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「罪状は?!」 セフィロスが凄みを利かせて訪ねると、それでも男は平然とした表情で答えた。 「最近この周辺に出没している[白面党]……その頭領が貴殿であるという疑いがかけられています」 「知らん!。以上……」 「とぼけても、あなたのその業物の槍が証明してくれます。あ……申し遅れました。私はライバ衛士隊南町隊長ザファルと申します」 「ところで……根拠は何でしょうか……!」 ザファルと名乗る男の言い分にイーリスが食ってかかった。が、それでもこの男は細長い眼鏡を掛け直しながら不敵にこう述べた。 「我々の現時点での調査では、被害者に残された槍の傷が、貴殿の持つ槍と同一の物であることが確認されました。しかもその槍は特別製で、この周辺では貴殿の物以外は見かけませんのでね……!」 「武器だけで判断するのですか!!」 その言葉にむっと来たイーリスがなおも突っ掛かるが、それでもザファルは動じなかった。 「私は少々武繰に関する知識もあります。それゆえに、貴殿と白面党の頭領の共通点が多いことが非常に気にかかるのですよ」 そこにレイムが割って入った。 「セフィロス様……私はセフィロス様がそのようなことをなされるはずがないと信じています!」 「レイム君!。私情に流されてはいかんな……職務を遂行したまえ!」 レイムはザファルの揶揄にカッとして向き直った。 「私は近衛隊所属、貴官の部下ではありません!。私が貴官に同行したのは、あくまで……」 ここでセフィロスがレイムの言葉を遮って、再び口を開いた。 「もし俺が……いやだと言ったら……?!」 その言葉にザファルの表情が固くなった。 「その時は……力ずくで来て頂くまでです!」 ザファルはセフィロスを恫喝するつもりでこう言ったのだが、ここで動揺したのはむしろ外で待機している衛士たちだった。彼らはまさか[あの]セフィロスと本気でやり合うなどとは露ほどにも思っていなかったのだ。それを感じ取ったイーリスが 「もう少し穏やかに事を運んだらどうです?」 と、外にいる衛士にも聞こえるようにいった。が、それを聞いた衛士はますます震え上がった。 「おい!。[紅き氷の魔女]もいるぞ!!」 「……そこの兵士、ちょっとこっちに来なさいっ!!」 そんなやり取りの中、心配になって戻ってきたクサナギがようやく到着した。 「いったいこれはどういうことだ!」 クサナギは衛士の一人から事情を聞くと、すっかり呆れ返ってこう言った。 「この町の衛士隊はそんな噂話しだけで動くのか……!!」 中ではイーリスとザファルの門徒有が続いていた。証拠はともかく動機がないことを主張するイーリスに隊してザファルは軽蔑を含んだ眼差しで「人斬りは常に誰かを斬っていないと気が済まないものでしてね……」と呟く。 その嫌味な声は外にいるクサナギにも聞こえてきた。仲間が侮辱されるのを我慢できないクサナギはすぐさま中へと飛び込んだ。 「待て!。セフィロスはそのような浅はかな理由で戦いはしないぞ!!」 「そうですよ。セフィロスがそんな[面倒臭い]理由で動くわけがないじゃないですか……!」 クサナギの熱弁とイーリスの身も蓋もない援護に元気付けられたレイムが、意を決してザファルに詰め寄った。 「今現状では、逮捕するだけの条件が揃ってはいませんが……!」 「衛士隊の判断を、近衛隊[見習い]如きに言われる筋合いはないですな!」 ザファルの相手を蔑む物言いにかっとなったレイムだが、それでも冷静さを失わずに、それでいて強い口調で言葉を続けた。 「ですが、これは明らかに越権行為です!。場合によっては、私はこのことを王に報告しなければなりませんが……!!」 王の名前を出されたザファルはさすがにたじろいだ。見習いといってもレイムは元衛士隊長ラシュアンの妹にしてまた、王朝結社本拠襲撃の折りには王の護衛として活躍した経緯もあって王に目を掛けられていた。