いつからだろう・・・
 彼女を好きになったのは・・・
 近くにいて、そして遠い存在だった彼女・・・


振り向けばそこに・・・
                       by Lathi=AM−LARM


「おはよう、美坂」

「おはよう、北川君」

 季節は春になり、始めて学校に行く日。
 つまり始業式だ。
 俺は今日、一つの大きな決意をしていた。

「相沢と水瀬さんは、やっぱり?」

「ギリギリ・・・でしょうね」

 何時も通りのやりとり・・・
 俺の気持ちに気付いてくれる事は無い。
 
 
  

 彼女と出会ったのは丁度1年前の今日。
 2年になり仲の良い友達とも違うクラスになってしまった俺は、指定された席で一人ぼーっとしていた。
 新しいクラスは知っている奴があまり居なくて、かなり退屈だったのを覚えてる。
 そんな時に一際大きな声が教室内に響いた。

「はぁ、はぁ。アンタと一緒に学校に行こうとしたあたしが馬鹿だったわ」

「う〜。努力はしてるよ〜」

 そう、美坂と水瀬さんだ。

「ねぇ、時間は?」

「ん? ああ、ギリギリセーフだよ」

 丁度近く居た俺に美坂が声を掛けた。
 これが、彼女との出会いだった。

 お互いに自己紹介をして、初めて彼女が学年主席である美坂香里である事が分かった。
 正直、始めは彼女の事をあまり良く思ってなかった。
 何故なら、進学校である為に順位が上位の人間は、それを鼻に掛ける奴が多かったからだ。
 現に前のクラスではそういう奴がいた。だから俺はそういう人間に嫌悪感を持っていた。

 結局のところ、俺は水瀬さんを介して彼女と仲良くなっていった。
 彼女と話している内に、彼女はその辺にいる普通の女の子と同じ様によく笑う子だと分かった。
 始めに持っていた嫌悪感は何時の間にか無くなっていた。
 

 クリスマスが近付いてきたある日、いつも明るい彼女が急に笑わなくなった。
 話し掛けても心ここに在らずって感じで、いつになく素っ気無かった。

 その時になって俺は、自分の気持ちに気が付いた。
 そう、彼女の事が好きという事に・・・

 それから、何かに付けて彼女と行動を共にするようにした。
 笑わせる為にアホな事もやった。
 でも、日増しに素っ気無くなっていった。
 

 そして俺は親友とも言える男に出会った。
 年も変わった1月8日。その日転校生がやってきた。
 そう、相沢祐一だ。
 第一印象は何か軟派な奴だと思った。でも、実はかなり変な奴だった。

 それから相沢も加わり、何時の間にか美坂チームと呼ばれていた。
 もっとも、言い出しっぺは俺だけど・・・

 2月になろうとした時、彼女が学校を休んだ。
 風邪だろう言っていたが、相沢は休んだ本当の理由を知っているようだった。

 正直言って、悔しかった。
 何故相沢に話して、俺に話してくれないのだと・・・
 そして、それ以上に自分が許せなかった。
 何故気付いてやれなかったのだと・・・

 3月に入り、その理由を美坂は話してくれた。
 彼女の妹の栞ちゃんが不治の病であったこと。
 そして奇跡が起こり、今は回復に向かっていること。
 その時の彼女の最後の台詞を、今でも覚えている。

『起きないから奇跡と言うと思っていたけど、奇跡って起きるものなのね・・・』

 それから彼女の相沢に向けられる目が変わったような気がする。
 きっと、俺の気持ちが届く事は無いと思う。
 でも彼女は言った。
 奇跡は起こるものだと・・・
 俺にも奇跡が起こるのだろうか・・・
 正直分からない。
 でも、俺は今日この気持ちを美坂に告白する事にした。

 奇跡が起きる事を信じて・・・
 
 

「なあ美坂。今日の放課後、少しいいか? 大事な話があるんだ・・・」
 
 
 


後書き

 一度やってみたかった、北川の話です。
 北川が香里を好きになった理由を自分なりに考えてみました。
 告白の結果はどうなったのかは、皆さんそれぞれが考えてみてください。
 どっちでしょうか。
 大半は玉砕と考える人が多そうですね・・・(汗)

 しかし、完全なシリアスになってしまいました。
 正直LALらしくないかもしれませんが、たまにはこういうのも良いでしょう?
 書き方も少し変えてみたんですが、『読み難い元に戻せ!!』という方がいればご一報下さい。その時は元に戻します。
 感想などありましたら、くれればLALは大喜びなので是非下さい。
 では、これにて・・・

2002年01月14日著
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