「ううん……」
まだ少し眠気が残っている目をこすりながら体を起こす。
ベッドから出て気だるさを感じながらも着替える。
カーテンを開け、そこから差し込む春の陽射しを浴び目を細める。
「んー」
伸びをして体をほぐす。
『カチッ』
いつも通りの時刻に鳴っている目覚ましが今日も鳴り始める。
私はその目覚ましに耳を傾ける。
祐一が入れてくれた大切なメッセージ……。
聞くたびにちょっと恥ずかしくなるけど、もう慣れちゃった。
やがて目覚ましが止まり、私は部屋を出た。
「おはよう、お母さん」
「おはよう、名雪。今日も1人で起きたのね」
キッチンに行くと、お母さんが微笑みながら話しかけてた。
「も〜、いつも1人で起きてるよ〜」
私はお母さんの一言に抗議する。
「ふふっ、そうだったわね」
お母さんは気にした風もなく、奥に行ってしまった。
そういえば、私って1ヶ月くらい前まで1人で起きれなかったんだね……。
祐一や香里、北川君にまで色々と言われたっけ……。
真琴やあゆちゃんにも……あれ?
「お母さん、真琴とあゆちゃんは?」
「近所でお祭りがあるって行ったらすぐに出て行ったわよ」
あ、あの神社のお祭りって今日だったっけ。
「祐一も行ったの?」
「祐一さんならまだ降りてきていないわよ」
「じゃあ私、起こしてくるね」
「ふふっ、いってらっしゃい」
お母さんが頬に手を当てて笑う。
最近はすっかり立場が逆になっちゃったね、祐一。
祐一の部屋に向かいながらそんなことを思う。
『お前、よくそんなに寝ていられるな?』
前に聞いた祐一の言葉を思い出す。
本当だね、私も今はそう思うよ。
でもね、それにはちゃんと理由があったんだよ?
現実の世界では祐一に拒絶されたから、夢の世界で祐一に受け入れて欲しかったんだよ?
夢の世界では、たとえ嘘でも私は幸せでいられたから……。
……きっと眠っていることが幸せだったんだと思う。
でもね、今は違うんだよ?
現実の世界で祐一が私を『好き』って言ってくれたから……。
だから、もう夢の世界にいたいとは思わないんだ。
夢の世界で幸せでも、それはやっぱり夢でしかないから……。
同じ幸せなら、現実のほうがいいから。
それに………。
夢は見るものじゃなくて、叶えるものだって気がついたから。
だから、私はもうそんなに眠ったりしないんだよ?
そんなことを思っていると、祐一の部屋の前に来た。
『コンコン』
ノックをしてみるけど、返事がない。
「祐一、入るよ〜?」
返事が返ってこないとわかっているけど、一応そう言って部屋に入る。
「………スー……スー」
祐一が寝息をたててる。
クスッ、やっぱりまだ寝ているよね。
今は午前9時……いつもなら、そろそろ起きてもいい時間だよね。
目覚ましを見てみる。
セットが9時近くになっているのに気がつく。
やっぱり……。
私は目覚ましのスイッチを切る。
そして、いつも通りに祐一を起こす。
名雪は何であんなに寝ていられるのか?
この疑問を持たれた方は他にもいらっしゃるのではないでしょうか?
ym2なりにそのことを考えてみたら『こんな感じなんだろうなぁ、』と思い、ペンを取りました。
キーボードで打ってるじゃないか! という突っ込みは了承しません。(爆)
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