そのこともあって、その発言は単なる脅しとはいえないところもあるのだ。 ザファルは一瞬「くっ!!」と唸ったが、すぐさま嫌味な笑みを取り戻し、 「まぁ、今日のところはあなたの衛士隊という[肩書き]に免じて引きましょう」 と言って、衛士たちに引き上げ命令を出した。彼らはそれを受けると一瞬ほっとした表情を浮かべ、そしてすぐさま列を組むと、来たとき同様行進しながら引き上げていった。 「どうか気を悪くしないでください……」 とりあえずの事態が収拾したのを確認したレイムは改めてセフィロスに謝罪した。そしてこんな言葉を続ける。 「衛士隊長のザファルという男は、どうやらあなたを犯人に[したがっている]節があるのです……」 セフィロスはそんなレイムの言葉を特に気にする事なく平然とした表情で聞き流していた。 同じころ。 「静姉ぇ……どこぉ……?」 ミオは路地裏に迷い込んでいたであろう静夜を求めて自分もさまよい歩いていた。幽霊屋敷事件の後、静夜はミオに親近感を持って接するようになった。最初、ミオはそれをどこか疎ましがっていた。が、何故かここのところ、こういう事態では静夜のことを無意識に[静姉ぇ]と呼ぶようになっていた。 そして当の[静姉ぇ]は…… 「ねこー……ねこー……」 子猫を捜して路地裏をさまよっていた静夜は、その子猫が民家の屋根の上にいるのを見つけ、器用にもその屋根の上に登って捕まえようとした。その執念に観念した猫はおとなしく捕まり、なすが儘にされていた。 その姿は上空を飛んでいたマリンからもよく見えていた。 「あっいたーっ!!。ミオ、こっちだよぉーっ!」 マリンの声を聞きつけたミオは慌ててその民家の下まで駆け寄った。そして(ミオにとっては)どうやって登ったのかわからないほど高い屋根の上で「ねこー、ねこさんだよー……」といって無心で子猫をもてあそぶ静夜の姿を見て驚愕し、呆れ返った。 「買い物に行ったんじゃなかったのぉ?……危ないから降りてきなよぉ……て、どうやって登ったのよぉ?!!」 それを聞いた静夜は我にかえってミオの存在に気付き、 「どうやって……登ったんでしょうねー……」 と、本気で考え込んでしまった。 ミオの叫びに静夜の[武繰の技]を知っているマリンは、 「……しゃべっちゃ……いけないんだよね……) と、心の中で呟いた。 その時、辺りに聞き慣れた地響きが聞こえてきた。モ・エギだった。モ・エギは屋根に登っている静夜を見て声をかけてきた。 「どうしたんですか?静夜さん。屋根の上なんかに登っちゃって……」 静夜はモ・エギに手の中の子猫を見せた。 「ねこさんを追いかけてきたら、いつの間にかここに来ちゃったんですよー……」 「かわいいですねぇ……て、どうやって登ったんですか?」 その言葉にミオが悲鳴のような声で言った。 「アタシが聞きたいです……早く降ろしてあげて……!」 モ・エギは両手で静夜を抱き上げ、そっと地面に降ろした。それを見てほっとするミオ。 その時、そのミオの後ろから再び衛士隊の行進の足音が聞こえてきた。みるとレイムを除いた衛士たちが肩をどっと落としつつ、それでも毅然とした行進を続けている様子が目に入ってきた。 「何があったんでしょうねー?……ミオちゃん……」 「レイムがいない……宿にいるのかな……?」 気になった二人は、モ・エギの手に乗せてもらい竜の牙亭に戻った。 その竜の牙亭では、セフィロスがレイムから今までの経緯を聞いていた。 「槍使いか……」 「はい。今までの調査によりますと、白面団に相当な……おそらくは武繰使いの槍の使い手がいることは間違いありません……それと……」 その時、話に退屈していたイーリスが二人を茶化すように言った。 「どうせなら、二人っきりになれる部屋にご案内しましょうか?」 「そっ……それには及びませんので……!!」 イーリスの言葉にレイムは顔を真っ赤にして答え、すぐに冷静な顔に戻して話を続けた。 