ドクン、ドクン、ドクン

 自分でも緊張で心拍数が上がっているのが分かる。
 俺はスコープと呼ばれている照準機から目標を狙っている。
 そう俺、相沢祐一はスナイパーと呼ばれている者だ。


俺はSniper
                            by Lathi=AM−LARM

「風速、南南東0.4m/s。距離は・・・」

「祐一さん、やはりここは1クリックでしょうか?」 

「いや、2クリックで行こう」

 俺はスコープの上部のダイヤルを回し調整していく。

 カチ、カチ

 調整して改めて目標を狙う。
 スコープの中に再び目標が映し出される。
 目標はこちらに気付かずに平然と立っている。
 今自分が狙われている事に気付かないとは、少々哀れだと思う。
 だがしかし、気付いた時には新たな世界へと旅立つのだ。

「祐一さん、それでは少し狙いずらいです」

「ああ、分かっている。だが残念だが、ここではバイポットは使えないんだ」

「かなり難しいでしょうか・・・」

「仕方が無いさ。だが俺はプロだ。クライアントからの以来は遂行する」

 そう、俺はクライアント(依頼者)からの依頼でここにいる。
 依頼内容は詳しくは言えないが、今俺が狙っている目標を撃ち抜く事。
 ただそれだけだ。

 準備は整った。後は撃鉄を起こして(この事をボルトアクションと言う)トリガーを引くだけだ。

 カシャ、カシャ!

 銃弾が装填され、トリガーに指を掛ける。

「ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・」

 呼吸が荒い。緊張しているのが分かる。
 緊張から上手く狙えない。

「祐一さん。落ち着いて・・・」

「すぅぅ」

 大きく息を吸って、呼吸を止める。
 こうする事によって、呼吸によるブレを無くす事が出来る。
 目標に照準を合わせて・・・撃つ。

「貰った!!」
 

 ポン!
 

 軽い音がして、コルクの弾が飛ぶ。
 そして景品に見事にヒットして、景品が倒れた。

「イエス!!」

 俺は思わずガッツポーズをする。

「アイスクリーム1年分大当たり〜」

「わ〜祐一さん、凄いです〜!」

「ふっ、だから俺はプロだって言っただろう」

 えっ? 話が見えない?
 俺は縁日で射的をしているんだが?
 狙撃じゃなかったのかって? 俺は一言も狙撃なんて言ってないぞ。(上をよく読んでみよう)
 目標? 人って言ってないぞ。

「でも兄ちゃん、射的でスコープはやり過ぎじゃないかい?」

「いやぁ、バイポットがあればもっと確実だったんだけど、おっちゃんダメって言うし」

「そんな事許可したら、大赤字になっちゃうよ」

「はっはっは、それは違いないな〜。でも今回は俺の勝ちだ!」

「持ってけ泥棒!」

 そう言って、俺に景品をくれた。(今は『アイスクリーム1年分』と書かれたプレートがあるだけ)

「じゃ、商品は後で家に送るから」

「はっはっは、待っているぞ!!」

 こうして、長い戦いが終わりを告げた。
 俺はゲットした景品をクライアントである栞に渡した。
 偶然俺が射的でアイスクリーム1年分ってのを見つけた為に、栞にねだられてしまったという訳だ。

「有難う御座います〜」

 その後、栞は終始笑顔だった。
 

 終わり。と言うかむしろ終われ!


−後書き−

 何気にいきなり思いついたネタです。
 やっぱ、趣味入りまくりですね。
 何故かこういうネタの時は、活き活きしている気がしてなりません。
 しかも書き上げる速度が尋常でないし・・・
 それはさておき、
 実際はスコープは遠くの目標を狙うのに使う物ですので、射撃のような近距離では実際は使えません。
 って、普通やる人いませんね。(汗)
 そもそも、アイスクリーム1年分なんて景品は無いですね・・・
 設定に問題ありすぎでしたね〜。
 んでは、次回作でお会いしましょう!!

2001年8月20日著
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