低性能PCのために

はじめに
 PCのパフォーマンスが低いけどNINTENDO64のエミュレータで遊びたいという人を対象にした特集です。対応するゲームが多いNemu64かProject64のどちらかが快適に動作してくれるといいですが、この二つのエミュレータに必要なPCの性能は比較的高いです。特に、CPUのパワーとビデオカードの3D性能がネックになります。古いPCやノートパソコン、新しいPCでも3D性能が乏しいものでは、これらのエミュレータはまともに動いてくれないでしょう。大概はどうしようもありませんけど 、あがいてみると少しはマシになるかもしれません。

PCをスピードアップ
 CPUやビデオカードなどのパーツを交換するのが最もいい方法です。しかし、「金が無い」という人が多いでしょう。そんな場合は、Windowsの設定内容を最適化して処理速度を向上させましょう。
  • レジストリの最適化
     ソフトウェアによってはインストールすると、その設定内容がレジストリという情報ファイルに保存されるものがあります。レジストリは大きくなるとアクセスに時間がかかるのでレジストリを小さくする必要があります。いらないソフトをアンインストールすればレジストリが小さくなるはずですが、実際には情報が削除されずにゴミとして残ってしまいます。このゴミを削除してレジストリを小さくし、Windowsを処理速度を向上させましょう。この作業はMS-DOSモードで行います。
     Win98の場合、「スタートメニュー」→「Windowsの終了」で「MS-DOSモードで再起動する」を選択して「OK」をクリックします。MS-DOSが起動し、C:\Windows>というプロンプトが表示されたら、
     scanreg /fix
    と入力し[Enter]キーを押すとレジストリの再構築が開始されます。ここで注意することは処理中にリセットしたり、電源を落としたりないように。最悪の場合、再起動できなくなる可能性があります。処理が終了したら「レジストリ修復結果」が表示されます。[Enter]キーを押すと再びC:\Windows>というプロンプトが表示されます。
     exit
    と入力し、[Enter]キーを押すとWindowsが再起動します。
     WinMEの場合、MS-DOSモードが存在しないので起動ディスクというフロッピーを作成する必要があります。この起動ディスクはWinMEをインストールする途中で作成できますが、もし作成していないのなら、フロッピーディスクを一枚用意し、ドライブに入れます。「コントロールパネル」→「アプリケーションの追加と削除」で「起動ディスク」タブを選択し、「ディスク作成」をクリックします。起動ディスクができたらそのまま再起動します。Microsoft Windows Millennium Startup Menuというメニューが表示されるので「4. Minimal Boot」を選択して[Enter]キーを押します。A:>というプロンプトが表示されたら、
     scanreg /fix /opt
    と入力し[Enter]キーを押すとレジストリの再構築が開始されます。/optというのを追加しましたが、これはレジストリの無駄な空白を削除してくれます。処理が終了したら「レジストリの修復に成功しました」と表示されます。フロッピーを抜いて[Ctrl+Alt+Delete]を二回押して再起動します。
  • 必要の無い常駐を解除
     余計な常駐を外して、システムリソースを増やし、PCがより多くのリソースを確保できるようにしましょう。Win98xの場合、「スタートアップ」→「プログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「システム情報」で「Microsoft システム情報」ウインドウが表示されます。「ツール」→「システム設定ユーティリティ」で「システム設定ユーティリティ」ダイアログボックスが表示されます。「スタートアップ」タブを選択し、ボックスの中に不要なものがあればチェックをはずします。「internat.exe」、「ScanRegistry」、「SystemTray」、「LoadPowerProfile」は外さない方がいいです。マウス、ディスプレイ、サウンド、システムユーティリティに関するものも外さない方がいいかもしれません。
  • CD-R All Writeを使う
     本来はCD-Rを焼くために最適な環境で再起動するソフトらしいですが、他のアプリケーションを実行する場合にも効果的で、余計な常駐を外した状態で再起動してくれます。Win9x用でWinNT/2kは不可。→CD-R All Write
  • ハードディスクの先読みによる最適化
     Win98xの場合、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティ」→「パフォーマンス」で「ファイルシステム」をクリックすると「ファイルシステムのプロパティ」ダイアログボックスが表示されます。「ハードディスク」タブを選択し、「設定」項目の「先読みによる最適化」を「最大」にします。
     Win2kの場合、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティ」→「ハードウェア」→「デバイスマネージャ」で「ディスクドライブ」をダブルクリックすると搭載されているハードディスクの名前が表示されます。これをダブルクリックして「ディスクのプロパティ」をクリックし、「書き込みキャッシュを有効にする」にチェックを入れます。
  • デフラグしてハードディスクを最適化
     定期的にハードディスクを最適化しておいた方がいいです。Win98xの場合、「スタートアップ」→「プログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「デフラグ」でドライブを選択して「OK」をクリックします。
  • DMAのON/OFFの確認
     DMAとはCPUを介さず入力装置とメモリの間でデータをやり取りするデータ転送方式をいいます。高速でCPUの負担が少なくなります。もちろん、DMAに対応しないハードディスクやマザーボードで設定をオンにしても効果はありません。それどころかトラブルのもとになるので注意して下さい。
     Win98xの場合、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティ」→「デバイスマネージャ」で「ディスクドライブ」の左にある「+」をクリックすると搭載されているハードディスクの名前が表示されます。これを右クリックして「プロパティ」を選択するとダイアログボックスが表示されます。「設定」タブを選択して「オプション」項目の「DMA」にチェックを入れます。「OK」をクリックして再起動します。
     Win2kの場合、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティ」→「ハードウェア」→「デバイスマネージャ」で「IDE ATA/ATAPIコントローラ」の左にある「+」をクリックすると「セカンダリIDEチャンネル」と「プライマリIDEチャンネル」が表示されます。DMAをONにしたい方を右クリックして、「プロパティ」→「詳細設定」で「転送モード」を「DMA(利用可能な場合)」にします。「OK」をクリックして再起動します。
  • デスクトップのカラー深度を16bitにする
     デスクトップのカラーは「True Color (32 bit)」でも「High Color (16 ビット)」でも人間の目では違いがわかりません。しかし、「True Color (32 bit)」にすると確実に処理が重くなるので、「High Color (16 ビット)」にしておく方がいいでしょう。Win98xの場合、「スタートアップ」→「設定」→「コントロール パネル」→「画面」で「画面のプロパティ」ダイアログボックスが開きます。「設定」タブを選択して、「色」項目を「High Color (16 ビット)」にします。
  • ディスプレイドライバをバージョンアップする
     ビデオチップが最大限の能力が発揮するにはドライバの良し悪しが重要となります。適切でないものを使っていると、不安定になったり、グラフィックに不具合が生じたりします。ひどい場合は、起動しないアプリケーション(PCゲームやエミュレータなど)が出てきます。
どのエミュレータを使うべきか
 CornとTRWinがオススメ。これらはすでに開発が終了して、Nemu64やProject64に比べると性能や機能の面では劣るかもしれません。しかし、動作が軽いこれらは性能が低いPCにとってはありがたい存在です。それにどちらも使いやすいのでエミュレータを初めて使う人にもオススメできます。動作を軽くするために、エミュレータの設定は解像度を低くしてフルスクリーンモードにし、サウンドをオフにしましょう。その他、クオリティを上げる項目は全てオフにしましょう。