「ザファル殿の話によると、彼にしては珍しく積極的に現地まで行って調査したところ、生き残りの証言と槍の傷痕などを照合した結果、セフィロス様の流派、槍との共通点が多いということなのです……」 「[彼にしては珍しく]……?」 クサナギの疑問にレイムは苦笑しながら答えた。 「あのザファルという人は衛士隊ではディスクワークの見本のような人だと聞いています……。もっとも、近衛隊である私と彼はそれほど面識があるわけではないので、本当のところは……今回もセフィロス様を知る者として同行を求められただけなのです……」 「[知る者]じゃなくて[恋人]の間違いじゃないのか……?」 客の茶化した声を聞いたレイムはまた顔を紅潮させた。が、すぐにかぶりを振って冷静さを取り戻そうとする。しかし、当のセフィロスは今の声もレイムの態度も全く耳にも目にも入らなかった。 「私は、セフィロス様を信じています!。あなたがそんなことをするような人とは絶対に思ってはいません……!!」 そのレイムの強い言葉にセフィロスはただ「当然だ」とだけ呟いた。 「健気だねぇ……そういうところが可愛いねぇ……」 客がやっかんでまたもや茶化す。が、それを聞いたセフィロスがドンッ!!と槍の石突きで床を叩くと、客は「ひぃっ!!」と短く悲鳴を上げた。そしてセフィロスとレイムは話題を切り替えるためか先の話を続けた。 「レイ・ライバ王陛下も、国王の立場では公平な判断を下さねばなりませんが、陛下ご自身としてはセフィロス様がこのようなことをするはずがないと……」 それを聞いたセフィロスは特に表情を変える事なく呟いた。 「当然だ。俺ならもっとうまくやる……」 「は?」 「俺ならうまくやると言ったんだ……」 そのセフィロスの物騒な言葉にレイムは返す言葉が見つからなかった。それを察したセフィロスは「俺がやるとしたら、だ!」と付け加えた。が、それを聞いたイーリスは…… 「そうですよ……そんな珍しい刃物使って証拠を残すよりは素直に[焼いて]しまったほうが……」 「……さすがにそこまでは……」 話がとてつもなく物騒な方向に発展したその時、ちょうどミオと静夜が帰ってきた。が、ここでセフィロスの後ろ姿を見た静夜の様子がおかしくなった。確か彼女はセフィロスと逢うのは初めてのはずだった。が、静夜は抱いていた猫を放すと、レイムのほうに向いているセフィロスの銀色の髪めがけて急に走り寄り、そしてその首ったけに抱きついた!。 「貴方ぁ!!」 どうやら静夜はセフィロスの銀髪を見て夫の[ルヴィ]と勘違いをしたようだ。静夜の今までにない行動に驚愕した一行だが、何より一番ショックを受けたのは他ならぬセフィロスと、その目の前のレイムであった。 「だ……誰だお前は?!」 焦ったセフィロスは必死になって静夜を振りほどこうとするが、我を忘れて[再会の喜び]に浸っている静夜はその首にしがみついた手を離そうとはしなかった。そしてそれを見たレイムは掛ける言葉を完全に失っていた。 「あ……な……た?!!」 卓を震わせながらレイムがそれだけを必死に呟くのを見たセフィロスはますます焦り、 「ち……違うんだ!……これは……!!」 と懸命に弁解するが、そのしがみついている静夜がさらに 「ようやく見つけた……貴方!……故郷では子供も待っているんですよ……」 と駄目押しの台詞を放つ。それを聞いたレイムは思わず気絶しそうになった。が、それでもレイムは何とか堪え、セフィロスにこの状況の説明と真偽を問い質そうとした。 しかし、ここでミオがとんでもない一言を漏らしてしまった。 「静夜さんの旦那って……セフィ……だったの……?」 それを聞いたレイムは瞳に涙をいっぱい溜めていた。それを見たクサナギが静夜を振りほどくのに必死のセフィロスに代わって弁明するが、もはや彼女の耳には届かなかった。 「い……いやあぁぁぁぁぁ!!」 