返っていた。彼女は別に他の国々を廻りながらの旅を続けてここまで来たわけではなく、まっすぐ故郷からライバに向かっているうちにここまで来たというのだ。 「エラク大変な道をわざわざ通ってきたもんだ。直接行きゃあいいのに……」 「……直接って、どうすれば行けるのでしょうかー……?」 その独特の[ぽわわん]とした雰囲気に負けそうになりながらも、主人は女性にここからライバに行く道を根気よく教えた。 「いいか、ここから先は簡単だ!この町の西の出口を出て、だだっ広い道をひたすら進めまっすぐ道なりに進め!!操兵でも隊商でも何でもいいから西に行く奴にくっついてけ!!!」 「……わかりましたー……」 女性は主人に礼を言うとそのまま店の入口から出てすぐに旅立った。主人の示した西ではなく、何故か東の方に。それを見た主人は店から出て慌てて彼女の進む方角を訂正した。 「わかった!俺が悪かった……!!こう言おう」 主人は自分の指を西の方に向け、こう叫んだ。 「……あっち、だ!!」 どうやら、この女性の[方向音痴]は天性のもののようだ。では、いったいどうしてそれほどの[特殊能力(ここまで来たらそう呼ぶしかあるまい……)]を持つこのうら若い女性が、危険な一人旅になど出たのだろうか。 そのためには、彼女の身の上を少し説明しておく必要があるだろう。それは、一年前の事であった。 「あぁ、"ルヴィ"なら、少し前に旅に発ったぞ。今頃はライバに向かっとるじゃろうてのぉ……」 「……そ、そうなんですかぁー……?」 泣きそうになった女性に申しわけなさそうに、覆面を着けた村の[僧正]は呟いた。女性は知らなかったが、その僧正はイヴルとナナに都市国家郡への調査を命じたチャスカ僧正その人であった。そう、『ルヴィ』とは『イヴル』に彼女がつけた愛称だったのだ。 彼女とイヴル=ルヴィとはどういう関係だったのか……それは、今から三年前、イヴルが吟遊詩人になるためにラシュアという街を訪れた時のこと。イヴルはそこで彼女と知り合い、激しい恋に落ちた。周囲の者が羨むほどの仲だったが、彼女の祖父と父親の猛反対で結局は別れさせられてしまったのだ。 しかし、ここで問題があった。実は彼女のお腹の中には二人の愛の結晶が宿っていたのである。そうして生まれた子の名は、灯真、そして、若くして未婚の母となってしまった彼女の名は水守静夜と言った。 しかし、自分の半身ともいえる恋人が傍にいなくなってしまった静夜はすっかり塞ぎ込んでしまった。乳母であるマリエの言葉にも耳を貸さなくなった娘を見て嘆いた祖父と父は、静夜にある条件を出した。それは、水守家に伝承されている武繰[南雲流護身術・奥義]を会得した際には、晴れて二人の結婚を認める、というものだった。 南雲流護身術とは、水守家に代々伝わる医拳合一の武繰だ。この流派(というよりは武繰自体)は羅・諸国連合のものではなく、この水守家の先祖である[倭一族]独自のものだ。倭一族とは、プレ・クメーラ文明崩壊の際に故郷を失い、各地をさまよう流浪の民人だったが、今では都市国家群、トランバキア、羅・諸国連合の各地に定着し、独自の文化を発展させている。水守家はその中でも倭一族の文化を色濃く残しており、その名からわかるようにいまだに表意文字を使用している数少ない[倭の末裔]なのだ。 だが、南雲流護身術は他の武繰の例に漏れず、その習得はかなりの困難を極めるものだった。下手をすると十年近くもかかってしまうこの流派習得を祖父と父が条件としたのは、むしろ[なんらかの目的を持っていれば気でも晴れるであろう]と判断、または[達成困難な目的を前にすれば諦めもつくであろう]と考えたからだ。 ところがここで二人の予想外の出来事が起きた。静夜はこの困難な流派の基礎をたった二年で習得してしまったのだ。どうやら彼女には家族の誰も気付かなかった才能があり、その上で[ルヴィを思う気持ち]がその習得への後押しとなったようだ。約束した手前、祖父と父はルヴィとの結婚を認め、静夜の兄がついて行く事を条件として迎えに行く事を承諾した。 しかし、せっかく許可を得て、兄とともに愛する"夫"が住んでいる筈の部族の集落に出向いてみると、既にルヴィは旅に出た後だというのだ。静夜が再び失意に沈んだという手紙を見て、祖父と父は「今度こそ諦めるだろう」と思った。 そんな二人の予想と期待はここに来てまた裏切られた。何と静夜は、 (祖父と父以外の) 家族の叱咤激励を受け、愛しい我が子の灯真を母と乳母のマリエに託し、単身都市国家群に向けて旅立ってしまったのだ。