疑惑のケット・シー



最近、ティファはケット・シーと仲がいいんだ。
姿が見えないな、と思うと大抵あいつと一緒にいる。
ケット・シーはゴールドソーサーの人気キャラだ。だからはじめは、
ティファもこういうのが好きなのか、女の子だなー、なんて思っていた。
でも、この間ケット・シーとシドが話してるのを聞いてたら、そんな単純な話ではないみたいだ。
「どこにいたんだ、ケット・シー。ハイウインド中捜しちまったぜ!」
「え〜、ちょっとティファさんの相談事を・・・」
ごにょごにょ、とごまかした。シドは気にしてなかったけど、この俺はちゃんと聞いてたぞ。
ティファの相談を聞いてた、だと!
なんであんな得体の知れないやつに相談なんてするんだ。
ああ、顔が見えないやつのほうが話しやすいってのかもな。電話お悩み相談室みたいで。
でも、そこで俺はあることを思い出した。
以前神羅ビルに潜入したときの女性社員達の会話。
「もう、リーブさんってほんとかっこいいよねえ」
「渋くてさ〜、性格も真面目で優しいし」
「神羅カンパニーの重役だし、言うことないわ」
「独身なんでしょ?あたし、狙っちゃおうかな」
「ダメ、私がずっと前から目をつけてるんだから」
どうも、女性社員にはすごく人気があるらしい。
もしかしてティファも、ああいうのが好みなのか?
でも、ケット・シーとは一緒に旅をしているとはいえ、本人と直接あったことないんだぞ。
そんな奴に気安く相談するなんてさ、何考えてんだよ。
1度は裏切った奴だぜ?それなのに俺よりあいつのこと信用してるのか?
悩みがあるなら、誰より先に俺に話してくれればいいのに・・・。


そんなことを考えてイライラしている俺のところへティファが来た。
「クラウド、今日の晩ご飯何食べたい?」
「・・・興味ないね」
「クラウド?」
何で怒ってるの?という顔だ。
そこへこのイライラの元凶のケット・シーまでやってきた。
「おやおや、なんだか昔のクラウドさんに戻ってしもうたみたいやな〜」
そのひょうきんな口調が癪に障った。
俺の機嫌が悪いのは二人のせいなんだよ!
「・・・悪いけど二人とも向こうに行ってくれよ」
「クラウド・・・」
ティファはちょっとがっかりしたような表情だ。
それを見たら、俺も悪かったかな、って思ったんだけど
「ほな、行きましょか」
「・・・うん」
ケット・シーと二人でどこかへ行くのを見てたら、またイライラしてきた。
そりゃ、俺はどっか行ってくれって言ったよ。でも二人で一緒にとは言ってない!
本当に頭に来た!!そうだ、決めた!
俺からティファを奪う奴は、たとえ神羅の重役だろうとロボットだろうと制裁をくらわす!!!
そう意気込んで俺は二人のあとを追った。


二人はハイウインドの階段に腰掛けて話をしていた。
そうだ、ケット・シーに殴りかかる前に、ティファの悩みをこっそり聞いてみよう。
そう思った俺は、階段の裏側で息を潜め聞き耳を立てた。
「どうしちゃったのかな、クラウド」
「ティファさんにあんなにあたるなんて珍しいですな〜。それにしても
 ティファさん、クラウドさんのこと想っていろいろ準備してはったのに、
 あれはひどいんとちゃいますか?」
ん、準備?一体何の・・・?
「機嫌の悪いときなんて誰にでもあるし、気にしてないよ。
 それにクラウド、自分の誕生日のことなんてきっと忘れてるし」
・・・言われてみれば、今日は俺の誕生日だ・・・。すっかり忘れてた。
「ケット・シーもいろいろ手伝ってくれてありがとう。プレゼント何が良いか一緒に考えてくれたり、
 頼んだプレゼントをミッドガルからケット・シー3号機に運んでもらったり」
そうだったのか・・・。
「クラウドさん、前にカメラが欲しいゆうてました。きっと、ティファさんのこと
 撮るつもりなんやろな。そやからうちの製品で最高のモン用意しときましたわ」
「本当にありがとう。でも、今日の晩ご飯どうしよう?
 クラウドが食べたいものにしようと思ってたのに・・・」
それでさっき聞きに来てくれたのか・・・。
それなのにあんな冷たいこと言って・・・。謝らなきゃ。
俺は階段の裏から二人のほうへ出ていった。
「ティファ・・・」
「クラウド!?」
「さっきは、ゴメン。・・・あのさ、俺、晩ご飯にハンバーグが食べたいんだけど・・・。
 作ってくれるかな?」
「うん!」
ティファが喜んでそう言ってくれたのが嬉しかった。
「ケット・シーも・・・悪かったな」
「なんやティファさんの時と態度が違うんやな。今日は特別な日やし、まあええけど」
「クラウドは忘れてると思うけど、今日はクラウドの誕生日よ。だからお祝いしようね!」
「・・・ありがとう」
この言葉は、ティファだけでなくケット・シーにも言ったつもりだ。



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今日8月19日は、クラウドのお誕生日ということが発覚しまして、慌てて書いたものです。
クラウドが欲しいものは何か、とか食べたいものは何か、とかいろいろ迷いまして
今日中に書きあがったのが奇跡です。
あと、ケット・シーの関西弁は適当です。関西地方の方、ごめんなさい。
解体真書に「関西弁らしき言葉を操る」とあるので、正確じゃなくても許してくださーい!


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