テスト環境について
 今回テストするのに使ったPC環境は以下の通りです。
CPU Celeron500MHz
ビデオカード ATIのRage128 VRAM8MB
メインメモリ 128MB
DirectX 8.0a
OS Windows98SE
 このパソコンではNemu64やProject64はつらいでしょう。CPUはパワー不足で、ビデオカードはVRAMが少なく、Project64とは相性が悪いです。

Corn ver.0.3を使ってみる
 設定は解像度を320×240にしてサウンドをオフにしました。Cornは動作するゲームがとても少ないです。私が試したところスターフォックス64とワイルドチョッパーズくらいしかまともに動作しませんでした。スターフォックス64はグラフィックはなかなかいいです。しかも動作は高速で、サウンドをオンにしても大丈夫みたいです。サウンドをオンにして起動しましたが、音が出ませんでした。
Cornでスターフォックス64
フォックス「くたばれスリッピー(怒)」

TRWin ver.2.36を使ってみる
 設定は解像度を320×240にしてサウンドをオフにしました。TRWinはコントローラーの設定とスピードの調整ができませんけど、動作するゲームが結構多いです。今回はスーパーマリオ64とマリオカート64をテストしました。スーパーマリオ64はいきなりオッサンの顔面が真っ黒です。でもゲームになるとなかなかいい感じです。動作は高速で、サウンドをオンにしても大丈夫みたいです。サウンドをオンにして起動しましたが、サウンドの再現はうまくないようです。ちなみにセーブはできません。スーパーマリオ64のセーブタイプはEEPROMですがTRWinはサポートしていません。次にマリオカート64を試してみました。サウンドをオンにしても高速で動作しますが、キャラクターが真っ白で音は出ません。
TRWinでスーパーマリオ64
オッサン「殺すぞカメ野郎♪」
TRWinでマリオカート64
オッサン「死に腐れクッパ!」

Nemu64 ver.0.7aを使ってみる
 設定は解像度を320×240にしてサウンドをオフにしました。スーパーマリオ64はオッサンの顔面がしっかり表示されました。ゲームが始まってもグラフィックは良好です。補足すれば、グラフィックの設定で「New Combine」をオンにすると吹き出しの文字が表示されるようになります。動作は少し重いです。マリオカート64もテストしましたが、これもグラフィックは良好で、動作は少し重いです。
Nemu64でスーパーマリオ64
オッサン「・・・・」
Nemu64でマリオカート64

Project64 ver.1.3を使ってみる
 ビデオプラグインはJabo's Direct3D6 1.30を使いました。設定は解像度を320×240にしてサウンドをオフにしました。スーパーマリオ64はTRWinと同じくオッサンの顔面が真っ黒です。ゲームが始まるとまあまあです。動作は少し重いです。次にマリオカート64ですけど、これもTRWinと同じくキャラクターが真っ白で、動作は少し重いです。今回のテスト環境では、ビデオプラグインの設定で「Change blending mode if invalid for video card」にチェックを入れるとキャラクターがしっかり表示されました。
Project64でスーパーマリオ64
巨大ハナクソ「喰うぞコラ」
Project64でマリオカート64
「Change blending mode if invalid for video card」オフ
「Change blending mode if invalid for video card」オン

結果
 確かにCornとTRWinは動作が軽く、もっと遅いCPUでも何とかなりそうです。Nemu64とProject64はいろいろやってみてもこのスペックだと動作が少し重いです。ビデオカードの相性は、CornとNemu64が良くて、TRWinとProject64が悪いようです。私がこのパソコンで使うとしたら動作が最も速いCornとグラフィックが一番キレイだったNemu64でしょう。GlideWrapperにXGl200を用いてUltraHLEのテストもしました。グラフィックは良好でしたが、GlideWrapperを使うので動作は重いです。


BACK