家族三人で温かい家庭を築くために。集落より戻った静夜の兄からその事を聞いた祖父と父は慌てふためいたが、他の家族の説得を受け、結局は静夜を引き止める事を断念した。そしてもし、二人が無事に帰って来る事ができたならば、今度こそルヴィを婿として迎える事を了承したのだ。 それから二ヵ月が過ぎた。静夜は流派習得の中で覚えた医術を頼りに路銀を稼ぎ、ルヴィがいると思われるライバに向けて旅を続けてきた。だが、この天性の[方向音痴]がたたり、いまだに辿り着けないでいるのだ。 それでも静夜は諦めずに旅を続けている。いつかルヴィを連れて、家族、そして灯真の待つ故郷に帰り、平和な家庭を築くために。 さて、現実に戻ろう。町の出口に着いた静夜は、ライバに向かう隊商を捜した、が、その日に限ってライバに向かう者に出会う事はなかった。静夜は仕方なく、一人でライバに向かって歩き出した。おそらく徒歩で向かっても二日で着くであろう。 そして二日後、静夜はあいも変わらず街道をトボトボ歩いていた。そう、途中の分岐で道を間違えて、未だライバに辿り着けないでいたのだ。 その時、静夜の後ろの方から一組の隊商がやって来た。その一台の馬車の後ろからは用心棒と思われる四機もの操兵がついてくる。静夜はその馬車の御者に話しかけた。 「……あのー……ライバには、どう行ったら良いのでしょうかー……?」 だが、御者は険しい目付きで静夜に一瞥をくれると、彼女を無視してそのまま去り行こうとした。それを見た静夜は慌てて馬車を追いかけ、「お待ちくださいー……」と叫んだが、馬車はその言葉を無視して走り去っていった。 静夜は、今度は後からついてきていた操兵の方にさっきと同じように声をかけた。 「……あのー……ライバにはー……?」 それに対し操兵達もまた、静夜を無視して立ち去ろうとした。が、うち一機だけ静夜を見下ろした。その操兵はここにいる他の機体とは明らかに別格だった。全身赤で塗装されたその機体は、どこか畏怖を感じさせる存在感を醸し出し、その背には何の用途かはわからないが箱や筒のような物が取り付けられていた。その操兵は静夜に興味を示したのか、その姿勢のままこう言った。その声は、まだ年端もいかない少年のようだ。 「ライバの街なら、[あっち]だよ!」 赤い操兵は、静夜がやって来た方角を指さした。どうやら彼女はライバの街を避ける道に入り、そのまま通り過ぎてしまったようだ。 「……どうも御親切に……では、後どのくらいでライバに着くのでしょうかー……?」 だが、静夜の質問にその操兵はそれ以上答えなかった。 「僕はそんな事までは知らないよ。行きたければ、勝手に行くんだね!」 少年と思われる操手は、急に興味を失ったように冷めた口調でそう言い放つと、馬車や他の操兵の後についてその場を後にした。静夜はその後ろ姿をただ、見送る事しか出来なかった。 その時、静夜は馬車に奇妙な物が乗せられている事に気付いた。それは、小さな[檻]であった。何か小動物でも入れられているのだろうか。だが、興味を持って覗こうとした時、その中にいた一人の用心棒がその静夜の視線に気付き、すぐに天幕を閉めてしまった!結局静夜は、その檻に何が入れられていたのかを確認する事が出来なかった。 やがて馬車と操兵は静夜から離れていった。あまり良い印象が感じられなかったが、それでもライバへの道を教えてくれたので、静夜はその隊商の後ろ姿に向かって深々とお辞儀をした。その後静夜は、ようやくライバへの正しい道を進む努力を始めた。そしてその努力は実り、静夜は少しずつではあるがライバへの道を今度こそ歩み始めた。 そして、その少し後。ちょうど夕暮れに差しかかった時、静夜の後ろからさっきとは別の隊商と思われる二台の馬車と、用心棒と思われる操兵がやって来た。それは先の隊商とは全く異なり、どこにでもいそうな旅の隊商の感じがした。 その隊商は街道の脇にそれ、野営の支度を始めた。静夜がその光景を見ていると、一人の中年男性が彼女に気付いて優しく声をかけてきた。 「そこの旅のお方、この辺りは一人で野営をするには危険ですよ……どうです、よろしかったら御一緒しませんか?」 見た感じ、その人物は悪い人間では無さそうであった。 「……あぁ、それではよろしくお願い致しますー……」 静夜は隊商の輪の中に入っていった。そしてその隊商がライバに向かっていることを聞くと事情を話し、ぜひとも連れていってくださいませ、と頼み込んだ。 「なるほど、それは難儀でしたね……って、どうすれば街道の真ん中を歩いていて道に迷うのかは不思議ですが……まぁ、いいでしょう。