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アーキタイプ
日本語で「元型」と書く。
ユング心理学では、心の内に存在する遺伝的に受け継がれた部分。
無意識的、本能的に結びつく心の行動を構造化するための型とされる。
劇中では、ケビンの設計したKOS-MOSのプロトタイプにこの名が冠されている。
アタリア
星団連邦所属の惑星の一つ。
ヴォークリンデの遭難宙域から比較的近い場所にある惑星。
セニルへの転移コラムの中継点。
アトラクト・インヒビター
ゾハル エミュレーター活動阻止装置。
生化学用語では酵素の働きを阻害する物質(Inhibitor)を指す。
アビス
直訳すると"深淵"。
深い穴、地獄を意味する言葉。
劇中では、旧ミルチア宙域に発生した二重ブラックホールのことを指している。
嵐の中は暗く−
"It was very dark, and the wind howled horribly around her"
L.F.ボーム作「オズの魔法使い」
(A.D.1900)より。
アルベド
アルベド・ピアソラ。
T.C.4741年生まれ。26歳。
C.G.ユング「心理学と錬金術」より、錬金術における白化のプロセスを指す。
乳白色の髪を持つ、U.R.T.V.固体ナンバー667の愛称。
アルベドの機体
現時点ではその名称及び詳細データの一切が不明の機体。
10メートルを超えるそのサイズや、D.S.S.S.等が見受けられない点や、数千メートル級のグノーシスを一撃で葬り去る点から見ても明らかにA.G.W.S.とは別種の機体であり、その主機関も通常のジェネレータや転送型ジェネレータの類ではないように思われる。
アレン・リッジリー
T.C.4743生まれ。24歳。
ヴェクター第一開発局KOS-MOS開発計画総合オペレーションシステム開発室副主任。ボロメオ大卒後、T.C.4764年ヴェクター第一開発局に入局。
シオンより二歳年上だが、ヴェクターでは一年後輩にあたる。
実家は資産家のようだが、本人はあまりそれに触れたがらない。
趣味は釣り。
アンドリュー
T.C.4731年生まれ。36歳。
連邦軍海兵隊中佐。
巡洋艦ヴォークリンデの副長を務める男。
曰くありげな男である。
アンドロイド
人造人間。
アンドロイドという名称は、フランスの作家ヴィリエ・ド・リラダン(1838〜1889)作、「未来のイヴ」に登場するアダリーという名の人造人間に対して使われたのが最初と言われている。
劇中の仕官は「レアリエン全盛のこの時代、機械仕掛けの人形を創っている連中の気が知れない−」という意味で使ったと思われるが、彼は、人間の体組織とほぼ同様の構造をもっているレアリエンも、広義にはアンドロイドにカテゴライズされるという事実を認識していない。
むしろ、人の手による完全なAIの創出を断念し、自然発生的なネットワーク成長に頼った"疑似"AIがコンピュータ産業の中核を成しているこの時代、あえてそれに挑戦し、実践しようとしているヴェクターの技術力の高さが伺える一コマである。
アンプリファイアー
艦船に搭載される、ヒルベルトエフェクトの増幅器。
百式観測器から発せられるヒルベルトエフェクトの波頭を増幅し、周囲に展開する。
展開限界範囲は100キロメートル程度のため、空間戦闘時の使用は、複数の艦艇の連携が必須とされる。
また、そのシステム重量は数十トン〜数百トンに及ぶ為、大型の艦船か都市といった質量の制限を受けない場所にしか設置できない。
T.C.4766年以降に製造された連邦軍艦艇には標準的にこのシステムが搭載されている。
ヴォークリンデにも当然このアンプリファイアーが搭載されていたが、百式観測器が配備されていなかった為、戦闘初期に甚大な被害を被ってしまった。
ECM
"Electronic Counter Measure"の略。
電磁波による電子機器妨害システムのこと。
劇中では、対グノーシスに用いられていることから、単なる電磁波による妨害ではないと思われる。
EPRパラドックス