精神状態が限界に達し、取り乱したレイムはとうとう竜の牙亭から飛び出した。今までこの光景を客観視していたヴァネッサは 「う〜ん……修羅場……修羅場……」 と、やはり他人事のように呟いた。さらに横では、イーリスが何やらよからぬ表情を浮かべてそのレイムを追いかけた。それを見て嫌な予感を感じたセフィロスは、静夜のしがみつきに抵抗しながらもミオに向けて「(追いかけてくれ)」と訴えかけるような視線を送る。その視線に気づいたミオはすぐさま後を追った。また、外では急に店を飛び出したレイムを見たモ・エギも条件反射なのか思わず追いかけ始めた。 竜の牙亭に残ったクサナギは必死になって静夜を説得、セフィロスがルヴィでないことを説明しようとした。が、[愛しい夫]再会の喜びに浸っている静夜を納得させるには相当な時間を要してしまった。 一方、竜の牙亭から飛び出したレイムは広場の噴水そばのベンチに腰を下ろし、とりあえず心を落ち着かせようとしていた。が、そのたびに先ほどの光景が目に浮かび、落ち着くどころかかえって気が動転してしまっていた。 「そんなにショックだったの……?」 レイムが声のするほうに顔を上げると、そこには追いかけてきたイーリスが立っていた。イーリスはレイムを慰めようと一方的に話しかけてきた。が、その内容は…… 「貴方の憧れる気持ちもわかるわ。確かにセフィロスは貴方の兄の意志を継いだ人間だし、それにあれだけ強くてカッコいいし、クールだし……もてる要素はそろっているもの……でも、彼はね……[女性経験はとても豊富]だから……それはもう関係を持った女性は両手の指では数え切れないほど……」 もし、この場にセフィロスがいたらさすがのイーリスと言えど生命の保証はできかねない。ともかく、この話を聞いていたレイムはもはや茫然とするしかなかった。そんな彼女に構わずイーリスは話を続ける。 「でも、それだけの女性と関係をもっても今までは、彼の心に残る人はいなかったの……。だから彼は今でも放浪しているわけで……だから今なら、貴方が心を込めて接すれば、彼の心もきっと貴方に向くはずよ……」 「えーかげんにしなさいっ!」 イーリスがむちゃくちゃな話でレイムを説得しよう(言いくるめよう)としているとしているところに出くわしたミオは、モ・エギの掌の上からそのイーリスを嗜めた。モ・エギも 「さっきから聞いていると、碌なこと吹き込んでないんですけども……」 と、呆れ返っている。さらにミオもイーリスに向けて言葉を続ける。 「黙って聞いてりゃ、セフィロスを色魔の如く!!……あんたそれでも仲間かいっ!!」 そして今度はレイムに向き直った。 「あーさっきのは間違いだから、気にしないで……」 だが、それでもイーリスは先の話を引きずり、その話題でレイムを説得し続けた。そしてそれを黙って聞いていたレイムは悲しそうな目をイーリスに向け、こう言った。 「貴方も……その[捨てられた]一人なんですか……?」 「?!!」 別にセフィロスとイーリスはそういう関係ではない。そもそも今までの話は全部イーリスの作り話なのだ。身から出た錆とも言えるが、あまりの誤解にイーリスが絶句しているうちに、ミオはレイムにようやく[真実]を説明し始めた。 おなじころ。 「静夜落ち着け!。彼はセフィロスだ!。ルヴィじゃない!!」 「ルヴィって誰だ!!」 竜の牙亭では、クサナギの言葉とセフィロスの叫びで静夜がようやく我に帰った。セフィロスの首から離れた静夜はおもむろにセフィロスの顔をまじまじと見つめ、こう呟いた。 「目付き……こんなにカッコ良くないです……」 「だから違うと言っているだろうが!!」 セフィロスの怒りの怒鳴り声に静夜は思わず小さく項垂れ、 「すみませ〜ん……後ろ姿が……髪の色が夫とそっくりだったので……」 「旦那さん?……ムウ、その人もさぞカッコいいことでしょう……」 別にセフィロスは冗談で言ったつもりはないようだ。