我々も、一年前に[事故]にあって失敗した隊商の建て直しが済んで、ようやくライバに到着できる、という事もありますし……」 その男の名はラクサル・ウラノ。一年前、クサナギ達とともにライバに向かい、その途中の戦闘で一財産を失った隊商の主であった。 その後、静夜とウラノ達はそれぞれの子供、家族の話などをしながら夜を過ごした。 そして翌日のライバの街。アファエルが久しぶりに竜の牙亭に顔を出してみると、十日くらい前にラルテアの温泉湖に出かけていたクサナギとミオが帰ってきていた。店の入口にモ・エギも腰かけている。 「どうやら混浴だったらしいよ……!」 常連客のその話はクサナギとモ・エギを焦らせるのに十分だった。そんな二人を見たアファエルは、 「〜[英雄色を好む]ですかぁ〜。人間って、いろいろ大変なんですねぇ〜」 と、何となく違うような事を呟き、ラルテアでの戦闘で損傷したワークマンデの修理が終わった事でほっとしていたミオに向かって、 「修理大変ですねぇ〜」 と、ねぎらいの言葉をかけた。それに対してミオは、ラルテアでの出来事を思い出しながら、 「でも、修理の方が気が紛れるわ。ついてくんじゃなかった……だって、ずっとクサナギとモ・エギの二人に当てられっぱなしだったんだもの」 と、クサナギの顔を見ながら返す。その言葉にクサナギは動揺していた。ラルテアでの一件以来クサナギとモ・エギは少しずつではあるが、以前より一緒に過ごす時間が増えていたような気がした。そんな様子はミオ、アファエルだけでなく、ライバの街の人々にも気付かれていたようだ。 その時、一緒に食事をしていたジュウコーが不意にこんな事を言った。 「ところでミオ。この前持って帰ってきたあのスクラップ。どうするつもりだ?」 「使える部品があれば使うつもりなんですけども……」 そう、この前の戦いではファルラーテをはじめとして合計五機もの操兵の残骸を持ち帰ってきたのだ。だが、その大半は再生機で、唯一高級機だったファルラーテも、エルグラーテのガトリングの集中攻撃でだいぶ破損していたのだ。おそらく、使える部品は二機分にも満たないだろう。 「だが……あそこまで壊れちゃあなぁ」 「……確かにあんときゃ、「クサナギやっちゃえ!」って言ったけど、ここまでやるとは……」 結局、ファルラーテの部品はエルグラーテ用に確保、その他の部品で売れるような物はタフルの部品屋に売り払う、という事になった。 その時、クサナギが「そういえばイヴルとナナはどうしているのだ?」と聞いてきた。そう、ここのところ顔を出していないのだ。それを聞いたミオは、 「そうだねぇ……ダイ・ザッパー壊してなきゃいいけど……」 と、彼女らしい心配をしてアファエルを呆れさせた。 その時、先に工房に戻るジュウコーと入れ違いに竜の牙亭の入口を一組の男女が入ってきた。その中年男性を見たクサナギとミオは驚愕した。何と、あのウラノだったからである。クサナギは懐かしそうに声をかけた。 「ウラノ殿!……ウラノ殿ではないか!!」 「やぁ、クサナギさんにミオさん!」 クサナギとミオ、ウラノは互いに再会を喜び、それぞれの近況を話して聞かせ、事情を知らずに戸惑っているアファエルにウラノを紹介した。するとウラノも、自分の後ろで控えている静夜を一行に引き合わせた。 「なんでも、旦那さんの吟遊詩人を捜してはるばる羅・諸国連合の方からやってきたんだそうで、何か心当たりが無いかと思って……」 「……水守静夜といいますー。医者などをして旅をしていますー。静夜が捜しているのは、ルヴィという同じ故郷から来ている筈の吟遊詩人なんですがー……?」 その時点で一行は、それはイヴルではない、と考えた。イヴルは一行に羅・諸国連合出身とは一言も言っていないし、こんな美人の奥さんがいるとは聞いた事がなかったのだ。しかも…… 「ところで、どんな顔立ちなんです?」 「……歳の頃は静夜と同じくらいで、顔は[すごくかっこいい]んですよー……」 ……………この一言だけでいったいどうやって顔を想像しろ、と言うのだろうか……側で似顔絵を描こうとしているウラノも思わず筆を取り落とす。が、静夜はそんな周りの様子を気にする事なく言葉を続けた。 「……そちらの[ハニ丸]様もなかなか[かっこいい]のですが、ルヴィには勝てませんわ……」 どうやら、[ハニ丸様]とはクサナギの事のようだ。 「な……何だその[ハニ丸]というのは?」 「……静夜の故郷の[守り神]ですがー……」 動揺するクサナギに静夜はあっさりと答えた。