「リナ……」
ガウリイの大きな手が、あたしの頬にそえられた。
軽く上を向かされ、ガウリイと見つめあう形になる。
「……好きだ」
ガウリイと、その……付き合うようになってから幾度となく囁かれる言葉。
その一言だけで、あたしの心臓は暴走を始め思考は停止してしまう。
顔が熱くなるのがわかった。 さぞや真っ赤になっていることだろう。
上手く動かない口で、あたしはなんとか言葉を紡ぐ。
「あ……あたしも……よ」
「リナ……」
ガウリイの顔がゆっくり近づいてくる。
あたしは目を閉じた――――そして。

「やっぱまだだめえぇぇぇ――っ!」
めきゃ!!
唇が触れる寸前、あたしの放ったアッパーが見事ガウリイのあごを捕らえたのだった。



「あのなぁ……」
あごを押さえてガウリイがジト目で睨む。
うう……怒ってる。 無理もないかも……これで11回目だし。
「ご、ごめんね?」
とりあえず可愛らしく謝ってみたりする。 ポイントは上目遣い――ってそんなことは
どうでもよくて。
「でも……やっぱまだ……いざとなると緊張しちゃって……そ、それにね、こーゆーことって
ムードも大切だと……」
「これ以上ないくらいいい雰囲気だったと思うが……」
……むう、確かに。 少し郊外の丘の上、夜空には星がたくさん輝き、街の灯りも夜景として
申し分ない。 そこに、その……す、好きな人と二人きり。
文句のつけようがないくらいいい雰囲気かも……。
「……それは……」
「ただの言い訳なんだな?」
ガウリイの口調がいつもより少し厳しい。
「そんなに俺とキスするの嫌か?」
「ちが……そうじゃないけど……」
どうしよう、本気で怒ったのかな……?
やば……泣きたくなってきた。涙が出てきて、あたしは慌てて下を向く。
「ごめん……」
どうしよう……どうしたらいいかわかんないよ……。
そのとき、ぽんぽんと頭を撫でられた。
「悪い……怒ってるんじゃないから。 だから、泣くなよ」
ちょっと困ったような、優しい声。
顔をあげると、そこにいるのはいつものガウリイだった。
「……怒ってないの?」
「怒ってない。 ただ少し……不安になったんだ」
「不安?」
「そ」
ガウリイがあたしをやさしく抱き寄せる。
あたしもこれには逆らわず身をまかせた。 ガウリイの腕の中って、暖かくて、気持ちよくて
安心できるのよね……。
「リナは俺とキスしたりするの嫌なのか――ホントは俺のこと嫌いなのかなって考えて」
……は? キライ? あたしがガウリイを?
「ちがう!」
思わず叫ぶと、ガウリイがびっくりしたようにこちらをみた。
目があって、また顔が赤くなるのがわかる。 でも今度は目をそらさずに、あたしは口を開いた。
「キライなんかじゃ、ないから。 ただ……その……は、恥ずかしいだけで……好き、だからね?」
「……そっか。 良かった」
ガウリイが柔らかい笑みを浮かべる。


あたしたちはそのまましばし見つめあって――――いつの間にか、キスをしていた。






「……イヤじゃ、なかったよな?」
その後で、あたしを抱きしめながら言うガウリイに、あたしは答える。
「……イヤなわけ、ないじゃない……」
「そっか……好きだ、リナ。 愛してるよ」
「あああ愛って……っ!」
「うん、愛してる。」
「…………」
『好き』よりも威力の強い言葉に、あたしは何もいえなくなって。
結局、夜明けまで二人で黙って星をみたのだった。




あとがき:いい感じなオチが思い浮かばなかったので中途半端な終わり方に……(汗)
     一ヶ月も待たせた挙句この出来か(苦笑) あーあ。 

     感想など頂けると今世紀中幸せでいられるかな……? とか。(ぐふっ)
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