量子力学的相互関係にある二つの粒子−例えば電子−があったとする。
この二つの電子(電子A・電子B)は右回りか左回りのスピンを持ち(どちら向きかは観測されるまで判らない)そのスピンの和はゼロであるとする。
この電子を互いに正反対の方向へと放出する。
放出された電子が十分に離れたところで、片方の電子のスピンの向きを観測機によって観測する。
そのとき、電子Aが右回りのスピンであったと観測されたならば、二つの電子のスピンの和はゼロであるのだから、もう片方の電子Bのスピンの向きは左回りであると一瞬のうちに−たとえ数光年の距離を隔てていても−確定される。
量子力学は"観測されるまではなにものも決定されず在るのは確立のみ"という理論であるので、上記結果は電子Aから電子Bへと瞬時にして(光の速度を超えて)情報が伝わったことを意味する。
これをEPRパラドックスという。
EPRとは、アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼンの頭文字のことで、上記パラドックスは三人が共同論文内で考案した思考実験の一例である(論文では光子であったらしい)。
後に実験室でもそれが確認されている。
EPRレーダー
高速限界を超え、遥か数万光年先までの索敵が可能なレーダーの事。
EPRパラドックスを応用している。
意思領域の防壁
いわゆる心の壁。
他人に知られたくない"真実の感情"。
念話者同士の会話において、この制御を怠ると、例えば「腹が減った」とか、「トイレに行きたい」とか、「こいつ馬鹿じゃないの」といった普段は表に出すことの無い感情まで筒抜けになってしまう。
異能者
アレンは「ミュータント」と呼んでいるが、決して外見上、人間と異なる存在ではない。
ライフリサイクル法全盛の頃に、身体機能の向上や脳の増量等の"人為的な処置"を施された人々、またはその子孫がこう呼ばれている。
現行の連邦法では、それらの人々への差別は固く禁じられているが、実際はさほど浸透しておらず、各宙域で根強く残っている。
クーカイ・ファウンデーションではそれらの人々を保護し、生活の場を提供している。
インターコネクション
相互連関。
劇中では、VR-2000を使用して非局所的(non local)連結を実行することを意味する。
これは空間的な距離−つまりは物理的な制約を受けることなく、瞬時にデータの相互間のやり取りを可能とする技術で、理論的には数万光年の距離を隔てていても、タイムラグ無くデータを送受信することが出来る。
U.M.N.のと特性でもあるEPRパラドックスを応用している。
インターリンク
二者間で、物理的接続による意思の疎通を行うこと。
通常は体内にインプラントされた制御デバイスを介し、U.M.N.の回線を使用して行われる。
ヴァンダーカム少佐
U-TIC機関の指揮官の一人。
ゾハル確保のため、ヴォークリンデに乗り込んでいた−らしい。
シオンを怒鳴りつけた少佐と同一人物かは不明。
V4野
視覚野の一つ。
この部位が両側とも損傷すると、完全な色盲になる。
脳には、30あまりの視覚野があるといわれている。
ヴィルヘルム
星間コングロマリット「ヴェクター・インダストリー」の創設者にして総帥。
十年ほど前まで、星団連邦 枢機院会議議長の職に就いていた。
ケイオス同様、その出身、経歴の一切が謎に包まれている。
緋色の外套の男が側近として常に付き添っており、その執務室には常にワーグナーの楽曲がかかっている。
ウェーブライド
ハイパースペースの内壁と船体のシールドとを干渉させることによって高機動を得る操船方法。
境界面ギリギリを飛行させる為、常人のそれを遥かに上回る操船技術が要求される。
ヴェクター・インダストリー
Vector Industries
食品、薬品、各種ソフトウェア、ハードウェア、果ては平気や通信に至るまで、およそ文化文明に関する全ての物の生産流通を手がける連邦最大の巨大企業体。
多数の部門に分かれており、その中核を成すのが第一〜第三開発局である。
その歴史は古く、連邦発足当事にまで遡る事が出来る。