その言葉にクサナギは本当にぼーっとなってしまい、文字通り[埴輪]となっていた。それを見ていたアファエルは、今の静夜の言葉に何故か納得してしまった。 「……それから、西の吟遊詩人様の歌によりますと、クサナギ様は何でも[御仁姫の婿]だとか……?」 それを聞いた[ハニ丸]状態のクサナギはそのまま顔を赤くし、慌てふためいた。 「そ……そんな風に伝わっていたのか?!私はまだ、結婚はしてはいないぞ……!!」 さらに慌てふためくクサナギを他所に、静夜は、今度はミオの方を向き、じっと見つめた。その視線にミオは思わず後退りをする。 「……あのー……お名前はー……」 「ミ……ミオだけど?」 静夜は不意にポンッと手を打ち、こう言った。 「……こちらがクサナギ様という事は、あなたが[子ダヌキな黒子]様……?」 「だぁれがそんなこと言ったぁ!!」 怒りに任せて思わずカウンターから立ち上がるミオに静夜は少し困った顔をしながらも、 「……えーと……でも、[知謀知略なタヌキさん]という名称がぴったりな方だと聞きましたけどー……」 それを聞いたミオはしばらく拳をわなわなと震わせていたが、やがて諦めたようにがっくりと肩を落として再び椅子に腰を下ろした。そんな光景を見たアファエルは、 「〜あってる、あってるぅ〜!!」 と、声高らかにケタケタ笑っていた。 静夜は次にケタケタと笑っているアファエルの方を向き、その耳を眺め、こう言った。 「……耳が長いですねー……ひょっとして、あなたが[森の民]様ですよねぇー……」 その言葉を聞いたウラノもはっとなってアファエルを見た。どうやら彼も妖精族を見るのは初めてのようだ。 「あぁ、あなたが噂の[妖精族]の方でしたか……クサナギさんとミオさんのお知り合いだったんですか」 それを聞いたミオはウラノに改めてアファエルを紹介し、静夜も改めて自己紹介した。ミオは改めて静夜の格好に注目した。彼女は一応普通の旅人のような出で立ちで、その背にはボルトアクション銃を背負ってはいる。だが、本人は自分が[医者]だと名乗っており、今までの感じから、おそらくはまともに戦闘など経験した事はないだろうと、ミオは読んだ。 その時、静夜がおもむろにその背のボルトアクションを取り出してクサナギに見せ、そしてこう言った。 「……あのー[ハニ丸]様ー……?」 「わ……私の名はクサナギだ。ハニ丸ではない!!」 反論するクサナギに構わず静夜は、クサナギにこんな事を訪ねた。 「……クサナギ様はこの銃を使い慣れていらっしゃるのでしょうかー……?」 クサナギの愛銃はこれと同じボルトアクションだ。よって、その扱いは慣れたものである。クサナギは静夜にその旨を伝えた。すると彼女はクサナギにこんな事を聞いてきた。 「……ところで、この銃はどうやって使うのでしょうか……?」 その言葉にミオは思わずカウンターに突っ伏した。どうやら静夜はこの銃を買ってから一度も使った事がない、というよりは使い方そのものを理解していないようだった。 「……弾の籠め方を教えてもらわなかったので、誰か来たらとりあえずブンブン振り回していただけなのですよー……」 この場にいるものす全員が、今の言葉に茫然としていた。 「……あのー、できれば、使い方などを教えていただきたいのですがー……?」 その申し出にクサナギは、 「……このような銃は、そなたのような者が持つ物ではないのだが……」 と、言いながらも、一応の操作方法は教えた。が、クサナギは今の言葉を二つの意味を込めて言っていた。一つは、「あなたのような女性が使う物ではない」、もう一つは、先の話を思い出し、「素人が安易に使ってはいけないよ」と、銃を振り回すような事を暗に戒めてのものであった。だが、静夜はそんなクサナギの思いに気付く事はなかった。 そして今度はアファエルがこんな事を訪ねてきた。 「〜あのぉ〜医者って何ですかぁ〜?」 どうやら妖精族であるアファエルには、[医者]というものが何だかわからなかったようだ。まぁ、無理もない。森の種族はかつて、[しゃーまんまじっく]と彼女達が呼ぶ不可思議な[魔法]と、豊富な薬草などの知識で病気や怪我を克服してきたのだ。医師のような者がいたとしても、それを[医者]と呼ぶ者がいなかったのだろう。そして静夜が医者というものがどういったものかを説明すると、 「〜要するに、[長老様]と一緒なんですねぇ〜偉い方なんですねぇ〜」 と、自分なりに感心していた。それに対して静夜は「偉くなんかないですよー」と、軽く受け流していた。 |