月に杯を 闇に宝玉を
C.M.J.D.

T

DAWN
ハジマリ

大好きだった童話の絵本。
最後に主人公は、民衆に向かって
言葉を述べる。

読み聞かされた同じ童話。
二人の母は、主人公になりきって
言葉を述べる。

或る母は、

月に掲げるは 生命の杯
闇を照らすは 虹の宝玉 と。

もう一方の母は、

月に掲げるは 死臭の杯
闇を照らすは 金の宝玉 と。

同じ童話のラストシーンは
見事二つに断ち切られた。

『月に杯を闇に宝玉を』
その言葉だけ信じて生きてきた。
結末は信じられぬまま。

黒の道と白の道。
どちらが先に
あの柔らかな光―安息に辿り着けるのか。
真実は誰も知らない。

...the Cup for the Moon, the Jewel for the Dark.

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