リップクリーム



がさごそ。 あれ、どこに入れたっけ。 「あれー? どこいっちゃったんだろう……あ、あったあった」 「何探してんだ、リナ?」 「リップクリーム。 なんかここ乾燥してるから……」 リップを唇に近づける。 と、ガウリイがつまんなさそーにいうのが聞こえた。 「なんだ、てっきりキスの準備でもしてんのかと思った」 とんでもないセリフに、思わず振り返る。 「あ、あほかっ!! なんであたしがそんなことっ! ちゃんと保湿しとかないとひびわれちゃうから やってるだけっ! 絶対準備なんかじゃないんだからっ!」 顔が真っ赤になってるのがわかる。 保護者と被保護者の関係から、その――こ、恋人になったのはほんの一ヶ月前。 それまでそんな様子はおくびにもださなかったくせに、いきなり態度に表すようになって あたしはいい迷惑である。 「可愛い」だの「好きだ」だの……とにかくいろいろ、言葉にも出すし、 何より手が早いのだ、この男は。 ……っていってもまだそーゆーことしたわけじゃないんだからねっ?! ほんとにっ!! ただ、その……いろんなトコでキスしてこようとするのだ、こいつは……。 いやまあ、あたしだっていやなわけじゃないんだけど……あー何回もされるとねぇ……(///) 「とにかくっ! そーゆーことなんだから! へ、ヘンなこと考えてんじゃないわよ!」 「ヘンなことかぁ? まあいいけど。でも――」 ガウリイの腕が伸びてくる。あっという間にあたしを捕らえて―――― 「ちょっ……んっ……」 「――――必要ないんじゃないか? こんなにやわらかくて気持ちいいんだし」 「……あ……あほかぁぁっ!!」 ――――ちょっとは控えてよ、と思う今日この頃なのだった。                          END



あとがき:春日海様へ献上したもの。
     ……私の脳みそどうかしていたとしか思えません……

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