ともかく、話をややこしくして欲しくなかったとセフィロスが付け加えると、静夜は 「どういうことでしょうかハニ丸さまー……」 と、何故かクサナギに話を振った。 一方、広場ではすったもんだあったが、とりあえずレイムは落ち着きを取り戻した。それを見たミオとイーリスは、今度はザファルについて詳しく聞き出そうとしていた。 「ザファル殿は最近着任した新任の隊長なんです……先程も申した通り普段はそれほど仕事熱心という訳でもなく、あまり積極的に現場に出ることはないようなのです……しかも、私ははっきり聞いたわけではないのですが、あの方には悪い噂が付きまとっているとか……」 「悪い噂?」 「どこへかはわかってはいないのですが、何でも衛士隊のライバ周辺の巡回経路と時間を漏らしたとか漏らさないとか……はっきりした証拠はないのですが、出所をたどっていくと最後にはザファル殿の周辺にたどり着くらしいのです……」 ここでレイムは話題をザファルのセフィロス検挙の際の[根拠]に戻した。それによるとこの度の検挙には書類上もこれといった決め手はないのだという……。 「この度の同行を求められた際に拝見した書類を見ましても、セフィロス様を重要参考人として検挙するのは難しいと私も進言したのですが、ザファル殿はあくまで[同行を求める]と称して……」 「あれは任意同行を求める態度には見えませんが……」 少々怒りの籠ったイーリスの言葉に対しミオは冷静にこう言った。 「でも、セフィロスが無実だという証拠もないわけだから、これはセフィロス自身で真犯人を見つけないといつまでたっても煩く言ってきそうな気がするな……」 ともかく、落ち着いたのだから帰ろうと言ったミオにレイムはまだ報告があるから、とベンチから立ち上がった。その時、モ・エギを含む四人の元に一騎の騎馬がやってきた。それは[噂の]ザファルだった。 「おぉ、レイム殿……こんなところにおられましたか!」 ザファルは笑みを浮かべてレイムに話しかけると、今度はイーリスに向き直り、さっきとは打って変わったさわやかな顔で先の竜の牙亭での出来事を謝罪した。 「イーリス殿……先ほどの無礼をお許しください」 「いえ、任務という物は大切ですから……それより、急いでいるようですが、何か急変でも……」 イーリスの問いにザファルはその[さわやかな作り笑い]のまま再びレイムに向き、そしてこう言った。 「あれから考えてみたのですが、やはりレイム殿の言う通り報告だけでは現時点ではセフィロス殿を犯人と決めつけることはできませんし、あなたが指摘した通り犯人が別人の可能性もあります。つきましては、再度現地に赴いて徹底的に調査したい。そしてぜひともレイム殿にもご同行願いたい」 ザファルのそのあまりの変わりようにミオ、イーリスは訝しがった。ミオはそういうことだったらセフィロスも同行させれば、と進言するがザファルはそれを丁重に断った。 「いえ、先ほどのような無礼のあとで捜査に協力しろ、だのというのはあまりにも……それにこの度はあくまで調査のみですので……ですがもし、相手がセフィロス殿に匹敵する槍使いであれば、御助力を願い出ることもあるかもしれませんが」 「その時は、全滅していますよ……!」 イーリスが笑顔のままさらっという。そしてミオも、 「そうですよ。こういうときこそイーリスやセフィロスが側にいたほうが……何、護衛料を取るだなんて言ってませんから!」 と、しつこく食い下がるが、ザファルは遠回しにではあるが明らかにセフィロス、イーリスを含む一行の同行を拒み続けた。そこにレイムが割って入った。 「私としても、セフィロス様の無実が証明できるのでしたら、是非とも全力を尽くしたいと思います……!」 そのレイムの言葉にザファルは、 「そう言って下さると有難い。では、早速出立いたしましょう」 と、何故か急いでこの場から離れようとしていた。それを見てますます訝しがる二人だったが、ここはとりあえずレイムを行かせてみることにした。 |