ヴェクター艦船部
ヴェクター第二開発局内に存在する、宇宙艦艇を主に製造している部門の事。
ヴォークリンデもここで建造された。
ヴェクター第一開発局
ヴェクター内での略称は"一局"。
元々は官民共同でU.M.N.の管理事業を手がけていた部門。
企業の一部門に局名がついているのは、その当事の名残である。
U.M.N.管理事業が政府側に移管されたからは産業用の超AIといった各種コンピュータチップとそれに付随するソフトウェアの開発が主な業務となっている。
シオン達が担当しているKOS-MOSの開発も、その制御プログラムである情操系ソフトウェアの開発が主である。
KOS-MOS開発計画の総括責任者であったケビンが一局の人間であったことから、ヴェクター内での主な仕切りは一局が行っている。
ヴェクター第二開発局
各種ハードウェアの開発を担う部門。
連邦艦船やA.G.W.S.の開発、製造もこの部門が担っている。
ヴェクター第三開発局
レアリエンの開発、製造、教育、販売までを一手に担う、ヴェクター三大主要部門の一つ。
その動機は明らかとなっていないが、シオンはこの開発室勤務を志望していたらしい。
ウェルズの宇宙人
作家H.G.ウェルズが創作した、タコ様の体躯をした宇宙人(火星人)のこと。
劇中で、アレンの頭の固さに閉口しシオンが、その様をタコ頭の宇宙人に準えて言った台詞。
しかし、"あの"火星人の頭、とても固そうには見えないのだが、当のシオンは固いと思ったーらしい。
ヴォークリンデ
Wolglinde
全長約1000メートル。
ヴェクター社によって建造され、連邦軍海兵隊に貸与された、対グノーシス専用としては初の戦闘艦。
公開試験運転を兼ねて、ヴェクターから急遽その"指揮ブロック"と"推進器のみ"が連邦軍海兵隊に配備されたため、その艤装の8割が未装のままである。
公試運転中であるため、連邦軍海兵隊の徽章、飾章等はなく、ヴェクター社のロゴが舷側に描かれている。
上下に二分割された独特の船体構造を持っており、上部がその指揮ブロックとなる。
下部船体は新式のロジカルドライブのテスト運用の為、汎用の資材を集めて急遽建造されたものであり、ヴォークリンデ本来の船体ではない。
ウ・ドゥ
U-DO
ネピリムシオン達に見せた未来の映像中、旧ミルチアから発せられた巨大な波動の事。ガイナンヘルマ−、そしてヴィルヘルムらの台詞から推察するに、何らかの形で十四年前の出来事に関係あると見て間違いない。ネピリムが言うには、それは意識体らしいが……。
A.G.W.S.
"Anti Gnosis Weapon System"の略。
エイグスと読む。
グノーシス用に開発された戦闘兵器体系のことを意味し、よってその形態は必ずしも人型に限定されていない。
神出鬼没のグノーシスに対処する為、それまでの標準的な兵器より、大幅な小型化が成されており、その重量は大型乗用車並となっている。
主要駆動機関はTransmit Generator(転送型ジェネレータ)と呼ばれる物だが、これにはエネルギー発生器も燃料も組み込まれておらず、全ては母艦、または母機からの駆動エネルギーの直接転送によって賄われている。
よってジェネレーターという呼称は便宣的なものである。
空間機動用のプロペラントも同様に、転送によって常時供給されるため、母艦、母機の影響範囲内であれば、実質的にその活動時間に制約は無い。
A.G.W.S.(その2)
A.G.W.S.はその用途別に、様様な機体が存在する。
連邦軍で正式に採用されているA.G.W.S.は状況への即応態勢を確立する為、全タイプ共通規格のコクピットモジュールが採り入れられ、四肢やバックパック、武装を換装することによって、速やかに多用な状況への対応が可能となっている。
ヴェクター製のA.G.W.S.は正式に量産されているものではなく、民間への販売を目的として事前トライアル中のものである為、現在のところ、政府の特殊機関や軍の一部部隊で試験的に運用されているにとどまっている。
デュランダルで使用されているヴェクター製のA.G.W.S.も上記ルートから特別に供給されているものである。
エーテル
ETHER
"Especial Theory of Rudimentary"の略。
直訳すると"特殊根本原理"となる。
超常的なモノも含んだ個人の持つ特技から、ナノマシンによる治療、転送技術を応用した特殊な空間制御まで、その範囲は広く、広義な意味での特殊能力といったところ。
シオンKOS-MOSジギーモモが主に使用するエーテル技は、転送技術応用系か、もしくはナノマシンによる特殊技にカテゴライズされる。
現実世界におけるエーテルとは、光の伝播を媒介する特殊な触媒として仮定されていたもの。
S.M.Sの識別シグナル
"Somatically Monitoring System"の略。
U-TIC機関員の個別活動監視システム。
エマージェンシーレベル3
緊急即応態勢レベル3を意味する。
全回線がCIC(戦闘情報センター)に割り振られた点から見て、グノーシスとの戦闘時に執られる緊急態勢のようである。
エミュレーター
ある特定のコンピュータのシステムを、異なるハードウェアやソフトウェアで擬似的に作動させること。
劇中ではゾハルエミュレータのことを指す。
"ゾハル"を"エミュレーション"する、と言うことが何を意味するのか、また、どういった目的でこれが作られたのか、現時点では不明。
M.W.S.
エム・ダブリュ・エスと読む。
"Multiple Weapon System"の略。
シオンの後輩であるミユキが設計、製作した個人携帯型多用途兵器システム。
本体内には格闘専用ナックル、帯電ロッド、体グノーシス用ビームランチャーといった様々な武器が格納されている。
空間の位相変換を応用したシールド機能も搭載されており、攻撃面でなく、使用者の防衛面についても、ハイレベルの対策がとられている。
また、自重の相殺と打突時の威力増を目的とした暫定的ロジカルドライブが組み込まれている為、たとえ非力な人間であっても、陸戦兵器と対等に戦うことが出来る−らしい。(ミユキ談)
MT野
側頭葉MT野の事。
この部位に損傷を受けると運動盲−視力は正常だが、運動体(走っている人や車)を連続的な動きとして捉える事が出来ず、ストロボ撮影みたいな状態−になる。
人との会話も転送速度の遅いTV電話のようになるという。
エルザ
ELSA
全長166メートル。質量8400トン。
ローエングリン級高速航宙クルーザー。
以前は、とある犯罪組織が所有していた高級船舶であったが、マシューズの手に渡ってからは、貨客用に改造され、現在はクーカイ・ファウンデーション船籍の船として運用されている。
マシューズによって、船体のいたる所に無許可の隠し武器が艤装されているが、外観からはまず判別できない。
また、その主推進機関は、最新のロジカルドライブ(論理推進装置)に換装されており、そのスピードは宇宙一を誇る-らしい。(トニー談)
エルザとは、歌劇「ローエングリン」に登場するヒロインの名。
LPS
"Local Positioning System"の略。
艦内での各課員の状況(一樹法や身体機能のモニタリング)をCIC(戦闘情報センター)に知らせるシステム。
全課員の情報量を遥かに超えるキャパを持っている筈のLPSが輻輳を起こした理由としては、A.G.W.S.によるD.S.S.S.の並列使用が考えられる。
索敵、固着用の百式観測器が無い状態では、A.G.W.S.は自力でグノーシスの干渉タイミングを弾き出さなくてはならない。その為、常時A.G.W.S.D.S.S.S.をバックアップしているCICのメインフレームに負荷がかかったと考えられる。
エンヴァイラメンタル・バグ
閉塞した空間をクリーンに保つナノマシンヨアキム・ミズラヒの遺した技術の一つ。
エンセフェロン
ギリシア語で脳の意。
ここでは、KOS-MOSの主ネットワーク内に構築された疑似空間のことを指す。
オーテック
U-TIC機関が使用する自動戦闘マシン。単機でのゲートジャンプが可能であり、機体後部のコンテナ内に十機程度の小型戦闘端末を格納している。